ハイエースと暮らし始めた理由
2020年からハイエースと暮らしはじめました。
おそらく人生で最後の相棒になるだろうハイエースについて、今回、NOTEでその暮らしをまとめようと思います。
ハイエース自体、リユースの際に下取り価格が高い、カスタム用のパーツが多く個性を出せるなど、クルマとしての優位点は、他の方も書いておられるので、ハイエースと暮らすことにした理由について、僕の人生観も加えて、少し違う角度からお話をしようと思います。
■なぜ、ハイエースなのか
思い出のクルマ
大きくモデルチェンジしていない。これが1番の理由。
クルマの優位点を除けば、実は「ハイエースと暮らす理由」を書き始めて、自分自身が1番最初に感じたのは「それってハイエースじゃなくても他のクルマでもできる」ということでした。
「クルマ旅に最適!」は確かですが、もちろん窮屈ではありましたが、前車のプリウスでも、車内で休憩しながら、奈良や和歌山に出掛けていました。
「クルマ旅は不便を楽しむもの」と割り切っていましたし、プリウスはご存じの通り高燃費。では、なぜハイエースを選んだのか。それは、大きなモデルチェンジしていないことが理由じゃないかと思っています。
理由は大学時代まで遡ります。
本ばかり読んで友達ができないんじゃないかと両親から心配され、寮に入ることを条件に進学、おかげで両親の思惑が外れて、寮で生活する変人たち(笑)に囲まれて、それはもう楽しい学生生活を過ごしました。
そんな仲間たちと趣味でやっていたバンド活動や彼らとやったチラシ配りのアルバイト。その僅かなアルバイト代でスタジオ練習したり、公民館を借りてLIVEのようなものをやったり、その全ての移動の足がハイエースでした。
ハンドルを握ると、今でも練習やLIVEの出来栄え、誰かの受け売りの音楽談議や欲しい楽器の話、モテたのフラれたの、いつもモテない男ばかりでお金もなかったけど、ホントに楽しかった。
就職を機に会えなくなった仲間たちを思い出させる空間がハイエース。「そうそうこの感じ」を味わえる場所でもあるんです。モデルチェンジされていたら、選んでいなかったかもしれません。不安に追い込まれて
今でも地震があると思い出すのは、2011年3月11日、三陸沖を震源として日本国内観測史上最大規模の地震、東日本大震災(マグニチュード9.0)、ネットで流れた真っ黒な津波の映像。
精神的ストレスが大きかったんだと思いますが、とにかく漠然と何かが迫ってくる感覚が恐くて仕方がありませんでした。「南海トラフ地震が怖い」など具体的な感覚ではなく、ただただ漠然とした、でも確実に近づいてくる不安感…。
被災時、基礎疾患を持っている自分や家族を守らなきゃ。
追い詰められるように、防災グッズを揃え始めました。テントや飯ごうなど、キャンプ道具を一新したり、非常食や水など非常持ち出し用のリュックに、小さいけどポータブル電源と太陽光発電パネル(ジャクリ240:2019年発売)を購入。今ではクルマ旅で活躍しているポータブル電源も当時は非常持ち出しグッズとして、備蓄されていました(笑)。
同僚にはアウトドアユースを理由にしていましたが、とにかく不安でした。そして、究極の避難所として使えるクルマを探し始めて、出会ったのが今のハイエースなんです。
ハイエースと暮らし始めて、ようやく不安感から解放され、精神的にも落ち着きました。燃費で選ぶ
唯一、悩んだポイントは燃費。
思い出のハイエースもディーゼルでしたが、今回の相棒も同じ。
ディーゼル車の音や振動は発進時など近所に気になりますが、ハイエースの場合、ガソリンは8km/ℓ〜9km/ℓ、ディーゼルは11km/ℓ〜12km/ℓ、燃料タンクの容量はどちらも70ℓ。しかも燃料代は軽油の方が安いとすると、同じ燃料代でより長く遠くまで走れる方を選びました。この辺りも避難時の移動を想定しています。昨今のガソリン価格の急騰、音や振動も昔と比べると静かになっていましたので、単純に正解でした。
もっとも、ディーゼルだからこそ、ハイエースに乗っている感じです。
■ハイエースの特徴
ボディサイズ
今回のハイエースは標準ボディです。
ハイエースの標準ボディのサイズは、
(全長が4,695mm、全幅が1,695mm、全高が1,980mm)
ちなみにアルファードのサイズは、
(全長が4,915mm、全幅が1,850mm、全高が1,950mm)
ハイエースは寸法ギリギリまで車体があるので、大きく見えますが、アルファードとハイエース(標準ボディ)で比べると、案外まとまっていると言えます。
目線は、ハイエースは1.8m、一般的なクルマは1.2mと言われているので、目線が高く、ボンネットもないため、運転しやすいと思います内装や足回り(乗り心地)
ハイエースは商用車です。
荷物を載せるために設計された車なので、内装は簡素です。
カスタムパーツである程度便利にはなりますが、乗り心地を含めて、乗用車には劣ります。後輪には、スプリングではなく、板バネを採用しているので、段差を越える際の振動やカーブなどハンドルを切った際、また横風の影響でも車体の揺れが大きいです。荷室に荷物がないと跳ねる感じがします。ただ、重い荷物を運ぶ前提の車、10万kmを超えても余裕で使えるのは強固な板バネのおかげともいえます。
シートがエンジンの上にあるので、振動と温度は感じます。
普通車で言えば、ボンネットに座っているのと同じですから、オイル交換やバッテリー上がりなどエンジンルームを開ける時にはシートを上げる必要があり、正直、面倒です。ただ、普通車の運転席から後ろが全て荷室のイメージですので、荷室の大きさは言うことなし。プリウスの時のように何を積んで旅に出るか悩む必要がなくなりました。取りあえず積んどくかで大丈夫です(笑)。
アルファードの乗り心地は最高。
たまに乗用車に乗ると振動の少なさに驚きます。シートも体を包んでくれるので、長時間座っていてもホントに疲れませんね。やっぱりいいクルマですね。燃費
燃費については前述のとおり。現在、12km/ℓ弱です。よく走ってくれますが、プリウスと比べれば半分くらいですね。維持費
ハイエースは商用車なので、新車時2年、その後は1年毎に車検を受ける必要があります。
ハイエース(税金など)
・重量税:16,400円・自賠責保険:18,360円・検査印紙代:1,800円
計36,560円+自動車税が年間16,000円を合わせて52,560円。
2年では、105,120円(4ナンバー・標準ボディ)
アルファードは、
・重量税:32,800円・自賠責保険:25,830円・検査印紙代:1,200円
計:59,830円+自動車税が年間45,000円を合わせて
2年では、149,830円(2,500cc)
差額は44,710円でハイエースの方が維持費は安いです。
毎年車検は面倒ですが、商用車基準で毎年チェックしているという安心感も加えれば、ハイエースの方がいいとも言えそうです。
商用車と乗用車は、一長一短があるので、比較はできませんが、極論ですが、ハイエースは乗る人を選ぶクルマだと思います。乗用車として使うには、ある程度、使いやすいようカスタマイズは必要です。
高い買い物です。キャンプや車中泊にするのに便利そうなど、イメージやブームで選ぶと、間違いなく後悔します。
「不便を楽しもう」くらいの感覚がないと辛いクルマかもしれません。