竹書房、漫画愛読者が選ぶ、21世紀に残す名作マンガ第13位にランクインした、鬼才・永井豪が27歳のときに描いたマンガ史上に残る歴史的問題作。
『あしたのジョー』『天才バカボン』など数々の話題作を発表した、少年マガジンで連載されたこちらの作品は、テレビアニメとは全く異なるストーリー展開と衝撃度で、当時の読者を恐怖に陥れた。同時期に作者は大ヒットアニメのマジンガーZをメディアミックスとして、ジャンプ誌上にて発表している。
本作は、黙示録で展開される、人類とデーモンの最終戦争がテーマであり、宗教的、哲学的要素がふんだんに盛り込まれており、手塚治虫以来のストーリーマンガの一つの終着点であったともいえるだろう。
巻数にして、わずか5巻といったボリュームながら、その読後感はなんともやりきれず、そして、作者に憑依した魔力が読み手に襲い掛かってくる。
幾度となく、続編やパラレルワールドでの作品や、別の作家によるトリビュートなどがあり、世紀の駄作とうたわれた実写映画も存在していることは周知の事実。
念のために、マンガのストーリーについて、おさらいしておこう。
正確さを期すために、ウィキペディアから引用することをご了解頂きたい。
わたしは、こちらのマンガを小学生の時に読み、並々ならぬ感慨を受けた。
これ以上の衝撃を受けたマンガはないといっても過言ではない。
旧友で、画家の息子が、このマンガを貸してくれたのがキッカケであったが、9歳くらいのわたしには強烈過ぎて、夜も眠れなくなったものだ。
1997年に開催された、渋谷PARCOでの「永井豪世紀末展」にも足を運んだし、デビルマンと名の付くものは片っ端から購入した。
永井豪はインテリ層からも熱狂的な支持を集めており、第47回日本漫画家協会賞文部科学大臣賞(全作品)さらに、フランス政府から芸術文化勲章シュバリエを贈られている。
なお、デビルマンは英語圏だけでなく、イタリアやフランスなどでも数多く翻訳され、読み継がれているのだ。
惜しむらくは、よく指摘されるように、画力が内容についていけていないところだが、もともと永井豪という漫画家は、大友克洋や、後輩のジャンプ作家ならば、江口寿史、鳥山明、原哲夫、井上雄彦のように、絵の上手さで勝負する作家ではない。
その絵の稚拙さを補って余りある、圧倒的熱量と比類なき才能に満ち溢れている。
手塚のアシスタントが石ノ森、その石ノ森のアシスタントが永井ということを頭に入れて置きたい。
氏については、まだまだ語るべき作品が目白押しなのだが、それらの中でも間違いなく白眉なのが、このデビルマンであることに異論はないであろう。
20代で、これだけのマンガを世に残した功績は余りも大きい。
空前にして絶後である。
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