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トップランナーは、謙虚。

フレンチの名店カンテサンスでの夢のような食事の時間が終わり、迎えのタクシーに乗り込む。

走り出すタクシーの後部座席の窓から見えたのは、
シェフ岸田周三さんの丁寧で、真っ直ぐで、美しいお辞儀だった。

カンテサンスーーー16年間ミシュラン三つ星をとりつづけている日本を代表するフレンチレストランだ。
オーナーシェフである岸田周三さんは、オープン翌年に33歳という最年少で三つ星を獲得。それからずっと三つ星を維持し続けている日本のトップシェフだ。

その日食べた料理は、12皿。どの料理も、すべてピタッと完璧に仕上がっており、一皿のバランスもコース全体のバランスも丁度良かった。
素人にもわかる。これ以上ないくらいピタッとハマっている感覚。
カンテサンスのお料理は、素材同士のバランス、焼き方、味付け、盛り付け、どれも最高に丁度良い。

そのお料理をつくっている人のお辞儀が、
丁寧で、真っ直ぐで、とても美しかったのだ。

お辞儀って、不思議と気持ちが伝わる。
テキトーに流してするお辞儀と、その場その瞬間相手のためにするお辞儀は全然見た目が違う。

なんだか繋がる。そして、納得する。
こういう美しいお辞儀をする人は、食材にも、生産者さんにも、スタッフにも、お客様にも、たぶん真っ直ぐ向き合っているのだろう。


美しいお辞儀といえば、昨年の夏に見たロックスターを思い出す。

B’z LIVE-GYM 2022ーーー3年振りの開催となったB’zの有観客での全国ツアー。そして、わたしにとって初めて体験するB’z のライブだった。

まずボーカル稲葉さんのMCに驚く。観客に対して、敬語で丁寧に語りかけるのだ。ロックスターって、もっと激しく観客に煽ったりするのかと思っていたら、全然違う。

MCで述べられるのは、ライブ開催への感謝の気持ち。コロナ禍を過ごし、より一層その想いが強まったのだろう。紳士的で、礼儀正しくて、謙虚な姿勢がとてもカッコよかった。

そして、ライブの最後に見せた、稲葉さんと松本さんのステージ場でのお辞儀が美しかった。今でもそのシーンは鮮明に覚えている。

あの日、2人のロックスターは謙虚な姿勢で感謝を言葉にし、美しいお辞儀をしてステージを去っていった。


料理でも音楽でも、トップを走り続けている人には、その人たちにしか見えない世界がきっとある。
わたしには想像もできないような努力や研鑽を繰り返しているに違いない。

しかし、真のトップランナーの方々は、それを自慢したりしない。偉ぶらないし、驕らない。

一貫した謙虚さを持っているからこそ、ストイックに努力や研鑽をし続けることができるのだと思う。

トップランナーは、謙虚。

それは、感謝の言葉だったり、美しいお辞儀だったり、日々の振る舞いに現れる。

目の前の人に丁寧に向き合う。
どんなに忙しくても、どんなにうまくいかなくても、謙虚さと感謝をもって丁寧に向き合う。

トップランナーたちから、大切な生きる姿勢を教えてもらった気がする。

=== お わ り ===

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