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HSPのしんどさと恩恵
私は復職して3年、現在うつ病で休職中の一児ワーママ。
今の自分に至るのに、HSPという性質が色濃く関係していると感じるため、少しnoteを書いてみたい。
HSPを知る
HSPについて知ったのは約2年前。
ちょうど復職して1年経つ頃で、下記のような状態が続き悩んでいた。
・仕事が頭から離れない
未経験のイベント系業務を仕切る立場で、帰宅しても頭の中がシミュレーションとTODOではちきれそうになっていた。
・入眠困難、中途覚醒
寝る前になっても仕事への意識がオフにできず、どうにか寝ついても気がつくと起きて仕事のことを考えていた。夢と夜中の覚醒が地続きな感じ。
・一人反省会
仕事に関わらず、「あの場面ではあのように言えばよかった」「あの時あの人はこんな風に思ったかもしれない」と、人との関わりで「上手くできなかった」と感じた場面の思い起こしが、フラッシュバックのように不意に訪れることが続いていた。
睡眠不足も続き心身ヘトヘトで、相談できる機関を調べているうちに「HSP(Highly Sensitive Person)」という言葉に行き当たった。
ネットで概要を読み、関連書を何冊か購入した。
いわゆる「繊細さん」書籍の存在は知っていたが、書店で目にしても自分と結びつけて考えることはなかった。
しかし、書籍に目を通すと、HSPの特徴とされる要素の多くが自分にも当てはまると感じた。
・日々、どんな失敗が起こり得るか予測して対応策を考えることに、多くの労力を費やしている
・痛みを感じやすい
・毎日、1人でいる時間が必要だ
・ほかの人の痛みが、自分の神経の奥深くに入り込んでくる
・テレビなどで暴力シーンを見ると、その後何日間も影響されてしまう
・大きな音・強烈なにおい・鋭い光をひどく不快に思うことがある
・涙もろい
(引用部分は特に自分に当てはまるものを抜粋しているので、テストされたい方は原典をあたるか、提唱者のエレイン・N・アーロン博士のWebサイトをご覧ください)
こうした特徴群に総称があり、研究者がいて、5人に1人程度がその性質を持っているとされる事実に、とても救われた。
ちなみに目を通したのは↓の書籍たち(買い足したものは後述しています)。
HSPである恩恵としんどさ
私の場合は特に「シミュレーション癖」と「感情を受け取りやすいこと」の要素が良くも悪くも自分の中で大きかった。
仕事と育児におけるこの要素について振り返ってみたい。
仕事において
・シミュレーション癖
私は手順を考えてメンバーに実践してもらうような仕事が多く、想定される状況を事前に折り込んだ手順作りが得意だった。皆に展開してから「この場合はどうするのか?」等、質問が来ることも少なかった。
反面、色んな可能性を想定しすぎて動き出しが遅いのは短所。たくさん投げてたくさん学ぶような経験値の稼ぎ方ができない。また想定自体も当然、思考を割かれるしとても疲れる。
・感情を受け取りやすいこと
要望の汲み取りが早かった。さすがに最初は相手の特性インプットが必要だが、少し慣れてくると、顧客や同僚の言いたいことを相手が言い終わるまでに察することができた。更に慣れると、表情やタイミング、単語だけで要望を汲めることが多かったし、逆に言葉に現れない相手の感情や困りごとを言語化して返すこともできた。よく「エスパー⁉︎」と言われていた。
反面、ネガティブな感情の受け止めは激弱だった。立場上、メンバーからの不満を受け止めることがあったが、その場ではどうにか対処できても前述のフラッシュバックがキツかった。
不満を受け止めるのが好きな人などいないだろうが、いちいち精神の底まで落ちてしまうようではどこかで限界が来ると感じていた(そして今に至る……のかも)。
育児において
・シミュレーション癖
例えば外出の際は検討に検討を重ねて準備をするので、出先で何かがなくて困るような場面はこれまでほとんどなかった。
子どもが生まれ育つにあたり、家の中の環境を見直す際にも、「ここで転倒したらここに頭をぶつけてしまう」とか、「ここにこれがあると、手が届いて誤飲につながってしまう」等の想定がとにかく進んだ。子はもうすぐ4歳になるが、家庭内での事故はこれまで起きていない。
しかし、万事この調子で育児に取り組んでいては当然ノイローゼまっしぐら。
「とにかく休息をとる」「できるだけ一人で育児する時間を減らす(支援センターを活用しまくった)」を心がけていた。
・感情を受け取りやすいこと
これも子の欲求、要求を察知するのに大いに役立った。
親という生き物はそういうものと言われるとそれまでだが、特に(夫を含む)「他者と子」の関わりを見る場面で、自分の特性を意識することが多かった。子が何を訴えていて、どんな言い方で言葉を返してほしいのかがよく分かり、対処しているのが自分でないときにはもどかしい思いをすることが多い(この気持ちは自分の首を絞めることを自覚しているので本当は手放したい)。
反面、泣き声や怒りの感情を浴びせられることには未だ大きな負担感がある。子に大きく感情移入してしまうあまりに「泣かせたままにしておく」系の育児ができず、吸うまで吸わせる母乳育児(全く軌道に乗らなかった。助産院がスパルタで0歳児と共に大泣きしてしまった)やネントレは、トータルでメリットが大きいことは理解し自分でもやりたかったが、ついぞ実践できなかった。
育児とHSPの関係については、下記の書籍の存在も私を大きく救ってくれた。
これからの向き合い方
上記の書籍を読み、HSPは治そうとか、なくそうとするものではなく、自分の性質として受け入れ付き合っていくものと理解した。
傾向が分かればあらかじめ対処できることも多い。
また、捉え方を変える、といった心がけのほかにも、体調面でのセルフケアでHSPであるしんどさを緩和していくこともできる、ということが分かったのが下記の本。
これまではせっかく書かれていることに共感しても、生活レベルで実践ができていないことが多かった。
休職を機に読み返して、健やかに生きられる生活習慣を自分の中に落とし込んでいきたいなと思う。