放送作家の仕事とは？【第25回】20年近くやって気づいたこと⑤

「職業は放送作家です」と言うと、多くの人に「どんなことをしているんですか？」と質問されます。そこで、このシリーズでは、謎に包まれた放送作家がどんな仕事なのかをいろんなテーマで具体的に書いています。おつきあい、よろしくお願いします。

【著者プロフィール】
テレビのゴールデン番組からアイドルのラジオ番組まで構成する30代の放送作家。企画を通してチーフ作家になることもあれば、声をかけられお手伝いに徹する仕事も好き。このコラムは、プロになるためのリアルな指南書だったりします。 

今回のテーマは「20年近くやって気づいたこと」です。

放送作家として20年近く仕事を続けてきた私が、これまでの経験から得た気づきをいくつかお話ししたいと思います。これから放送作家を目指す方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。

【あなたの書いた文章は誰も読みたくない】

もし仕事で企画書を頼まれた場合、どんなことを考えながら書いていますか？　私が大切にしているのは「自分が書いたものは誰も読みたくない」という“前提”です。その前提さえあれば「読みたくない人たちにも、どう伝えたらよいのか？」と常に考えるようになります。

仕事を始めたばかりの頃は「こんなに頑張って書いたのだから、きっとみんな興味を持って読んでくれるだろう」と思っていました。これが甘い（笑）。ベストセラー作家でもないので、もっと謙虚になるべきですね。読みたくない人にも伝える工夫として以下のようなことが挙げられます。