これだけは知っておけ!!シンスプリント!!
皆さん,今日も臨床お疲れ様です!
新しい年度になり,今年度も目標をもって頑張っていきましょう!!
では早速今回のトピックについてです!
今回は”シンスプリント”についてご紹介していきます!!
スポーツをやっていた,今もやっている方は一度くらい走りすぎて脛の内側が痛くなった経験があるのではないでしょうか??
トレーナーや外来を担当している方で,中高生を見ている方は頻繁に遭遇することも多いと思います!!
そんなときに最低限これだけは知っていて欲しい情報をまとめましたので,
ぜひ最後までご覧になってください!!
1,シンスプリントとは?
一般的には,ランニングやジャンプなどの繰り返される動きによって,脛骨内側縁中下1/3に疼痛が生じるものです!!
また,疲労骨折と初期症状や発生機序が酷似しているので鑑別が重要になってきます!
疲労骨折に関して,臨床でX線やMRI像で必ずしも所見が認められるわけではないので,疲労骨折との鑑別が困難で常に考慮して介入する必要があります!
また,病名としては,シンスプリントまたはMedial tibial stress syndrome(MTSS)とも呼ばれてたりします.文献などでは,MTSSで言われたりします!
2,シンスプリントの病態
疫学としては,
女性に多く1),BMIの増加,舟状骨の低下,股関節外旋と足関節底屈可動域制限などが報告されています.2)
メカニカルストレスとしては,
脛骨内側縁に付着する下腿筋膜の牽引ストレスによって生じる骨膜の微細損傷です.
脛骨の内側縁にはヒラメ筋や長趾屈筋,後脛骨筋の筋膜が付着しており,それらの過剰収縮などによって骨膜に牽引ストレスがかかり症状出現に至ります!!
臨床において,上記の筋肉がどのような走行で,どこに付着してるかを考え,介入に当たる必要があります!
ここで,問題です!
Q,長趾屈筋,ヒラメ筋,後脛骨筋の起始,停止,作用は言えますか?
3,シンスプリントの理学療法評価
重要な理学所見として,圧痛があります!!
圧痛箇所としては,脛骨内側縁中下1/3に認めます.
また,この際にシンスプリントであれば比較的に広範囲に圧痛を認めますが,限局した圧痛や叩打痛を認める場合は疲労骨折も踏まえる必要があり場合によってがDrへ上申を考えましょう!!
圧痛は筋肉に認めることが多いので,加えて,収縮時痛も確認しましょう!!
さらに,病態でも紹介した,足関節底屈・股関節外旋可動域はシンスプリントと関係しているので制限されていないか評価する必要があります!
また,シンスプリントはマルアライメントとの関係が多々報告されていいます.
特に,接地時における後足部のアライメントで分類されています.
1)後足部回内タイプ
後足部の接地時に回内するパターンで,
内側縦アーチの低下が認められ,舟状骨低下を認めます.
それに伴い,脛骨内側縁に付着するヒラメ筋筋膜が牽引ストレスを受け,アーチを保持するために後脛骨筋や長趾屈筋,長母趾屈筋などが過剰収縮を起こし,牽引ストレスが増加します.
このタイプでは,回外接地タイプに比べ,圧痛の頻度が高いことが多いと言われています!!
ですので,圧痛の評価は確実に行い,NRSなどのともに痛みの強さを聴取しながら,経過を追うようにしましょう!!
2)後足部回外タイプ
後足部が回外接地するタイプで,
踵骨の回外に伴い,距骨下関節軸に対して下腿が外旋し,脛骨への直接的な捻れが生じる.加えて,脛骨内側に牽引ストレスが増加し,疼痛が生じます.
4,シンスプリントの治療
治療は,まず熱感などがあり,痛みの強い時はアイシングなどを実施し,疼痛緩和を図ります.
その上で,牽引ストレスのかかっている長趾屈筋,後脛骨筋,ヒラメ筋などに対して筋緊張の緩和を図りましょう!!!.
また,インソールを用いた治療も有効とされているので,回内タイプ・回外タイプに合わせてインソール作成の手段として考えて治療を進めるといいと思います!!
今回は以上になります!
シンスプリントは疲労骨折に移行したり,初期から疲労骨折との鑑別が難しかったりしますが,今回紹介した部分はあくまで最低限の知識になりますのでぜひ覚えておいてください!
ではまた次回の記事でお会いしましょう!!
参考文献
1,Yates B, White S. The incidence and risk factors in the development of medial tibial stress syndrome among naval recruits. Am J Sports Med. 2004
2,Hamstra-Wright KL, Bliven KC, Bay C. Risk factors for medial tibial stress syndrome in physically active individuals such as runners and military personnel: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med. 2015