上海戰と国際法 信夫淳平 1932年(昭和7年)
上海戰と国際法 信夫淳平 丸善 1932
第三章 敵の兵種及び兵器
P112
の三師が加はつた。蒋介石は、十九路軍の優勢となるは則ち廣東派を有力化せしむる所以であるから、その優勢となるを欲せず、肚の中では實は日本軍に依りて十九路軍の挫滅せらるゝのを希ふて居つたに相違あるまいが、形勢の急となるに連れて高見の見物も能きまいから、澁々麾下の京衞軍三師を之に馳せ加へたものであつたのであらう。
敵軍の實勢力
この合計六師の兵数は如何と見るに、支那の一師は表面大約二萬五千である