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牡蠣の磯の香りに、みずみずしい出雲の甲州
冷え込む夜、魚介の出汁で身体を温めたい。
鍋に牡蠣、イワシのつみれ、鯛ちくわをごそっと入れる、野菜は定番の大根、はくさい。
調味料はほとんど使わず、シンプルに仕上げ、魚介のエキスをダイレクトに楽しむ。
香味の長ネギの千切りがいい仕事をしてくれる。
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牡蠣に合わせるワインはなかなか神経を使う。力強い磯の風味とほのかな苦みに、ワインが強すぎると喧嘩し、弱すぎるとワインが簡単に負けてしまう。
セラーから取り出したのは島根ワイナリーが甲州で造る一本。
日本ワインコンクールの甲州品種部門では、毎年山梨がトップを独占してきた。
甲州の9割以上を生産するのが山梨なので当然といえば当然の結果だ。
その山梨の牙城を初めて崩したのがこの島根のワインだ。
2019年のコンクールで、2018年収穫のブドウでの快挙だ。
その後も安定的に品質の高い甲州のワインを造り続けている。
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島根ワイナリー, 縁結, 甲州, 島根県出雲市大社町, 2020, 13%, 2,200円
透明度の高い非常にクリアな色調。
大ぶりの梨、すだちやカボスなどの引き締まった、酸味と柔らかい苦味をもつ果実香、香りは穏やかながらしっかりと個性を感じる。
みずみずしくピュアな果実味、上品な甘みもほのかに感じる、穏やかながら的確に存在する酸味、余韻には微かにほろ苦さあり、奥行きのあるフィニッシュ。
みずみずしく流れるような、やや控えめなワインの果実味が、牡蠣の特有の磯の風味を受け止めた。
このワインはやや癖の強い魚介にも安心して合わせられる。
さらに嬉しいのは2,200円ほどで素晴らしいクオリティ、コストパフォーマンスも抜群だ。