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「ハードな仕事と長い人生の"重心"はどこにあるのか」を読んでみて
こんばんは。理子です。
あっという間に、大晦日ですね。
今年はnoteを10本くらい書きたかったのですが、5本くらいで終わってしまいました。
来年もゆるく色々書いていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
さて、今日は今年100冊ほど読んだ中で最も学びの深かった石川先生の本を掘り下げてみました。
なぜこの本を読んだのか
とあるイベントで本書の著者である石川善樹先生の発言に感銘を受け、さらに深く学びたいと思ったためです。石川先生の考え方や研究に興味を持ち、石川先生の多くの著書の中から最初に手に取ったのが本書です。
先に書きますが、本書は本当に学びがありすぎてすごいです。石川先生、いろいろ詰め込み過ぎだと思います(笑)
要約
本書は、Well-beingの概念を中心に、人生の充実や幸福感について探求しています。Well-beingとWell-doingの違い、人間の脳の働き、人生のステージの過ごし方、信頼と信用の違いなど、多岐にわたるトピックを深く掘り下げています。
Well-Beingってなんだろう
最近Well-beingという言葉を時々聞くようになりましたね。私はこの本を読むまで、この言葉の意味がいまいち腹落ちしておらず、Well-beingというのは「個人の生活の向上」「幸せ」に近い意味なのかなとぼんやり捉えていました。
得た学び
本書で得た学びを紹介します。
脳の使い方
脳には3つの主要なネットワークがあるそうです。
DMN(デフォルトモードネットワーク):直観的なアイデア生成
1人で考えてるだけで没入できる
中国史に登場する北宋の文学者・欧陽脩は「アイデアの生まれる場所は「馬上」「枕上」「厠上(便所)」の三上である」と言ったそうです。
現代に例えると、歩いているとき、寝ているとき、お風呂(トイレ)の中とかでしょうか?
SN(セイリエンスネットワーク):大局的な視点でのアイデアの絞り込み
人と会話している時に1番使っているそう。たしかに、仕事でアイデアをブレストする際はもちろん、会話自体が相手の言葉をリアルタイムで理解しながら.自分の考えを言語化しているので、DMNとCENを行ったり来たりしているのでしょう。CEN(セントラルエグゼクティブネットワーク):論理的な最終決定
これらを適切に切り替えることで、効果的な思考が可能になります。例えば、DMNは一人でボーっとしているときに活性化し、CENはアイデアを議論する際に使われます。SNをいかに使えるようになるかがイノベーションを生み出せるかに大きく関係しているようですが、これはすぐにはできるようにならない訓練の賜物なんだなと本書を読みながら、あらためて思いました。
Well-beingとWell-doing
Well-beingとWell-doingの違いってなんでしょうか
石川先生によって以下のように定義されています。
Well-being:自分らしさを感じる状態、自分を忘れること
Well-doing:行動や達成に価値を見出す状態、自分を高めること
フルライフとは、これら二つのバランスを取ることです。と言われても、ピンとこないですよね。
数式で表すとこのように表せるそうです。
Fulllife = f(Well-Being, Well-Doing)
まだピンと来ないですよね?そもそもフルライフって聞いたことありましたか?
