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動作分析3つのコツ(上達するためのマインドセット)

なぜマインドセットなのか

こんにちは。ReHub(リハブ)の林です。

理学療法士や作業療法士の方、動作分析はとにかく色んな症例を経験することでレベルアップしていくと考えていませんか?
しかし、ベテランのセラピストが必ずレベルが高いとは限りませんよね。
では、動作のバイオメカニクスやハンドリングなどの講習会でレベルアップすると考えていませんか?
しかし、熱心に講習会に参加している人のレベルが高いとも限りませんよね。
*もちろんこれらの取り組みを否定する話ではありません。

では、どうすれば動作分析のスキルがレベルアップするのか?

その答えの1つは、患者の動作に関わる際のマインドセットにあります。

どんな知識や手技も対象を正しく見ることができなければ、上手く活用できません。また、正しく変化を捉えることも難しいでしょう。
眼で見て身体で感じた情報を分析するので、自分の思考を柔軟にコントロールすることは非常に重要です。今読んでいただいているあなたは、どんなスタンスでヒトの動作と向き合っていますか?

ということで、今回は、動作分析が上達する3つのコツをマインドセットやヒトの動作に関わるスタンスの観点からお伝えします。
細かな知識やテクニックはここでは述べませんが、それ以上に重要なことです。

コツ①「動作障害の本質を定める」

3つの中でも特に重要です。
これは、いきなり問題点の大正解を引き当てろ!というわけではありません。
患者の動作を見ていると、あれもこれも問題点が見えてきます。
その問題点をできるだけ改善したいと思うでしょう。
しかし、ヒトの動作は一つのシステムです。1点に不具合が生じると、それをきっかけに他の部位にも異常パターンが生じます。その悪循環の元をまず1つ決めましょう。
ハズレでも良いのです。ハズしたことを自覚できることの方が重要です。

一度に多くの問題を解決しようとすることは素晴らしいことですが、治療介入した内容のどの要素がどう影響したのかというフィードバックが複雑化します。
先にも述べたように、1つの変化がその他多くの部位に影響するため、複数の問題を同時に解決しようとアプローチすると、下手すれば自分が新たに生じさせた反応をまた別の手段で抑えるというワケの分からないことに陥ります。
こうなると、自分の関わりの是非を真に検証することは難しいのですよね。

だから、まず自分なりに「動作障害の本質を定める」のです。
そうしてシンプルにした問題に対してダイレクトにアプローチすること、そこからアプローチの結果となる動作の変化を観察し、他部位への影響も踏まえて、自分の分析が正しかったのか否かを判断します。

この流れによって、動作障害を起こしている数々の問題点の中に、本質的につながっているもの同士が何かを明確にすることができます。

まずはシンプルに「障害の本質を定める」意識を持ちましょう。


コツ②「本当にそうか?と問いかける」

そんなこと?と思うかもしれませんが、これは重要なことです。

動作分析は現象をありのままに捉えること、そしてその事実から障害像を紐解くこと。

自分が本当にありのままに捉えているか?という疑問の「本当にそうか?」
紐解いたはずの障害像に対する「本当にそうか?」
この2点です。

例えば・・・

「麻痺側下肢の支持性が乏しく、立位保持が困難」
→「本当に片脚が筋で支えられないだけでヒトは立てないのか?」

「患側股関節のROM制限や大殿筋の筋力低下により体幹の前傾が乏しく、立ち上がりが困難」
→「本当にそれだけでヒトは立ち上がれなくなるのか?」
「本当に股関節ROM制限や大殿筋の筋力が改善したらこの人は立ち上がれるのか?」

理学療法士や作業療法士が陥りやすい、確証バイアスの話はまた別の記事で詳しくお伝えしますが、人間は世界を自分が見たいように見ているのです。
この問いかけは、自分の視点をゼロベースに戻すための合言葉と捉えてください。

今一度「本当にそうか?」と問うてみましょう。


コツ③「反応を捉える」

そんなの当然じゃん!と思われるかもしれませんが、動作分析が上手くいかないセラピストの多くはここでつまずいていることが多いです。
我々ヒトは、健常者であっても僅か数秒間骨盤に触れるだけで立ち上がり動作が変わります。
患者に触れて「著変なし」なんてことは絶対にあり得ないのです。

寝返りを介助しようとして触れた瞬間、圧力をかけた瞬間、すでに患者の身体は反応しているかもしれません。その時の圧刺激の角度がほんの少し変わっただけで、頸部と体幹の立ち直りがより良くなっているかもしれません。

プラットホームで起きてもらって靴を履かせる瞬間、座面への荷重や、足部の反応が変わっているかもしれません。

座位で骨盤前傾を誘導した時よりも、若干の後傾の後に前傾を誘導した時の方が股関節や体幹の反応がわずかに良くなっているかもしれません。

我々セラピストがヒトに触れるということは、そういうことですよね?

このように、触れた瞬間、動かしている瞬間、患者の反応をつぶさに捉えることが、膨大な知識にミスリードされない確かな動作分析へとつながるのです。

あなたの手、視線、患者との距離、ベッドの高さ、床面のテクスチャなどなど、あなたと患者を取り巻く環境はあなたが患者に与えている刺激なのです。その刺激に対する反応を見逃してはなりません。

これらの反応を捉えた先に、活きてくるのが知識やテクニックではないでしょうか。

今回のトピック「動作分析の3つのコツ」は以上です。

次に患者と関わる時の心構えは覚えて頂けましたか?
①「動作障害の本質を定める」
②「本当にそうか?と問いかける」
③「反応を捉える」

以上3つです。

このnoteのトピックリストはコチラ

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コメントでもTwitter(@ReHub5)でも何でもお待ちしております。

この記事が、あなたとあなたが関わる患者のハッピーにつながることを願っています。

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