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サインブースをつくった理由

ーー「BOOK  TALK  LIVE "桃太郎"」を開催すると決めたときから、終演後の物販の際に、サインブースをつくろうと決めていたのです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「イベントでサインブースをつくった理由」というテーマで話していこうと思います。


📚本を届けるために...

先日、僕は「BOOK TALK LIVE “桃太郎”」というイベントを開催しました。卒業研究のテーマに「桃太郎」を掲げた僕が、その秘密や歴史について1時間かけて物語りにいったんです。47人のお客さんを集められて、少なからず盛り上がりをつくることができました。

実は今回の「桃太郎」が第2回でして、去年、初回となる「BOOK  TALK  LIVE "Message"」を開催したんです。僕の初書籍『Message』にまつわるエピソードを物語るイベントで、そのときは30人のお客さんを集められました。

なんで僕が繰り返し「BOOK  TALK  LIVE」なるものを開催しているかというと、もちろん単純にそういうトークライブ的なイベントを開催したかったからでもありますが、本を届けるためのひとつの手段だと考えているからです。

前回の「BOOK  TALK  LIVE "Message"」を開催しようと思ったのは、自分の本を届けたいかりでした。『Message』をひとりでも多くの人に届けるために、いろんな人に会って手売りしたり、ビブリオバトルで著者自ら紹介したり、文学フリマに参加して販売したりしてきました。その次なる手段が「オフラインイベントを個人的に開催して届ける」でした。

『Message』を出版してから半年が経った頃、どれだけSNSで発信してもオンラインで買ってくれる人なんて皆無に等しくて、結局対面で売り込むのがいちばん効果的な方法だと結論づけました。そこで、個人的にオフラインイベントを開いて、そのなかでさりげなく本を売ろうと考えたわけです。その答えが、「BOOK  TALK  LIVE」でした。

※2023年1月2日にこんな記事を書いてる↓


📚「サイン」という価値

「BOOK  TALK  LIVE "Message"」では、30人のお客さんが来てくれたんですが、終演後に物販を行ったところ、『Message』が15冊売れしました。事前のアンケートで『Message』をまだ読んだことない人が15人いたことが分かったので、あの場にいた全員に『Message』を届けることができたということになります。

「やっぱりオフラインイベントは強い」

自分の仮説の真偽を身をもって確かめられたのです。そこで僕は、コミュニティに属したり、人に会ったりイベントに参加したりする頻度をさらに増やしたりするようになりました。おかげさまで現時点で手売りの冊数は250冊を超えています。

そんなことを繰り返していると、サインを求める人が一定数いることに気付きました。「本の著者から直接その本を買う」という本の買い方には、「その場でサインをもらうことができる」というオプションも付いていて、まだ商業デビューもしていないアマチュア作家であるにも関わらず、僕にサインを求める人が一定数いたのです。

また、去年の暮れに、小説紹介クリエイターのけんごさんとくうさんのイベントに参加してきたんですが、そのときに僕はけんごさんが厳選した江戸川乱歩の作品集の新刊を購入したんです。その理由は大きく3つあって、「イベントに参加した記念になるから」「直接サインをもらいたいから」「主催者と話したいから」です。

僕のなかではけんごさんは憧れの存在で、せっかくの機械だから話したいなと思っていたんです。そのときに、話しかける口実として、本を買い、サインを求めにいったのです。おかげさまでけんごさんに僕のことを知ってもらうことにもつながりました。

けんごさん


📚サインブースの可能性

以上のような理由から、「BOOK  TALK  LIVE "桃太郎"」を開催すると決めたときから、終演後の物販の際に、サインブースをつくろうと決めていたのです。

イベントの感想を終わった直後の生の声で聴きたいという思いもありました。事後アンケートでも感想を募るつもりではありましたが、文字だけでは読み取れきれないお客さんの反応を肌で感じたかったのです。

実際にサインブースをつくってみた結果、やっぱりつくってよかったなあと思いました。

お客さんと生でコミュニケーションを取れたり、僕の新作を買ってもらう場面を目の当たりにできたり、作家冥利に尽きる瞬間にたくさん出会えました。「この内容をまた別の機会にやりませんか?」と新しいお誘いのお話もいただきました。

普段は本を読まない人もイベントに参加した記念に買ってくれたし、直接サインをもらいたい人もいたし、僕と話したいから本を買ってサインブースに来てくれる人もいました。

もちろん「サインブース」と貼り紙までして誰も来てくれなかったらどうしようという不安はありましたが、ちゃんとサインを書く機会をつくったことでお客さんの需要を満たせたのは確かなようなので、不安から逃げずに向き合ってよかったです。

ただ、僕の想像以上の盛り上がりを見せることはありませんでした。厚かましいですが、もっと勢いがあるものだと思っていたし、可能性のある手段だと期待していたんです。でも、突き抜けることはなかった。そもそも本を買ってくれる人が、前回と比べて少なかったし、物販やサインブースに気付かずに帰っていってしまう人もなかにはいたようです。このあたりは工夫が必要で、より本を届けるためにできることは何か、ブースのデザインや導線の設計をみつめ直すべきだなと反省しました。

単純に本を届けるだけなら、僕の手売りした方が売れそうな気がします。誰よりも熱を込めて売ろうとするし、250冊以上手売りしてきた経験から分かるものもあるので。

このあたりのことを踏まえて、これからも本の届け方を探っていこうと思いました。最後まで読んでくださりありがとうございました。

20240310  横山黎







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