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夢のような魔法の恋をした第7話

『男性の性を知った彼女』

彼女の悩みは、止まらなかった。
真剣に考えていた。彼の未来のために。

ある日
久しぶりに逢った2人は、
彼のアルバイト先のアパートの部屋で
オールをすることになった。
勿論、誰にも秘密だ。

ジュースとお菓子を持ち込んで、
2人はただ、楽しく面白く、真面目に話をしていた。
「今日、俺 ホントにアホだったんだ。」
「えー?」
「アイドルタイムでボーッとしてたのか、
炒飯セットもっていくだけだったのに、
ひっくり返しちゃったんだよね。」

「えーー! まさか、あの床?」
「そうそう、ハマッた!」
その床とは、王将の床のこと。
中華料理を提供するお店だからなのか?
そこのお店の床は、滑りやすかった。気を抜くと滑るのだ。

「プロいMちゃんに、そんなことがあるなんて。(汗)」
「あれは、さすがに古参のバイトとしてありえないねー(汗)」
そんな失敗談を、彼女に話せる人だ。
彼がドラムスティックをいじりはじめる。

「練習?」
「うん。なるべく、触るようにしてるんだ。」
その様子はまるで、ピアノの練習でいうと「ハノン」みたいだと、思った。
彼女は自分の事を話し出した。

「私、いま予備校でデッサンを習ってるの。」
「デッサン?」
「うん。素描ともいうのだけど、ありのままを描くっていうのかな?美術の基礎なの。」
「そうか、絵を描いているんだね。」

「なんかね、難しくて。悩むけど楽しい!定期的に講評っていって、先生方がアドバイスしてくれるのを、毎回目指してる感じ。」
「へえー。ねえ、今度その絵、見せて!」
「えーー!?。私のでよければ、お願いします。(汗)」
「どんな絵を描いてるんだろうなあー。」

「そろそろ夏が近いね。わたし、夏が大好きなのー!」
「俺も!それじゃあ、花火大会でも行こうか!」

彼は音楽、彼女は美術を学んでいた。
色んな話をしながら、お互いの感性を刺激しあっていた。
彼女はそういうオールをするのだと思っていた。

そこはやはり、恋人。
キスから始まる甘いひとときがやってくる。
部屋は暗くなった。
彼女は下、彼は上になり、初めて公園以外で抱き合った。

彼の身体と頭は何故か熱かった。彼女は緊張していた。
「からだ、熱くなってるけど、だいじょうぶ?」
医師家系の生娘が、心配する。
「何でもないよ。だいじょうぶ。」
彼の下半身が当たっているのを感じた。

彼女は空気を変えてしまった。
「ねえ、Mくん。話したいことがあるの。」
「うん?」彼はそれでも微笑む。
「お互い、夢があるよね?」
「そうだね。」
「Mちゃんの夢は、ドラマーになること。とっても大事で、優先すべきはその夢。その為に、私は恋愛であっても足枷にはなりたくないの。」
「・・・。」

「これから、もし付き合っていくなかで、私が邪魔になったら、振ってください」それが彼女の、最近の悩みだった。
彼は言った。「わかった。でも、心配しないで。」
その言葉に、彼女は深刻な悩みから救われた。

後は、この恋が進む為に必要なのは
彼女の勇気だけだ。

再び、彼とキスをする。彼がいきなり後ろから抱きしめた。
「Rちゃん。好きだよ。」そのままあぐらをかくように座り、彼女はそのあぐらの中に座った。彼女は恥ずかしくて、顔を見せられない。
彼が後ろにいてくれて、内心ホッとした。

「私も、好きです。」嬉しくて、泣きそうな声で、こたえた。
彼は彼女を強く抱き締めた。
「い、痛い!」腰に何かがあたり、痛みが走る。
彼女はビックリして振り向いた。
痛みの原因と思われる場所を見た。

デニムのベルトの金属だ。
「ベルトがあたったの?」
彼は、照れた。「違うよ。」
彼女は、男性を知らなかった。

横になり、抱き合う。
彼の大きな手が、彼女の頭を撫で、
上半身 そして胸にいき、とても優しく触れた。
緊張する彼女。そう、まさにお地蔵さんだ。

彼からの口づけは止まらない。また、彼が熱くなってきた。
彼女は、繰り返されるこのリズムにのりはじめた。
ときおり、上にいる彼の下半身がくっついてくる。
股間だけ、硬い。

彼女はまた、魔法にかけられていた。

夜が明けてくるのが、不思議とはやかった。
アルバイトの子が来る時間が迫る。
この部屋をでる準備をした。
彼女は、上の下着のズレを直す時に違和感を感じた。

「わたし、胸が大きくなったかも?。」
「まさか(笑)」彼は何故か焦って笑っていた。
彼女は今回で、少しだけ男性の性を知った。
昔でいうABCの【B】の序の口?の経験。

今思えば、彼には申し訳ないが
彼女には充分だった。

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