「青い大空」 (淡谷のり子・次田勝)。
淡谷のり子と次田勝の歌う「青い大空」。サトウハチロー作詞、堀内敬三作曲で、これは東京シネマ映画というプロダクションが製作した「大空軍」という作品の主題歌です。聞いた事もない知る人ぞ知る映画とプロダクションでありますが、辛うじて分かっている限りでは本作は昭和6年2月の封切り。監督は小沢得二と細山喜代松の二人が担当し、出演者は鹿島陽之助、園地華子、松岡泰夫、生方一平、歌川ルリ子など。全14巻のサウンド版なので台詞はなく、代わりに歌やBGMは入っていたものと思われます。サイレントからオール・トーキーへの移行期に此の手の映画が盛んに製作されたものの、それら大半の作品のフィルムが現存していない為に、果たして如何なる物語か迄は分かりません💬。
主題歌「青い大空」は、ソプラノ歌手として活動していた頃の淡谷のり子が入れた数ある楽曲の一つ。後年にブルースやタンゴ、シャンソンを歌った時とは全く違う素晴らしい喉を披露しています。次田勝も声楽畑の歌手で、此の時期幾つかのレーベルに沢山の録音を残しました。全4番構成であり、交互に二人で歌いますがソロ歌唱なので二重唱ではありません。威圧感溢れるシリアスなメロディと伴奏、それに見合った様な尖った感じのオペラ風の歌唱ですが、その歌詞は♬青い大空、一巡り…と爽やかなタッチです。映画のタイトルこそ「大空軍」ですが、どうも戦争映画というよりは、平時に於ける航空兵士への憧れと期待を描いた物語かと推察されます。レコードは昭和6年春に発売されました😀。