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タコとセロリのマリネにリッチな果実香のポルトガルワイン

タコとセロリのマリネは素敵な前菜だ。

彩りはタコの身のホワイト、皮のレッド、セロリのグリーンと鮮やか。
口に入れるとタコの弾力とセロリの繊維質のシャキシャキとした歯応え、ビネガーの酸味が心地よい刺激だ。
食欲をそそる彩り、摂食中枢を刺激する強めの歯応え、口内の唾液腺を刺激する酸味。
シンプルだが前菜として必要な要素をフル装備している。

セラーから取り出したのはポルトガルの白ワイン。
スペイン、イタリアなどのヨーロッパの一部ではタコが食べられているが、ポルトガルも同様だ。
タコを食べる国のワインなので、きっとタコにも合うだろうという極めてシンプルな(安易な) ワインセレクション。
このワインはサクラワインアワードという、日本のワイン業界関係の女性審査員によるワインコンペティションがあり、そこで金賞を上回るダイヤモンド賞を獲得している。
日本人女性の味覚は素晴らしいのか、サクラワインアワードで高い評価を得ているワインに間違いはほとんどない。
そんなワインが2,000円ほどで、素晴らしいコストパフォーマンスだ。
このところブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュなど、著名な産地のちょっとしたワインを買うのに5,000円では心もとない。
そんな中、こういった掘り出し物ワインを見つけるとなんとも言えない幸せな気分になれる。
味覚は満たされ、お財布にも優しい、そしてそれほど着目されていないにも関わらず素晴らしいワインを選んだ自らのセンスの良さへの自己満足にも浸ろう。

Quinta Damares, Loureiro, Colheita, Vinho Verde DOC, Portugal, 11.5%, 2020
ゴールドがかった力強い色調。
ライチ、グァバ、マンゴー、パイナップル、パッションフルーツなどの南国系果実香に、金木犀などのフラワリーな香りも絡み、香っているだけで幸せをもたらす。
ほんのりとあるかないかの泡立ちを舌にピリっと感じる、みずみずしさを保ちしっかりとドライ、酸味はやや穏やか、鼻腔にはフラワリーな香りがさらに抜けていくアタックからフィニッシュまで幸せなアロマをもたらす。

厚みのある果実香に、セロリの爽やかな香りが重なり素晴らしい。
ビネガーの効いたタコの風味にも負けない、ワインの力のある果実味。
ワインの風味がしっかりしているので、焼いたタコに柑橘を絞ったものにも相性が良さそう。

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