私はありませんでした。
フルライフとは自分を高めるWell-doingと自分を忘れるWell-beingのバランスをとること、つまりWell-BeingとWell-doingの重心を見つけようという考え方です。
あ、この本はこれが伝えたかったのか、と私はこのパートを読んだ瞬間にじわじわ見えてくる感覚がありました。
Well-BeingのBeingというのは「本質」から由来していて、Well-Beingはいい意味での本質であり、つまりいい意味での「自分らしさ」のことを指している。
ではそもそも自分らしいという感覚はいかにして生まれるのか?自分らしさは自分を忘れることであり、自己中心性から離れることだよね?というのが本書の主張なんです。
じゃあ一体どうしたら、自分らしい人生を歩むための自分の人生の過ごし方、つまり時間の使い方が知りたくなりましたよね。
時間の使い方
人生の各ステージで時間の使い方を変えることが重要だと説いています。
ハードワーク期:能力を深める仕事に取り組む
20代後半に差し掛かっている今の私はまさにここだなと思いました。ブランディング期:自分の器を広げる仕事に取り組む
人によりますが、多くの人にとっての30-40代にこのブランディング期を経験しそうですね。アチーブメント期:心からやりたい仕事に取り組む
これは人それぞれだそうですが、石川さんは50歳からだと個人的に定義されていました。
人生のステージの捉え方
ハードワーク期:専門性や業務上の能力を高める
ブランディング期:周りからの信頼を集め、仕事の幅を広げる
アチーブメント期:自分の仕事を社会に還元する
各ステージで異なる目標を設定し、成長を続けることが重要です。
その他の重要な学び
信用と信頼の違い:信用は理性的判断、信頼は感情的結びつき
ビジネスで言うと、こいつは仕事ができるかできないか、期日までにやりきれるのか、できるやつはOk、できない人はやがて淘汰される、という弱肉強食スピリッツがプロフェッショナリズムの裏にありそうです。
信頼は築くのが大変だけど崩れるのは一瞬、とよく言いますが、これは信用のほうで、信頼は一度築くと崩れない、というのが石川先生の考え方です。
たしかにそうですよね、一度仕事を一緒にした仲間や学生時代に共に苦しんだことがある仲間って、一緒に過ごした時間があるからこそ、かけがえのない仲間になっていますよね。
信頼の文化を作るには、相手の仕事、人生、プライベートと全方向に気を遣うことが大事だそうです。すると、相手は一人の人間として認められると感じ、信頼の文化を築いて行けるらしいです。
成功の定義:後世に名を残すような社会的インパクトの大きさ
オーバービュー効果:地球を宇宙から眺めたことのある宇宙飛行士が共通して体験する心理効果のこと人類史上560人あまりしかいない宇宙から地球を眺める体験をした人だけが味わえるという不思議な感動と価値観がひっくり返るような意識の変化のこと
宇宙ステーションにいる宇宙飛行士は暇さえあれば地球を眺めて過ごしています。最初は自分が生まれた場所を探すのですが、だんだん引いて行って、自分の国や大陸、さらには広大な宇宙にポツンと存在する地球そのものを眺めていると、自分という存在が消えて宇宙そのものと一体化していくようです、おそらくオーバービュー効果とは、そのような体験なのでしょう。つまり、最高のWell-Being体験とは宇宙から地球を見ることだよね、というのが石川先生の持論です。
Well-Beingの測定:ポジティブ体験(良く眠れたか、敬意を持って接されたか、笑ったか、学び、興味があったか、喜びなど)とネガティブ体験(体の痛み、心配、悲しみ、ストレス、怒りなど)から測る指標
今日からできること
私はこのあたりが今日からできそうだな~と思っています。
実はカレンダーはこの本を読んですぐに先月から土曜日始まりにしてみたのですが、土曜日の午前中から予定が入っていないと落ち着かなくなり、「土曜日午前中は2時間ピラティスに行く」という習慣が定着しつつあります。
カレンダーを土曜日始まりにする
これはグーグルカレンダーで本当にすぐできて、すぐに変化を生むので即効性がありますよね。
週に一度、「仕事は順調か」「人生は順調か」「家族は幸せか」と自問する
チームメンバーにも1on1で聞いてみる
目の相手の仕事、人生、プライベートと全方向に気を遣いながら、一人の人間として認められると感じてもらい、信頼の文化を築いていきたいです。
日々の仕事や生活に学びや変化があるか意識する
「オーバービューエフェクト」を意識し、時々大局的な視点で物事を見る
私の所属する会社のプロジェクトマネジメントチームでは半年に一回ほど1日だけ業務とオフィスを離れて普段なかなか触れられないテーマに取り組むオフサイトをしていますが、テイクアウェイが多く非常に良い機会になっています。
DMN、SN、CENの切り替えを意識し、効果的な思考を心がける
これは仕事などでアイデアを出して、仲間やお客さんと議論して、最終的になにかを意思決定をする際に日常でも取り入れやすいですよね。