Spaghettoni alla gricia
グアンチャーレの旨味充実
アマトリチャーナにトマトが加わる前に存在していたとされる
アッラ・グリーチャ。
由来については諸説あるが、ラツィオ州アマトリーチェ近郊のグリシャーノという村にすむ羊飼いが編み出したのでその名前がついたという説が有力。
羊を連れて山間を移動する時に、保存が効いて運びやすい材料を使って
簡単にできるものとして生まれたという。
ちなみに、グリシャーノ村が公表している資料には、
羊飼い説とは別にもう一つの説がある。
15世紀ごろ、スイスやドイツからの移民がローマでパン職人として働いていたが、彼らのきる作業着が”グリーチョ”と呼ばれていた。
やがてその言葉は彼らそのものを指すようになり、彼らが仕事の合間に作る簡単な料理をグリーチャと呼ぶようになったというのだ。
いずれにしてもこの料理の味の決め手となるのは、
豚頬肉の塩漬けグアンチャーレ。
脂身にじっくりと火を通して余分な油を取り除き、
旨みをしっかりと引き出すこと。
量も多めにして、グアンチャーレが主役であることを意識したい。
表面はカリッとこげて、中はジューシーなグアンチャーレと、これまたたっぷりのペコリーノがコクを与え、シンプルだが満足度の高い一皿である。