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5歳までが勝負!? 運動神経の良い子に育てるカギは〇〇だった!

運動神経は「生まれつき」じゃない?

「うちの子、運動が苦手みたい…」「運動神経がいい子って、生まれつき決まっているのかな?」そんな風に思ったことはありませんか? たしかに、スポーツ選手の子どもが運動上手なこともありますし、「運動が得意な子」「苦手な子」と分かれるのは事実です。

でも、実は運動神経は 「遺伝よりも環境が大きく影響する」 ということが分かっています。そして、そのカギを握るのが「スキャモンの発達曲線」です。これは子どもの成長を4つのタイプに分けて示したグラフで、その中でも 神経型の発達は5歳までに約80%、12歳までにほぼ大人並み になるとされています。つまり、幼少期からさまざまな動きを経験することが、運動神経の発達につながるのです。

では、どんな遊びや運動をすればいいのでしょうか?次の章で詳しく見ていきましょう!

スキャモンの発達曲線とは?

子どもの成長は、すべての器官が同じスピードで発達するわけではありません。そこで注目したいのが 「スキャモンの発達曲線」 です。これはアメリカの生物学者スキャモンが提唱したもので、 人の成長を「神経型」「リンパ型」「一般型」「生殖型」の4つに分類 し、それぞれの発達スピードを示したものです。

運動神経の発達に大きく関係するのは 「神経型」 の成長です。スキャモンの発達曲線によると、 神経系は5歳までに約80%、12歳ごろにはほぼ大人と同じレベルに達する とされています。これは、脳や神経の発達が幼少期に急激に進むことを意味します。つまり、この時期にどれだけ多様な運動を経験するかが、運動神経の発達に大きな影響を与えるのです。

一方で、「一般型」と呼ばれる筋肉や骨格の成長は、小学生の間はゆるやかで、思春期に入ると急激に発達します。そのため、「運動能力は中学生・高校生になってから伸ばせばいい」と考えるのは間違いです。 神経系が急成長する幼少期に、できるだけ多くの動きを経験することが、運動神経の良い子に育つポイント になります。

では、具体的にどんな運動や遊びを取り入れればいいのでしょうか?次の章で詳しく解説していきます!

だから幼児期~小学生の運動経験が超重要!

運動神経の発達において最も重要な時期は、実は 幼児期から小学生初期(5歳~12歳) です。この時期にどれだけ体を動かし、さまざまな動きを経験するかが、将来の運動能力に大きな影響を与えます。その理由は、前述したように、 神経系の発達が急激に進む時期だから です。特に、5歳までに脳や神経の基礎が形成され、運動能力の土台が作られます。

幼児期(0~6歳)

幼児期は、遊びを通じて基礎的な運動能力を養う重要な時期です。例えば、ボールを投げる、跳ぶ、走る、バランスを取るといった動きは、神経回路を強化し、運動神経を育てます。この時期に体全体を使った遊びを多く経験することで、 筋肉や骨、関節をしっかりと動かす感覚が養われ、さらに脳がその動きを覚えていきます。鬼ごっこや追いかけっこ、かけっこなど、遊びの中で多様な動きをすることが大切です。

小学校低学年(6~9歳)

この時期は、運動能力が急激に伸びる「ゴールデンエイジ前期」と呼ばれる時期です。運動を楽しみながら 走る・跳ぶ・投げる・つかむ といった基本的な運動技能を身につけることが可能です。スポーツのルールやチームワークも少しずつ学び始めます。体力や筋力はまだ十分に発達していませんが、 運動の基本を楽しんで学ぶことが最も大切 です。

小学校高学年(9~12歳)

この時期は、運動能力の向上が顕著に見られる「ゴールデンエイジ」と呼ばれます。体の成長とともに運動技能が飛躍的に向上し、 技術の習得がスムーズに進む 時期です。ここでは、運動の「型」を覚えるための練習が重要で、スポーツを通して技術を深めることができます。しかし、この時期に最も大切なのは、 「楽しさ」 です。運動に対する興味や楽しさを感じることで、さらに成長が促されます。

このように、幼児期から小学生の間にさまざまな運動を経験させることが、運動神経の基礎を作り、将来のスポーツ能力を高める重要な要素です。どんな運動も「楽しさ」を最優先にし、無理なく経験できるようサポートしてあげましょう。

具体的に何をすればいい?

