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モサエビの刺身 居酒屋で一杯600円のシャルドネ
珍しいモサエビの刺身にありつく機会に恵まれた。モサエビは正式名クロザコエビ。山陰沖、北陸、近畿の日本海側などで水揚げされる。モサエビは山陰独特の呼び方で、ゴツゴツとした見た目の武骨な印象が猛者と呼び習わされたもいう説もあるらしい。9月から翌年5月までが漁期。2月半ばから数が増える。そろそろ漁期の終わり、滑り込みで胃袋に収めることができた。
こちらがそのモサエビ。
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あまり全国区で見かけないのは、鮮度が落ちやすく、また深海に住んでいることもあって、半日ほどで頭が黒く変色してしまうのが背景だ。最高の鮮度でなければ刺身として供されない。現に皿の上で足がまだ動いている。
身を口に放り込むと弾力が強く、歯が弾き返されるかのようなプリプリ度合い。噛むと甘みを感じるほどの贅沢な風味が広がり、旨味豊かな余韻へと繋がる。
飲み物はグラスワイン白を注文する。海鮮が売りの居酒屋で、日本酒はいろいろと置いているがワインの品数は多くはなかった。
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ジネステはボルドーのネゴシアンとして1897年創立、今ではボルドー中に広がる41の生産者からブドウを調達する。
ジネステ セレクション シャルドネ, 605円
Ginestet, Chardonnay, France, IGP
おおらかで陽気さを感じるリンゴなどの果実香、ほのかにフラワリーなタッチも、ボリュームは中程度。
風味にもゆったりとした陽気な果実味を感じる、カジュアルながら醸造は的確で隙はなく、ピュアな果実味をストレートに伝えている。
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最高鮮度のモサエビの刺身ならではの身の甘みと旨味に、ワインのピュアな果実味が陽気に寄り添う。ワインに樽香がほぼ感じられないことも、刺身には繋がりやすいポイントだろう。ワインリストはミニマムながら、広く海鮮に寄り添うものを置いていることに好感を覚えた。が、海鮮に合わせて楽しいシャブリ、ソアーヴェ、甲州、アルバリーニョ、ヴェルメンティーノなどのオプションがあっても苦しゅうないのではある。ただ、そうするとお店側のワインセレクションや在庫管理が大変なので、持ち込み料金を取ってもらって、こちらで準備することで全く苦しゅうないのである。
相性: ★★★☆☆