炒り卵の台座にエビチリ ナイアガラの滝の独特の地勢と気候が育むリースリング
ちょっと変わったエビチリだ。スーパーの中華惣菜コーナーで見つけたのだが、エビチリの下にふわふわの炒り卵が敷いてある。真っ赤なチリソースと真っ黄色の卵のコンビネーションは食欲に引火。迷わずレジかごに突っ込んだ。
合わせたワインはカナダのリースリング。
ヘンリー・オブ・ペルハムはナイアガラの滝からオンタリオ湖沿いの西側一帯、高さ約200m断層にあるワイン生産地「ナイアガラ・エスカープメント」にある家族経営のワイナリーだ。1700年代か6世代に渡り一族でホテル、バーを経営し土地を守り抜き、1984年にリースリング、シャルドネをこの土地に植え、ワイナリーをスタート。
ナイアガラの滝周辺を形成する巨大な傾斜台地 (エスカープメント) の断崖壁に、湖からの風がぶつかり、特有の空気の流れを形成。ブドウ栽培に最適な気候をもたらす。
ヘンリー・オブ・ペルハム リースリング, 2,673円
Henry of Pelham, Riesling, VQA Niagara Peninsula, Canada, 2019, 10.5%
緩やかに柑橘、白桃、白い花、香りは穏やかながら洗練された印象的。
穏やかな残糖を感じるピュアな果実味、シャープな酸味、クリーンで涼やかな風味が魅力的。
エビチリの甘辛いチリソースにプリプリの歯ごたえのエビが絡む。エビの旨味と甘辛が抑揚に富む味覚刺激を与えてくれる。そこに卵のクリーミーでマイルドなタッチが混ざり混然一体となる。ワインの華やかな香りとシャープな酸味が加わり、料理の余韻を力強く引き立てる。エビの旨味も立ち上がる。なんといってもワインの残糖のやわらかい甘みが、甘辛チリソースの"甘"に繋がり、"辛"を受け止める。酢豚や麻婆豆腐など、幅広い中華料理と合わせてみたくなるワインだ。
相性: ★★★☆☆