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質問する勇気に感謝したい/「素人質問」より苦手なこと

「素人質問で恐縮ですが」

1つのネットミームのようになっている、学会あるあるです。

知識がないはずがない、そのジャンルで有名な学者が、「勉強不足で恐縮なのですが…」と前置きしながら、的確で重い一撃をお見舞いしてくる。

「覚悟しろ、ボコボコにしてやるからな!」のような意味で広まっている言葉で、実際にそういう側面もあるのですが、自分がゼミや学会、勉強会でスピーカーを担当しているとき、質問してくれる人は神様に見えるほどありがたいものです。

自分が何らかの意見を発表した後、誰も何も反応してくれないというのは、かなりメンタルにきます。
質疑応答の時間にフロアがしーんとして、誰も挙手してくれない。
沈黙が痛い。

個人的には「素人質問で恐縮なのですが」よりも、「司会からの質問で恐縮なのですが」の方が辛いです。

進展しない質疑応答を見かねた司会者が、どうにかフォローしようとしてくれるわけですが、スピーカーの力不足で申し訳ありませんと謝りたくなります。

「司会からになってしまうんですけれども……勉強不足で申し訳ないんですが……」
というフルコースの経験もあります。

学会報告やゼミ報告を聞いていると、質問が積極的になされるのは

①素晴らしい報告
②完成度の低い報告
③手堅くまとまった報告

の順であるように思います。

独創的で完成度の高い報告の場合、良い意味で質疑が盛り上がり、専門外の研究者からも(正しい意味での)素人質問が寄せられたりします。

誰から見ても突っ込みどころが満載の報告の場合、当然のように指導の意味も込めた疑問や指摘が殺到して、悪い意味で質疑が盛り上がります。

手堅くまとまった報告の場合、訂正しなければいけないようなミスもないし、逆に“きちんとしている”ゆえに気軽な質問がしにくい、という矛盾した状況になりやすいように思います。

なので、質疑応答が盛り上がらないのは、“大失敗をしてはいないから”でもあるので、あまり気を落とさないようにしたいものです。

自分にそう言い聞かせながら、学会にのぞんでいます。

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