【コピペOK】インサイドセールスのChatGPT活用アイディア -今すぐ使えるメール作成プロンプト
グローバルインサイト(GIJ)の水嶋です。
ChatGPTが世間を賑わせていますね。私も色々試す中で、そのポテンシャルの高さを感じています。
さてインサイドセールスの専門家としては、ChatGPTがどのようにインサイドセールスに活用できるか考えてみたいところです。
まず思いつくのは、メール作成をやってもらうこと。しかし、なんとなく「〇〇のメールを作って」とChatGPTに指示してもなかなか綺麗なメールを出力してくれません。
ChatGPTのポテンシャルを活かすためには適切なプロンプト(質問・指示)を入力することがポイントになります。
そこで今回は、試行錯誤の結果編み出した、「インサイドセールスのメール文作成のためのプロンプト」をシェアしようと思います。是非コピペし、お好きなアレンジを加えてご活用いただければ幸いです。
GIJ流インサイドセールスのメール作成プロンプト
まず結論として、インサイドセールスのメール作りに使えるプロンプトの型を以下に示します。
【インサイドセールス用メール作成プロンプト テンプレート】
あなたは、プロのインサイドセールス担当者です。
メールで相手からの信頼を獲得し、セールスにつなげるプロです。
以下の制約条件とメール内容をもとに、最高のメール文を出力してください。
#制約条件
・相手を尊重し、丁寧で誠実さが伝わる文体にする
・信頼獲得を目指す
・適度な親密さを出す
・冗長でない、簡潔で読みやすい文章にする
・最終目的は自社サービスを相手に導入してもらうこととする
・ただし押し売りはしないこと
・日本のビジネス慣習に従い、正しい敬語を使う
・「!」や「?」は使わない
・相手に興味を持ってもらう工夫をする
・相手にお願いをする際は一方的にならないよう、相手の都合を尊重した聞き方にする
#メール内容
(ここにメール内容や目的などを記載)
「#メール内容」配下に作成したいメールの概要や目的、条件等を過剰書きで記載の上、ChatGPTに投げてあげればOKです。
なお「制約条件」は試行錯誤を繰り返した結果、新人営業に対する指導のようになっています。実際これを作っているとき、新人を教育しているような気分になりました。(笑)
では具体例を見ていきましょう。
①資料請求に対するメール例
まずは「資料請求した見込み顧客に対して打ち合わせを打診する」メールです。
先述のプロンプトの型に以下のように「メール内容」を追記して、GPTに入力してみます。
【資料請求に対するメール作成プロンプト例】
あなたは、プロのインサイドセールス担当者です。
メールで相手からの信頼を獲得し、セールスにつなげるプロです。
以下の制約条件とメール内容をもとに、最高のメール文を出力してください。
#制約条件
・相手を尊重し、丁寧で誠実さが伝わる文体にする
・信頼獲得を目指す
・適度な親密さを出す
・冗長でない、簡潔で読みやすい文章にする
・最終目的は自社サービスを相手に導入してもらうこととする
・ただし押し売りはしないこと
・日本のビジネス慣習に従い、正しい敬語を使う
・「!」や「?」は使わない
・相手に興味を持ってもらう工夫をする
・相手にお願いをする際は一方的にならないよう、相手の都合を尊重した聞き方にする
#メール内容
・資料請求したお客様に対するメール
・まず資料請求への感謝を伝える
・資料請求のきっかけとお客様の課題を自然な形で聞き出し、返信いただけるよう促す
・自然な形で、ヒアリングと製品デモのお打ち合わせの打診をする
・お打ち合わせでは他社事例など、お客様にお役立ていただける情報を提供することを伝える
これに対するChatGPT(GPT-4)の出力が以下です。
いかがでしょう。悪くないのではと思います。多少調整すれば、そのまま使えそうな文章ではないでしょうか。
ChatGPTなりに「相手を尊重し、誠実な文体にする」意識が現れていることが伺えます。
②アウトバウンド営業メール例
次に新規顧客に対し、アウトバウンド営業をかける際のメール例です。
【アウトバウンドメール作成のプロンプト例】
(前半は共通のため省略)
#メール内容
・初めての相手に対するアウトバウンド営業のメール
・お打ち合わせを打診するための日程調整リンク(urlは〇〇で良いです)をお送りし、アポの日程調整をしてもらうことが目的です
・紹介するサービスは、相手の□□という課題を△△の観点から解決できるものとします
・お打ち合わせでは、他社事例など有益な情報を提供することを伝える
【ChatGPTのアウトプット】
こちらも、GPTなりの「誠実さ」が伝わる文面ではないでしょうか。
驚いたのは、特に指示していないのに「貴社の〇〇に関する記事を拝読し〜」のように文脈を補完している点です。
相手企業の課題や自社製品の特長は仮で「〇〇」「■■」のようにしていますが、こちらを個別かつ詳細に記載することで、よりパーソナライズされた内容になると思われます。むしろここがAIを扱う人間の腕の見せどころではないでしょうか。
文字数を制限したいとき
以上の例を見て、「少し長いな」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
その際は、プロンプト内(「制約条件」の中等)に文字数制限を記載してあげればOKです。
以下は、「①資料請求に対するメール」のプロンプトの「制約条件」内に
・件名と著名を除いた本文を日本語で300文字程度に抑える
という文字列を加えて入力した際のアウトプットです。
