大学生作家が感動のライブイベントを開催した話。
――僕から「感動」といっても仕方がないので、事後アンケートでくれた感想をいくつかピックアップしますね。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「大学生作家が感動のライブイベントを開催した話」というテーマで話していこうと思います。
📚「BOOK TALK LIVE “Message”」終演!
昨日のことです。
「BOOK TALK LIVE “Message”」というライブイベントを開催しました。大学図書館に内設のライブラリーホールという場所を借りて、1時間のステージをつくったんです。
ブックトークとは、ひとつのテーマのもと、本にまつわるエピソードを物語っていくもの。図書館とか学校の図書室とかでよく行われています。司書さんとか地域の方が子どもの読書推進活動の一環として開催するのが通例ですが、僕はそれをひとつの会場を借りて、ライブイベントとしてやっちゃったというわけです。
テーマは「Message」。
僕には伝えたいことが20年分あったので、それを全力で伝えにいくライブにしたいという気持ちが込められています。また、去年出版した、僕の初書籍のタイトルでもあります。小説『Message』にまつわるエピソードを物語っていく。そんな意味も込められています。
小説『Message』を読まれていない方も、読まれた方も楽しめるように、ネタバレはせずに1時間絶えず途切れず物語っていきました。
結果、感動の舞台をつくることができました。僕から「感動」といっても仕方がないので、事後アンケートでくれた感想をいくつかピックアップしますね。
📚人生の伏線を回収しにいった舞台
小説『Message』を出版してから、様々な届け方をしてきました。手売りをしたり、ビブリオバトルで自ら紹介したり、展示会を開いたり。次なる打ち手として、ライブイベントに思い至りました。
小説『Message』は異色のエピソードをいくつか持ち合わせているので、これを物語ることはひとつのコンテンツになる。また、物語のベースになった成人の日の出来事や、僕の20年分の人生も、きっと同じようにコンテンツになる。そう思ったんです。
内容はすぐに決まったし、話の構成はすぐに立てることができました。そのとき、伝え方次第では感動の舞台をつくることができる、そう確信しました。
やるからには感動してもらいたいし、分かりやすくそれが確認できるのは「涙」ですから、泣かせるつもりで物語りたい。それがひとつの目標になりました。
人の心が動くのは、「伏線が回収されたとき」です。それは「納得したとき」「新しい気付きが生まれたとき」「理由や意味を知ったとき」などに置き換えられます。したがって、お客さんに感動してもらうためには、過去の疑問や出来事に張られた伏線を、舞台の上で回収しにいくことが必要になるわけです。
難しいことをいっているようで、難しいことではありません。「過去の話を、今、どう捉え直しているか」について物語ればいいのです。
『Message』をつくるさなかしんどいことも、しくじったことも、たくさんありました。僕の20年分の人生のうちにもそれはありました。
試験日を間違えて第一志望校の二次試験をすっぽかした大失態を果たしたこともありました。あのときは人生で一番凹んだけれど、そして、逃げるように地方の大学に進学したけれど、昨日、あの舞台で捉え直すことできました。
僕にしか分からないけれど、あの高さ30cmの舞台から見える景色はあまりに綺麗でした。
この舞台に立つために、ここに来たんだ。
この景色を見るために、この道を選んだんだ。
試験日を間違えたけれど、この人生で正解だった。
伏線を回収しにいってみんなの心を動かすつもりでしたが、一番心を動かされたのはきっと僕で、人生の伏線が回収されたことに胸を打たれました。涙がこらえきれなくなるほど。
📚本当につくりたかったもの
昨日来てくれたお客さんは30人でした。まだ何者でもない大学生のイベントなんてそんなもんです。集客を頑張っただけでは越えられない壁があります。
30人のうち、『Message』をまだ読まれていない方は18人でした。終演後に物販も行ったんですが、小説『Message』は15冊売れました。既に購入していたけれどまだ読んでいない人もいたので、未読者ほぼ全員に届けることができたといえます。
また、イベント終わりの興奮覚めやらぬなか、感想も反省も全部共有しちゃおうということで、打ち上げも開催しました。事前に貸し切り予約した居酒屋で打ち上げを開催したんです。
そこでもライブの感想を語り合ったり、僕の話を受けて自分の人生について振り返ったり、新しい出逢いが生まれたり、お酒の影響もあると思いますが再び涙された方もいたり(笑)
最高に笑ったし、最高に泣けたし、最高の空間でした。
そのとき思ったんです。僕が目指していたのは、ここだったんだって。再び伏線回収が果たされたんです。僕の物語に感動してくれる人がいて、それを明日への活力に変えてくれる人がいて、笑顔と涙に包まれて、みんながしあわせのなかにいる。そんな空間を、僕はつくりたかったんだって。
僕は、作家です。
つくる人です。
これまいろんな創作と向き合ってきました。絵も描いたし、演劇もやったし、音楽もつくったし、詩も紡いだし、動画もつくったし、ブログも書いたし、小説も書いてきました。それぞれ形は違えど、本質的な部分は変わっていないんだと思うんです。
僕が本当につくりたかったものは、
昨日のような場所、
すぎるほどに美しい物語でした。
これからも様々な形で表現していくと思います。つくっていくと思います。昨日の一日の出来事を忘れずに、自分の中にある変わらないものを守り続けながら、これからも生きていこう。そんなことを胸に誓いました。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20230503 横山黎