名刺代わりの小説
――「新規」よりも「リピーター」の存在にこそ目を向けるべきといえるでしょう。「僕の作品だから」が動機ならば、読まれ続けるわけですよね。そこで、僕が重視したのは、「作品の内容」よりも「作者の中身」。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「名刺代わりの小説」というテーマで話していこうと思います。
◆20年分の思いを込めた物語
先日、小説『Message』を出版しました。
成人の日の夜に亡くなった青年が遺した「110」というダイイングメッセージの謎を紐とくヒューマンミステリーです。僕の20年分の思いを込めました。現在、全文を無料公開しています。期間限定ですので、この機会に是非読んでいただければと思います。あと3日です!
さて、「20年分の思いを込めた」とはいいましたが、そこにはいろんな意味が込められています。「20年間支えてきた家族への感謝と愛情を込めた」という意味でもありますし、「僕の20年間の人生を物語にした」という意味でもあります。
そうなのです。
小説『Message』という物語は、僕の人生なのです。
◆主人公のモデルは、僕
先ほどあらすじで触れましたが、この物語では、一人の青年が亡くなります。歩道橋の階段から転落して死んでしまうのです。名前は、小山遊馬。
実は彼のモデルは、僕です。
もちろん僕はピンピンしていますから現実と異なる部分はあります。しかし、僕と遊馬の重なる部分は多分8割くらいあります(笑)
作家になる夢を抱き続けていたり、
不注意なミスが多かったり、
家族に手紙を出したり、
全部、同じです。
ちなみに、第4章では、遊馬の母親が息子の人生を振り返りますが、あの回想は僕の人生そのものです。長々と、自分史を綴りました(笑)
挙げればきりがないのでこのあたりでやめておきます。では、どうして僕は、メインキャラクターの一人に自分自身を重ねたのでしょうか。それについて最後に物語っていきます。
結論からいえば、小説『Message』を「名刺代わりの小説」にしたかったからです。
◆名刺代わりの小説
これからの時代、本はますます売れなくなってくるでしょう。僕はいつか、ちゃんと出版社を通した本を出して、全国的に出版しようという企てがありますが、結果がふるわなかったら決して看過できない損害をつくることになるはずです。
新刊が本屋の目立つところに並ぶのは、せいぜい数週間。新刊が出版されれば、特等席を譲らなければいけないわけです。その短い期間で新規の読者を獲得することは無理ゲーでしょう。
つまり、「新規」よりも「リピーター」の存在にこそ目を向けるべきといえるでしょう。「僕の作品だから」が動機ならば、読まれ続けるわけですよね。そこで、僕が重視したのは、「作品の内容」よりも「作者の中身」。
作品そのものには関わらない僕のパーソナルな部分はnoteの文章等で発信し、ショートショートや詩など短い文芸作品で僕なりの表現、世界観を発信してきました。作品に全く関係ない自分の経験や性格の透明度を高くしたり、自分なりの表現、言葉遣い、世界観を追求しているわけです。
そして特別細心の注意を払ってつくったのが、小説『Message』でした。
「家族に手紙を書く」とか「成人式の折に家族へ歌のプレゼントをする」とか、本当は隠しておきたいこっぱずかしいパーソナルな部分を共有することで、僕がどんな人間であるのかを伝えたわけです。
小説『Message』は共同創作でつくりました。noteのメンバーシップをつかって、メンバーの方々とあれこれ議論しながら完成を目指したのです。ZOOMをつかってオンラインミーティングも行いました。そこでも「作者の透明化」をはかったわけです。
僕は最近、小説『Message』を毎日手売りしていますが、それも「作者の透明化」を追求するためでもあります。
そして、話を戻しますが、小説『Message』を「名刺代わりの小説」にした理由もそれです。僕の好きなもの全部つめこんで、僕の人生を全部載せて、僕なりの表現で綴ったのです。
今回話した戦略が大きな結果を生んでいるとはまだ言えませんが、この道を正解にしていきます。
少しでも興味を持たれた方は、以下の記事をご覧ください!
あと3日です!
最後まで読んで下さりありがとうございました。
20220728 横山黎