このようにコンパクトな文面になり、本文の長さも320文字程度になっています。
ただ、文字数を制限しすぎると、少しそっけない機械的な文面になりがちです。最初は文字数制限なしでアウトプットしてもらい、その内容や文字数を確認した上で、文字数制限の有無を決める順番が良いでしょう。
また、ChatGPTは日本語の文字数カウントの精度にはやや不安があるようで、場合によってはまったく異なる文字数のアウトプットを返してくることもあります。現段階では鵜呑みにせず、文字数は別のツールでチェックして上げた方が良いでしょう。
なお経験上、上記のようにプロンプトの「制約条件」に「日本語〇〇文字程度で」と明記すると上手くいきやすいようです。
自分の普段の文面に似せたいとき
また、GPTのアウトプットが「自分の普段の文面のキャラクターと違って違和感がある」方もいらっしゃるでしょう。
その際は、以下のようなプロンプトで、普段の自分のメール文をサンプルとして入力してあげると、そのキャラクターに合わせたアウトプットを作ってくれます。
【サンプル文を指定したプロンプトのテンプレート】
あなたは、プロのインサイドセールス担当者です。
メールで相手からの信頼を獲得し、セールスにつなげるプロです。
以下の成約条件とメール内容をもとに、最高のメール文を出力してください。
また、「# サンプル文」の内容を参考に、
サンプル文の筆者のキャラクターと大きくズレないようにしてください。
#成約条件
(省略)
#メール内容
(省略)
#サンプル文
(サンプルメール文を入力)
以下は「①資料請求に対するメール」のプロンプトについて、以下のサンプル文を加えた上でのアウトプットです。
(前半は共通のため省略)
#サンプル文
平素は大変お世話になっております。GIJの水嶋です。
この度は○○をいただき、誠に有難うございます。
私としましても、是非お力になれるよう尽力させていただきたく存じます。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
水嶋
【ChatGPTのアウトプット】
サンプル文のキャラクターに合わせた文体になっていることがお判りいただけますでしょうか。「AIっぽさ」も薄れ、日本のビジネス慣習に合いやすいメールになっているように思います。
この手法を用いれば、例えば「ChatGPTのアウトプットを人が修正したもの」をサンプルとして用い、そのアウトプットを更に人が修正したものをサンプル文として入力して…(以下繰り返し)のように、「正の学習スパイラル」を生んで改善していくプロセスも考えられそうです。
なおサンプル文がシンプル過ぎるとそれに引っ張られてアウトプットもシンプルになり過ぎる傾向があるため、ある程度長めのサンプル文を入れてあげる方が良いようです。
(参考)GPT-3.5でのアウトプット例
なお以上はGPT-4によるアウトプット例です。
GPT-4は2023年3月現在有料版でしか使えないため、無料で使えるGPT-3.5のアウトプット例も載せておきましょう。
以下は「①資料請求に対するメール文」のプロンプトをGPT-3.5に入力した際のアウトプットです。
このようにGPT-3.5でもそれなりに使えるアウトプットは出してくれます。むしろ電話やオンライン会議の打診はこちらの方が自然かもしれません。
ただしGPT4に比べると、やや機械翻訳感が強く、修正箇所は多そうです。
この差を見るだけでも、AIの短期間での急速な発展を実感します。
人間は他の仕事にリソースをシフトしよう
以上、いかがでしたでしょうか。
今回シェアした例はまだ試行錯誤中のものですので、各自いろいろアレンジを加えていただけると(また、より良いものができれば教えていただけると)幸いです。
しかし現時点でこのクオリティのアウトプットを出しており、さらに今後も加速度的にAIが発展していくことを考えると、「一体人間はなんの仕事をすればいいのだろう?」という気持ちにもなります。
実際、海外の記事等では「AIに置き換えられる職業」の一つに「テレマーケター」が挙げられています。テレマーケター=インサイドセールスではありませんが、インサイドセールスの一部の業務はAIに置き換わるのは間違いないでしょう。
また、AIがメールを書けるようになると、「人間の心のこもったやり取りが減ってしまうのでは」という気持ちにもなります。
実際そのような側面はあると思います。ただ一方で、私はこのプロンプトを作りながら、「これなら、もっと他の価値ある仕事に時間を割けるようになるな」とも感じました。
例えばメールを作る時間が減ることで、より顧客理解や課題仮説作りなど、より前段かつ上流の本質的な業務に時間を使えるようになります。
またその顧客課題などの情報をChatGPTにインプットすることで、より顧客に寄り添ったメールをアウトプットしてくれるようにもなります。これはある意味で、より「心のこもった」顧客コミュニケーションができているとも言えるのではないでしょうか。
また、これはフィールドセールスの領域ですが、対面での商談のクオリティを高める準備に時間を割くこともできます。
このようにAIをうまく活用し、人間はより人間らしさを発揮できる仕事にリソースをシフトしていくことがこれから求められていくでしょう。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
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