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ロマンはどこだ

タイトル:陽気なギャングが地球を回す
著者:伊坂幸太郎
出版社:祥伝社

「ロマンはどこだ」
合図とともにターゲットの銀行を襲撃し、見事4人のギャングは4000万円を奪うことに成功する。
巷では現金輸送車を襲う強盗団が話題となっていた。
まさか、こんなところで出会うとは…。

決死の思い?で奪った現金は強盗団に強奪され、全員が悔しい思いをしているように思われたが、中学生の息子を持つ雪子はどこか思いつめた表情をしていた。

人間には誰しも特別な能力がある…と、私は思っている。
この4人組みたいに嘘を見破る能力や、体内時計が異様なほど正確な能力、スリの天才にやたらめったらとでたらめ嘘八百を並べ立て、人を引き付ける能力…。
そんな素晴らしい能力じゃなくてもいいけれど、この4人のギャングは主に銀行強盗で現金をゲットしていて、いかんなく自身の能力を発揮して活躍している。
さて、私は自身の妄想を闇雲に書き散らし、シナリオにして世の中に出す、変態的な能力を持ってるんだけど、あなたの能力は何ですか?

伊坂幸太郎の作品は全体的に軽快で、スピード感、読後の爽快感が特徴で、今回のギャングシリーズもこの類に入る。中にはアイネクライネナハトムジークみたいに、人が誰も死なない(!)作品もあるけれど、私としては前者が好み。
頭の中にはっきりと想像できるような丁寧な描写は、どんどん読者をのめり込ませていく。いつもの序盤から始まる伏線とその回収もお見事!

前回書いた陽気なギャングの日常と襲撃では「最初から読め」との伊坂さんからのお達しがあったが、私はこの順番でも、というか、この順番の方が楽しめたのよね。


普通なら出会うことはなかったこの4人、どうして銀行強盗をするために一緒にいるのかもエピソードとして描かれていて、それもまた次作から読んだ私としては楽しかった。

ハリウッド映画を見ているような気分になるこの作品、実際に大沢たかお、鈴木京香、佐藤浩市、松田翔太主演で松竹が映画を出している。
気になったらこちらもぜひ!


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