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人間は工業製品じゃないので「自分の代わり」はいないけど、誰かが何とかしてくれる
仕事についての考え方の中に「自分の代わりはいくらでもいる、だから仕事を一人で抱え込むのはやめなさい」というものがあります。この考え方では「自分がいなくても仕事が回るようにする人」が優秀な人の条件になります。
一方で仕事をするなら唯一無二の「代わりがきかない存在になろう」という考え方もあったりします。この場合「その人がいないと仕事が成り立たない」が優秀な人になってしまいます。
個人的にはどちらもあり得ると考えています。
世の中の多くの企業は商品やサービスを「標準化」することで事業の規模を拡げていきますので、前者のように特定の人に依存しない仕組みをつくる人が求められます。マクドナルドなんかは典型的な例です。
後者の例では高級レストランのシェフなどがわかりやすいかと思います。
お客さんは「そのシェフがいるから」わざわざ高いお金を払っていくのであり、そのシェフが引退したり他店に移籍すると常連客が去ってしまうのはよく聞く話です。
「仕事における自分の代わり」についてカズレーザーさんが面白いことを述べておりました。
あのスティーブ・ジョブズでさえ替えがきくので、「自分の代わり」なんていくらでもいるということです。
確かにジョブズが急にいなくなってもアップルは業績を伸ばし続けたのでこの話は個人的に腑に落ちましたが、人間は工業製品のように複製できる存在ではないので、ティム・クックは「ジョブズの代わり」ではなく、また別の「代わりがきかない存在」という見方もできるかと思います。
高級レストランの例も看板シェフが居なくなると常連客は去ってしまいますが、必ず別のシェフが後を継ぎますので今度はその人の料理で新たな常連客を獲得する可能性もあります。
また、後任のシェフは最初は無名でも、前任以上の実力者であれば常連客も戻ってきます。
結局のところ料理や芸能のような「創造性」が問われるような世界でもその人にとって代わる存在はいくらでもおり、後任の誰かが何とかしてくれるのは確かだと思います。
とはいえ、世界の歴史を振り返ると名君が急に死んで国が一気に滅びる事例はいくらでもありますので、やはり「代わりがきかない人」というのはいると思います。
働く人の気持ちになれば工業製品のように扱われ、「お前の代わりはいくらでもいる」と言われるより、「お前の代わりはいないけど、困ったときは誰かが何とかしてくれるよ」と言ってもらったほうが嬉しいかもしれません。
今回もお読みいただきありがとうございました。