SANAAと人気ラーメン店の共通点ーーブランドを確立し、それを維持する方法論
こんにちは。
アーキテクチャーフォトの後藤です。
今日は有料マガジンの更新をしたいと思います。
先日、行列のできるラーメン店を訪問して、そのメニューを眺めていた時に、このメニューの作り方(とその方針)に、このお店が繁盛する特異点があるな、と感じていました。
そのラーメン店のメニュー構成の特徴が、実は私が専門とする建築分野でも同じなのではないかな、と思ってその仮説を書いてみたいと思っています。
タイトルに、日本を代表する建築設計事務所のSANAAの名前を書いてみましたが、他にも当てはまる建築家はいると思いますし、建築以外のファッション分野でも、この仮説が当てはまるブランドはあると思っています(例えば、コムデギャルソンなども当てはまりそうです。)
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まず、人気ラーメン店での気づきを記載していきます。
そのラーメン店は、「しょうゆ味」と「しお味」をお店の看板にしています。そして、チェーン店にあるような、みそ味や、とんこつ味はメニューの中にはありません。スープの味を自身のこだわりのあるものだけに絞っています。
ですが、ただ、2種類のスープから選ぶシステムなのかというとそうではありません。しょうゆ味のメニューの中には、最もスタンダードなしょうゆ味、鴨油の入った鴨しょうゆ味、煮干しのだしをふんだんに使った、しょうゆ煮干し、などのしょうゆ味の際に微細なヴァリエーションが用意されています。
しお味に関しても同様です。
しお煮干しラーメン、わんたんが入ったしおラーメン、ひやししおそば、など、基本の塩を中心に微細なヴァリエーションが設けられています。
この微細なヴァリエーションがポイントで、それらは大本を辿れば、おなじしょうゆ味、しお味なのですが、最終的なアウトプットである各ラーメンには、微細な違いがついており、
それらは微細ですが、食べる人にとっては、ちがう味として感じられます。ですので、私はそれぞれの味を味わうために何度もリピートしてしまっています。
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そしてSANAAの建築を想像してみます。
独特の透明感のある素材、漂白されたような白、これで支えられるのかと感じられる細い構造柱、、、。皆さんもSANAAの建築を思い浮かべるときに、このような共通イメージが思い出されるのではないでしょうか。
しかし、SANAAの建築はそれぞれの作品に共通するイメージを容易に想像できながらも、発表される作品は、毎回新鮮なものとして感じられます。
毎回毎回、その敷地やクライアント、社会状況と対話し、実験的な試みが行われています。
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こう説明していくと、に同じ構造が隠れていると気づくでしょう。
言葉にしますと「そこにしかない"らしさ"を確立する、と同時に、新鮮であるという一見矛盾する要素を両立させている」といえると思います。
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