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ブルーピリオドの感想

映画『ブルーピリオド』見てきた。面白かった〜。やっぱり何かを表現する人に私めちゃくちゃ惹かれるし憧れるわ〜。今回は特に好きだった場面について振り返りたい。

①学校の先生の言葉

「好きなものは趣味でいい、っていうのは、大人の考えじゃないか。自分の好きなことに人生のウェイトを置くのって、本来普通のことでは無いでしょうか。」

いい言葉〜、、、、。ストレートすぎて気持ちいい。ああするべきこうするべき、将来性があるとか無いとか、そういうの全部1回置いといて、好きなものと私だけを考える。そういうことが出来る大人になりたいもんだ〜。

②先輩の言葉

「あなたが青く見えるならりんごもウサギも青くていいんだよ」

好きな言葉がまたひとつ増えました。この発言が映画の全ての根幹にある感じがしたな、という感想。人は視界にフィルターが常にかかっていて、そのフィルターを通して見える世界がその人の「見え方」であり、それを外界にアウトプットする。それが「絵」となる、っていうメカニズム。フィルターの独創性とアウトプットの能力が高いほど評価されて、それを何もしなくても獲得していた世田介は「天才」、八虎は凡人だから、そのフィルターを「戦略」で構築し、「努力」でアウトプットの技術を高める。絵とは何か?という原点、絵が何を以て評価されるのかを分かりやすく伝えてくれた映画だった。
そう考えると学校の先生の言ってた「絵は言葉じゃない言語ですから。」という言葉も納得。感情とか雰囲気とか感じとったものとか、人の中にあるふわふわしたものを、文字として外界に出力するか絵として出力するか、ただその違いなんだと。そういう意味での絵もまた1つの言語なのか、と納得。
あと、絵において大切なことって、絵以外にも通ずることでもあるなと思った。視覚に限らず、すべての知覚や思考がその人にとって「正しい世界」であり、否定される対象ではない、という考えに至り、また泣けてくる。映画を見る度に世の中の解像度がひとつ上がるんだよな〜、、、、有難い、、、思考大好き人間なので、、、

③親

八虎と親とのシーン、全部泣けた。私自身が大学受験で親にすごく迷惑をかけたり心配させたりしたから、親っていう要素で自然と涙が零れてしまう。冒頭の「国公立しか受験できないからね」と息子に諭す親のシーンでもう胸が締め付けられる。スタートラインから、選択肢が国公立大学しかない、というのがもう、辛いな。ついこの前高校の友達と会った時に「遊ぶために大学生になったようなもんだよ」って言ってた子がいたのを思い出して、生まれてくる家が違うということがこれだけ大学受験に格差を生むのかと思うとまーじで反吐が出る。母親との話し合いのシーンとか涙止まらんかった。「なんで藝大に行きたいの?」「将来食べていけないでしょ?」「やっくんに苦労して欲しくないの」親が子を心配してるからこそ出てくる言葉たち全部が心に刺さってボロボロ泣いてた。家に帰ってきてお母さんを描いて見せた時の「洗い物でできるささくれとか、買い物で荷物重いから案外筋肉ついてるとか、自分だけ何年も同じ服着てるから糸ほつれてんなとか、そういうの、絵かいてなきゃ気づけなかった」という言葉がめちゃくちゃ刺さった。めちゃくちゃ泣いた。お母さんに対するフィルターが優しいよ八虎、、、、。おにぎりつくってあげるシーンとか、お守りあげるシーンとか、弁当が「ガンバレ」になってるとことか、合格した時の八虎とか、温かい家族過ぎて凄かった。

④小田原の海

「お前はいつも正しい。そうやって正しいとこで、いつも冷静にいる。でも、そういうやつと話すことはもう無い。」

正しいこととはみ出すこと。正しければいいというわけでも、はみ出すからダメということでも無い。こころからそう思える人が自分を含めどれだけいるのか。自分はいつもはみ出さないように生きてきた人間だから、自分で自分が怖くなった。私はきっと、小田原の海に行かないで龍二を殺してしまう。あえてはみ出すのは違うけど、いざとなった時、私ははみ出す勇気をもてるのかなぁ。

⑤パティシエになる友達

このシーン、わりと好き。可愛いカフェ内に男二人なのが可愛かった。自分の選択を見て、それに感銘をうけてパティシエの道を選んだ。その事実がどれだけ八虎を救ったか。こんな大きい人生の分岐点を自分に感化されて決めたなんて言われたら最高に嬉しいだろうし、更に自分もその事実に感化されるだろうな。いい友達だな。大学生になっても、成人しても、社会人になっても、仲良いんだろうな。

あとこれは余談だけど、ブルーピリオドでエゴサしてたら、ブルーピリオドの広告が出てきた。この広告は藝大生が描いたらしい。これに凄い泣けてきた。あの映画みたいに死ぬほど努力した人達が描いた絵だと思うと何十倍も絵に深みが出て尊敬以上の感情わいてきた。すんごい。

Twitterに載ってたブルーピリオドの広告

機会があればこの広告も実際に見に行きたいし、原作も読んでみたいな〜と思った。以上、映画の感想でした。

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