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デザイン実例〜ブランドカラーの決め方は提供価値から逆算しよう

こんにちは。
上級ウェブ解析士(WAC21239048)で株式会社レッドビジョン・クリエイティブチームのJunです。
私は現在、新ブランド立ち上げにおいてウェブサイト、LP、広告クリエイティブなどを担当しています。
あと個人としてライフスタイルや旅行をテーマにしたブログ「タビダー」を5年間ほど続けて情報発信しています。

このnoteでは単品リピート通販D2C)で新ブランドのリリースまでにデザイナーがやるべき仕事と役割についてシリーズでお伝えします。

今回は「ブランドカラーは提供価値から逆算しよう」をテーマに「ブランドカラーの決め方」について実例を元にご紹介します。

■新商品&ブランドを立ち上げるためのチーム構成

実例としてご紹介するのはラシアスというブランドです。
“本来の自分を取り戻したい女性を後押しするブランド”をミッションにすえ、第1弾の商品として、粒タイプのオールインワン・プロテインサプリメント「しなりずむ」のリリースが決まりました。

メンバー構成は以下の通りです。

・商品企画担当者
・マーケティング担当者(リーダー兼任)
・クリエイティブデザイン担当者
・CRM担当者

■ブランドイメージや世界観を言語化し、ムードボードでチームとイメージをすり合わせる

まず、ブランドの作りたい世界観や届けたい価値(ベネフィット)をチームメンバーと一緒に言語化しました。
その上で、そのブランドの世界観を視覚的にチーム全体で共有できるようムードボードを作りました。

この段階ではまだ細かなロゴマークやブランドカラーの選定などは行いません。
ムードボードを作る目的はブランドのらしさらしくなさをチームメンバー全員の共通認識として仕上げていくことです。

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ムードボードの制作にあたり、私達は「Pinterest」を活用しました。
参考にしたい色、写真、イラスト、形などあらゆる視覚情報をピン留めしてメンバーで共有して議論を重ねます。

■スターバックスのブランドカラーと提供価値

メンバーで生み出したいブランドの世界観のベクトルが合った段階で、核となるブランドカラーを選定します。

ブランドカラーとはそのブランドのシンボルとなる識別記号の一つです。

例えばスターバックスのブランドカラーは何色でしょうか?
パッと思い浮かぶ色は「緑」ですよね。

ではなぜスターバックスのブランドカラーは「緑」なのでしょうか?
普通の消費者はこの部分を深く意識することはありません。
しかしデザイナーはここを考察することで、アウトプットの質が高まります。

スターバックスの提供したい価値はコーヒーそのものではなく、自宅でもオフィスでもない「サードプレイス」と呼ばれる居心地の良い空間です。

「居心地が良い空間」→「リラックス」→「緑」という風にイメージの連想ができますよね。
提供したい価値とブランドカラーには関連性があります。

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この色やロゴマークはいわばブランドの識別記号です。
多くの広告物であふれる繁華街でも、人々はこの“識別記号”を見ることで、それが一瞬でスターバックスであると認識して、「あそこにスタバがあるからコーヒーでも飲もうか」と思案します。

■提供したい価値を言語化した上で識別記号としてブランドカラーを決める

ラシアスのターゲットは「30〜40代の大人の女性」で、
提供したい価値は「本来の自分を取り戻すこと」です。
そには「美しさ」「気品」というイメージが含まれています。

では「大人の女性の美しさ」を表現するなら何色を選びますか?

私達は日本の伝統色であり、イギリス王室の公式カラーでもある「ロイヤルブルー(紺青)」を選びました。
濃い深みのある青色です。

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商品単価も決して安くない商品なので、高級感を演出する必要がありました。

そのため西洋の格式の高い色を用いることで、ブランド価値を高めたいという狙いもありました。

■DICガイド色見本帳で印刷物に使用するブランドカラーを選定

最終的な色の選定作業ではRGBの他に、パソコン画面の色と印刷物の色が違うことを防ぐため、DICやPANTONEといったガイド色見本帳やカラーチップを参考に色を決めました。

DICガイド色見本は国内約90%のシェアを有し、
印刷物などのデザインにおいて色指定の基準となっています。

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ラシアスのブランドカラーとなる「ロイヤルブルー(紺青)」ですが、微妙な色の差でも大きく印象が異なります。

実際の選定フェーズでは、いくつかDICガイド色見本帳からピックアップをして、その中から一番、イメージに合う色をチームメンバーで話しながら選定しました。
DIC色見本帳で決めることで印刷物の色の差異を防ぐことができます。

■まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はブランドを例にご紹介しましたが、これはブランドに限った話ではなく、インテリアの色だったり、ファッションの色だったり、日常の様々なシーンで色を選ぶという事はあります。

その色で何を表現したいのか?によって選ぶ色は変わってきます。
色を選ぶ時は大切にしていることをしっかりと言語化しておくことをおすすめします。

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