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ジャーナリズムと資本主義

どうも、reiichiです。

今日は、ジャーナリズムが資本主義によって

危機的な状況に陥っているということを書きます。

よろしくお願いします。


ジャーナリズムについて

ジャーナリズムとは、

地域や社会における出来事を発信することである。


隣町でイベントが開催された。

他県で災害が起きた。

遠い国で紛争が起きた。


これらの情報を

新聞、テレビ、ラジオ、インターネットなどを通じて発信し、

不特定多数の人々に伝えるのがジャーナリズムである。


ジャーナリズムの使用価値

ジャーナリストがこれらの出来事を報じる意義は

「その地域の人々の声を代弁する」という部分にあり、

地域の人々の声を代弁してその出来事を発信することで

我々は自分たちの周りで起きている出来事を

認知することができる。


例えば、とある小さな島国で大地震が起きたとする。

小さな島国の経済規模は小さく、

とても自分たちだけで復興をすることはできない。

では、どうするか。


一番良いのは、

経済規模が大きい国や、NPOなどの支援団体に助けを求め、

復興支援を受けることだ。


しかし、そもそも助けを求めるためには

災害が起きたことを認知してもらう必要がある。


そこで、ジャーナリズムが活躍する。


ジャーナリストが島国で災害が起きたことを報道することで、

支援が必要であることが他国の人々に伝わり、

他国の自衛隊やNPO団体などが

復興支援のために来てくれる。


このように、

「地域の人の声を代弁する」

「人々に自分たちの周りで起きていることを認知させる」

「地域や社会に関する有益な情報を提供する」

などの役割を持っているのがジャーナリズムであり、

それがジャーナリズムの使用価値である。


商品としてのジャーナリズム

マルクスは資本論において、

資本主義社会においてモノはその交換価値、

すなわち「貨幣と交換できるか」が優先されることを論じた。


これは、ジャーナリズムにも当てはまる。

資本主義社会において、

ジャーナリズムは商品であり、

報道を通じていかに利益を得られるかが重視される。


すると、どうなるか。


ジャーナリズムはその使用価値、例えば

「地域や社会にとって有益な情報を提供する」という役割よりも

「別に有益ではないが、お金になる情報」という

交換価値が優先されるようになる。


ジャーナリズムはそれにより、

儲かりそうな内容を記事にすることが優先される。


メディアと扇情主義

資本主義によりジャーナリズムが毒されている例は、

メディアの扇情主義により観測できる。


扇情主義とは、

大衆の感情を煽ったり、掻き立てたりするような形で

注目を浴びる手法である。


メディアにおいて扇情主義が観測されるのは

フェイクニュースである。

フェイクニュースでよく見られるのは、

明らかにおかしいデータや、

極論すぎる表現や、

明らかに陰謀論でしかない主張などである。


では、なぜ嘘を流してまで報道するのか。

それは、儲かるからである。


フェイクニュースには

あまりにも過激でデタラメな主張が混じっているが、

だからこそ人々はそれらに魅了されてしまう。


センシティブな表現、オーバーな言葉遣いなどは

むしろ人々の興味を引いてしまう。

そして、

人々の興味を引けば引くほど

その情報に触れる人が増え、

それにより評価を高めたり、

購読者や視聴者などを増やしたりし、

さらなる金儲けにつなげることができる。


たとえ人々が報道を通じて陰謀論を信じるようになっても、

ジャーナリズムからお金を儲けている人からすれば

関係のないこと。


このように、

ジャーナリズムが資本の論理に組み込まれることで、

「有用な情報」よりも「儲かる情報」が優先されるようになる。


コロナウイルスの資本主義的な報道

報道機関による「儲かる情報」の追求は、

コロナウイルスの報道からも読み取ることができる。


テレビでは毎日、コロナウイルスに

「何人が感染したか」

「何人が重症になったか」

「何人が死亡したか」

という情報が報道される。


それではなぜ、

「何人が回復したか」

「何人が軽症で済んだか」

は報道されないのだろうか。


それは、

人々はネガティブな情報に反応しやすい傾向があるので、

ネガティブな情報を発信する方が

番組を見る時間を高め、利益を拡大できるからである。


したがって、

コロナウイルスの感染拡大においてマスメディアは

コロナウイルスに関する有益な情報を発信するよりも、

コロナウイルスを利益拡大の道具にしたのである。


ジャーナリズムに資本主義の論理が組み込まれたからこそ、

コロナウイルスの報道は一面的になってしまったのだ。


まとめ

このように、

資本主義の倫理に組み込まれたジャーナリズムは

その使用価値、つまり

「我々にとって有益な情報」よりも、

「利益を得られる情報」が優先される。


報道において利益が優先されるからこそ

我々はフェイクニュースに踊らされたり、

ネガティブな情報ばかりに触れてしまう状況に陥る。


それらが、

陰謀論の拡大や不安の増加につながっている。


しかし、

陰謀論は世論を悪い方向へと傾け、政治に悪影響を及ぼすし、

不安の増加などは人間の健康に悪い。


現在におけるジャーナリズムの悪影響を阻止するためには

利益優先のジャーナリズム、

そしてその根本的な原因である資本主義を終わらせ、

ジャーナリズムの本来の目的、

つまりその使用価値を重視する社会を形成するべきである。



参考にしたもの

Glenn Halbrooks(2019)"Media Sensationalism in Today's News Coverage And How Reporters Can Avoid It" the balance careers https://www.thebalancecareers.com/media-sensationalism-in-today-s-news-coverage-2315287 

Hara Estroff Marano(2003)"Our Brain's Negative Bias" psychology today https://www.psychologytoday.com/intl/articles/200306/our-brains-negative-bias 

Weblio https://www.weblio.jp/ 








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