【バウルを探して 完全版】外出自粛の今、手にして良かった1冊。自分探しの旅の手がかりになるかもしれない。
川内有緒さん・著、中川彰さん・写真の「バウルを探して 完全版」
外出自粛の今、手にして、読んで良かったと思えた一冊。
自宅で過ごす時間が長いと、あれこれと考える時間も増える。
自分の生き方って、これで良かった?
時間やお金の使い方、大切にしたい物事、関わりたい人、関わりたくない人、あれこれ考える。
はっきりした答えは出ないが、本書を通じて、自分が大切にしたいものは何か。自分の本心に従うことが大切だと 改めて感じた。
本書「バウルを探して 完全版」は、
国連の仕事を辞めた著者が、以前から気になっていた「バウル」を探しに出かけ、 その旅の行程や出会った人々、「バウル」の歌について綴っている。
旅の背景として、 著者が、国連の支援の仕事に矛盾を感じていたこと。 その矛盾を抱えながら、続けていくことが、気持ちのうえで難しかったこと。
辞める決断をしたものの、それから先の見通しがはっきりしているわけではないこと などが紹介される。
著者と同様ではないものの、自分の生活や仕事の中で矛盾を感じたり、 もやもやしていてすっきりしないことは、私にもある。
自分は、何を、どうしたいのかが明確になれば、すっきりするのだろうが、 たいてい、求めているものが何か、自分自身では明確に掴みきれないものだと思う。
著者は、旅に出た。
「バウル」や、彼らが伝承している歌、その歌詞の意味を探る旅は、 自分とは異なる文化、生活、価値観の人と出会う旅であり、 自分自身の価値観や、生き方について見つめなおす旅になったのかもしれない。
そして、著者自身が何を大切にしたいのかが見えてきたのだと思う。
「完全版」でない本は、幻冬舎から2013年に出版されているが、 三輪舎から出版された「完全版」には、旅に同行した中川さんの写真が掲載されており、装幀も素敵だ。
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