【詩】『初めましての恋』
初めまして 私はあなたに恋をした者です
笑顔を名刺代わりにして 春が始まる
目覚まし時計よりも早く
目覚められた特別な朝
どこまでも羽ばたいていける
そんな気がした
駅の自販機で買った水
手を離れて転がっていく
プラットホーム 時間が歪む
風の果て あなたがいた
初めましての気持ちが この心臓から発車した
胸の中に響く鼓動のベルを合図に あなたの元へ
初めまして 私はあなたに恋をした者です
笑顔を名刺代わりにして 春が始まる
散りゆく未来のこと 寂しく思わないよ
咲いてる今が綺麗だから
あなたに出逢えたから輝く今があるから
明日も会えるといいなって 青空に祈った
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「恋」と一口にいっても、そこにはいろんな種類がある。「守りたい」なのか、「見つめていたい」なのか、「一緒に生きていきたい」なのか、「会えなくても思っていたい」なのか。
一つ一つに名前があるわけじゃないし、めんどうくさいから、「恋」という便利な言葉を共通言語にして僕らは「恋」をするけれど、本当はきっと、どれ一つとして同じ「恋」はない。
出逢いの数だけ、恋があって、そのどれにも魔法がかかっている。
何度だって、繰り返せばいい。
何度目だろうと、次の相手とは初めての恋。