ラーメンを愛した故に決めたこと
あなたにとっての最高の食事とはなんですか?
私はかなりの頻度で食事に対する価値観を尋ねるような質問をします。「明日世界が終わるなら何食べる?」「一番好きな食べ物は??」「あなたの最高レストランは??」なんて。
食事は最高のツール
そう思います。五感をフルに使って、世代や国を越えて共有できるもの。
言葉が無くても伝わるもの。音楽もそうだけど、食事は体の中に入っていくものだから。余計に深く人の体に入り込む存在だと思います。
もし食事が摂れなくなったら、私は生きる希望を失うとさえ思います。
何が楽しくて生きているのかわからなくなってしまいそう。
そう、そのくらい食事が好き。大切。生きがい。
大好きなお店
私の中の最高のお店
それは本当に古い古い思い出の中にある。
マンションの1階にある小さなお店。おじさんが1人でやっているお店。
固くない、形式ばらないイタリアンが食べられたのです。
そのお店には家族で行った。
行くと「いらっしゃいませ」と出迎えてくれるシェフ、ニコニコしているけれど太陽よりもひまわりよりも月とかかすみ草が似合う人だった。
出してくれる料理は全部美味しかった(と思う)
小さな私の味覚には大人びていた料理たちだったけれど、家族で囲むテーブルは、多分もう二度と見られないくらい色とりどりのシェフの思いが載っていた。
帰る時には「いつもありがとうございます。」と言いながらドアを開けて見送ってくれる。
また来ますねという顔で手を振る。
これが私の小さなころの思い出。
でもこのレストランはもうない。シェフにももう会えない。
いつもありがとうございます。
そう言われるお店が私にもある。
愛してやまないラーメン屋さん
この愛はどうにもこうにも出来ない。
お店の空間もスタッフさんも味も全部が好きになってしまった。
手間のかかる料理をする店主の後ろ姿、女性スタッフさんの働きぶりに目を奪われたのが去年の春。
通い詰めてようやく言われるようになった「いつもありがとうございます。」の言葉。
嬉しかった。いつもありがとうございます をおうむ返しした。
働かせてください
たぶん・・・私は主体性がありすぎるのです。
まあ、普通の人の数倍は「物事を自分ごと」にしたがる習性があります。なのでラーメン屋で働くことにしました。
まあまあ人に影響されがちな私ですが、これは自分で決めたこと。
「いつもありがとうございます。」を言ってみたかったから。
何も悔いなく働いて半年が経とうとしている。
毎日が楽しくて仕方ない。
本当に良かった。
きょうも、ラーメンが好きだ!