信じるだけで寿命は延びる。
――1950年代に行われた強制水泳という動物実験があります。水の入った容器にネズミを入れて、どのくらいの時間泳いでいられるのかを調べるためのものです。実験の残酷さは横に置いておいて、その結果は衝撃的でした。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「信じるだけで寿命は延びる」というテーマで話していこうと思います。
📚会話のマラソン
先日、ワインバーで学科の友達と飲んできたんです。昨日の記事も彼女との会話から生まれたもので、それくらいに彼女との会話は実りがあるし、楽しい。
昨日も言ったけど、彼女との会話にはゴールがあるんです。走り出したときにはまだ見えていないけれど、併走することによって向かうべき方向が分かり出して、やがてゴールテープが張られているのが目に入るんですよね。
最後は良い汗かいたと言わんばかりに、今日も面白かったね、とお互いに労わる。また走ろうねと次の約束をする。そんな会話のマラソンが僕はやっぱり好きみたいです。
さて、今日の記事もそんな彼女が教えてくれた話を題材に書きます。ある動物実験の話なんですが、めちゃくちゃ面白いと思ったので忘れないためにも書き留めておきます。
📚ネズミの強制水泳実験
1950年代に行われた強制水泳という動物実験があります。水の入った容器にネズミを入れて、どのくらいの時間泳いでいられるのかを調べるためのものです。実験の残酷さは横に置いておいて、その結果は衝撃的でした。
強制的に泳がされたネズミたちは平均して15分くらいで溺死してしまったんです。もうこれ以上泳いでいてだめだ、ネズミの心中は分かりませんが、あきらめてしまったのです。
しかし、次に、実験者はある工夫を凝らしました。ネズミが力尽きる頃に救出して少し休ませる時間を設けたんです。少し休ませて、また容器に戻す。それを繰り返したんです。そしたらなんと、ネズミは遥かに長く泳ぎ続けることができたんです。
どのくらいの時間だと思いますか?
60時間です。
60分じゃありませんよ。60時間です。2日半です。ネズミはその間ずっと泳ぎ続けたのです。さらに驚くことに、これは平均の時間ということ。中には、80時間以上も泳ぎ続けたネズミもいたそうですから、驚愕です。
この実験からどんなことがいえるかというと、「信じ続ければ寿命は延びる」「絶望したときが死の瞬間で、希望を持ち続ければ命のリミットは限界を超える」ということ。
📚信じるだけで寿命は延びる
改めて、信じること、希望を持ち続けることの意義を知った気がします。どれだけ苦しくても、しんどくても、自分のことを、大切な人のことを、世界のことを信じ続ける。明日はきっといい日になると願い続ける。それが僕らの命の原動力になっているんですよね。
僕が好きなドラマに「アンナチュラル」という法医学ミステリードラマがあるんですが、その中でも今回の実験のような話が出てきました。
人間の身体の構造はなかなか死なないようにできているという話です。呼吸が止まってからも心臓は動き続けるし、心臓が止まってからも数分の間は生きている。最後の最後まで希望を持てるように、アディショナルタイムが設けられているんです。
絶望することばかりの世界だけれど、疑いたくなるばかりの生きる意味だけれど、希望を持つことで、信じることで、命を伸ばすことができる。明日を生きることができる。希望を持つだけで良い。信じるだけで良いんですよね。
それは何も命についてばかりではなくて、自分の夢や大事な友達、愛する人に対しても同じことがいえます。
僕は作家になると夢を追いかけ続けてきました。もう10年以上になりますね。その間に、心折れそうになる瞬間はいくつもありました。あきらめようと投げ出したくなる瞬間はいくつもありました。
大学生になってからはその瞬間が増えたような気がします。まだ遠いと思っていた未来が、徐々に迫ってきたからかもしれません。
しかし、「中2のときの一次選考通過」や「高2のときの奨励賞受賞」など、延命措置があって、僕の夢は生き延びました。
それがあったからこそ、20歳最後の日に小説『Message』を出版することができて、半年で120冊手売りすることができて、本屋さんに置かせてもらえて、気が付けば新聞に載っていました。
全ては、信じることをあきらめなかったいくつものあの日のおかげです。みすぼらしくても泳ぎ続けようと、溺れるくらいなら力尽きようと希望を持つことに決めた瞬間のおかげです。
信じる意義、希望を持つ価値を僕は身をもって知っているから、これからも変わらない姿勢で、あらゆるものと向き合っていこうと思います。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20230113 横山黎