『女の子は本当にピンクが好きなのか』 - ピンクにまつわるジェンダーバイアスの歴史|REING Library vol.3
📕REING Library
REINGから皆さんへ、本の贈り物です。
小説だったり、ノンフィクションだったり…ジェンダーに関するものだけでなく、背中を押してくれた本、辛い時寄り添ってくれた言葉などなど、毎月1〜2冊、REINGのメンバーがお気に入りの本をピックアップします。
REINGが主催するコミュニティの中でも、「ジェンダーについて知りたいけど何から始めたらいいかわからない」「アカデミックな本はたくさんあるけど、どんな本を読むのが自分に合うのかわからない」という声を聞きます。REINGを運営する私たちも日々学びながらジェンダーイシューに取り組んでいるところです。わたしたちに影響を与えた本をシェアすることで、みなさんと二人三脚で一緒に歩んでいくヒントを見つけることができたなら…そんな思いを込めて本を紹介していきます。
本って、わたしたちの世界を少しだけ広げてくれたりする。
ぜひ、わたしたちの頭の中を覗きに来てください🌷
📕今月の本📕
『女の子は本当にピンクが好きなのか』 堀越英美
男の子 / 女の子用に分けられるおもちゃ売り場。先日、ふとなんの気なしに「おもちゃに性別はないよね」とツイートしたところ、様々な方からお叱りを受けた。
同じようなことが、Twitterに住む私にはよく起こる。フェミニズムや、ジェンダー問題にまつわるツイートをするとやたらと絡まれる現象は珍しくない。
今日本では、ジェンダーに対する問題意識が少しずつ普及する一方で、一部ではバックラッシュが起き続けている。そんな中で、”怒り”ではなく”対話”をする為に必要なのは「知識」という武器だと私は思う。
本書では、レディース服はカラフルなのにメンズ服は色が少ない文化的背景や、「ピンクカラー」と呼ばれる職業と女性の社会進出の遅れがどう関係しているかなど、カルチャーから政治まで、国内外のピンクにまつわる問題を取り上げている。どうやらピンクにまつわる問題は一筋縄ではいかないらしい。
「女の子であれ、男の子であれ、誰もが性別自認を損なうことなく自分を託せる多様なロールモデルが必要なのは、日本だって変わらない。(中略)今こそ新しいジェンダーのあり方を提示する役割が求められているのではないだろうか。」ー文庫本版特典『女の子と男の子のジェンダーをめぐる話を少し』より
インクルーシブな社会を目指して、今私たちには何ができるのか。
ヒントがたくさん詰まっている一冊です。
(堀越英美 / 河出文庫 / ¥880)
Recommender: Ai O'Higgins