運動神経を育てるためには、実際にどんな運動をさせればよいのでしょうか? ここでは、年齢別におすすめの運動や遊びを紹介します。

幼児期(0~6歳)

幼児期は、運動神経の基礎を作る大切な時期です。この時期は、 遊びを通じて体を動かす経験 をたくさん積ませることが重要です。

  • ボール遊び:ボールを使った遊びは、投げる、捕る、転がすなどの基本的な運動能力を育てます。手や足を使うことで、体全体のコーディネーションが向上します。

  • かけっこや追いかけっこ:走ることができるようになることで、体力やバランス感覚を養います。また、素早く反応する力も身につきます。

  • バランス遊び:片足で立つ、ロープの上を歩くなど、体のバランスを取る練習は、運動神経を育むために非常に有効です。

  • ジャンプや鉄棒:ジャンプや鉄棒での遊びは、身体を大きく動かすことに慣れるための第一歩です。これらの遊びで体幹を鍛えることができます。

小学校低学年(6~9歳)

小学校に入ると、運動の幅を広げる時期です。体が大きくなり、筋力も発達してくるため、基本的なスポーツの技術を学ぶのに最適な時期です。

  • 水泳:全身を使った運動で、筋力や体力が自然に養われます。水の中での運動はバランス感覚も向上させるので、非常に効果的です。

  • サッカーやバスケットボール:チームスポーツを通じて、走ることやボールを使う技術を学べます。これらのスポーツは、協調性や判断力も育むことができ、運動神経の向上に役立ちます。

  • トランポリンやスラックライン:跳ぶ、はねる動きは、体の重心移動やバランス感覚を養うのにぴったりです。少し難易度の高い遊びに挑戦することで、運動能力を高めることができます。

小学校高学年(9~12歳)

小学校高学年になると、体の成長が進み、運動の技術をさらに高める時期です。この時期は、より専門的なスポーツに取り組みながら、技術的な向上を目指します。

  • 陸上競技(走る、跳ぶ、投げる):これらの基本的な運動技能を身につけることで、身体の使い方やコーディネーションがより高度になります。個別競技で自己表現をする楽しさもあります。

  • 柔道や剣道:これらの武道は、バランス感覚や反射神経を鍛えると同時に、精神面も鍛えられるため、運動神経を育むには非常に有効です。

  • 体操:基礎的な体力をしっかりと育て、柔軟性やバランス感覚を向上させる体操もおすすめです。

このように、運動を「遊び」として楽しむことが、運動神経を伸ばすために非常に重要です。子どもの興味や個性に合わせて、さまざまな運動を取り入れて、楽しみながら運動能力を向上させていきましょう!

楽しく、たくさん動かそう!

運動神経は「生まれつき」ではなく、幼少期からの積み重ねが大切だということが分かりました。特に、5歳までに急速に発達する 神経系 をしっかり育てるためには、体を動かす経験が欠かせません。この時期にたくさんの運動を楽しんで経験することで、運動神経の基礎がしっかりと作られます。

ポイントは、何より 「楽しさ」 です。運動が楽しいと感じることで、子どもは自然に体を動かしたくなります。遊びながら、無理なくさまざまな動きを経験できる環境を整えてあげましょう。かけっこやボール遊び、バランス遊びなど、日常的に体を使う機会を作るだけでも、運動神経は大きく伸びます。

また、運動はただ体を動かすだけではなく、 自信を持つ ことにもつながります。できなかったことができるようになる喜びを感じることで、自己肯定感も育まれます。無理にスポーツに取り組ませる必要はなく、まずは楽しく体を動かす習慣を身につけさせることが大切です。

運動神経は、楽しく、そしてたくさん動かすことから育まれます。親としては、子どもが自分から運動に興味を持てるように、日々の生活の中で工夫していくことがポイントです。子どもにとって、楽しい運動体験が一生の財産になります!

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