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夜のオンナ

私はサチ。ホステスをしています。
だけど、全然お客が付きません。

さっちゃんはさ、お顔がちょっと
あれだから、例えば目を二重にするとかいいんじゃない?

私もそうしたいけど、まだ働きはじめたばかりだから、そんなお金ないし。

じゃあ、仕方ないから
マクラしちゃえば。

え?

昨日来たさ蒲生ちゃん。チラチラあんたのおっぱい見てたよ。今日も来るはずだからさ、あんたも私のテーブルにおいで。
後は私が纏めるからさ。

そうママがいい終わると同時に、蒲生さんが現れた。

ママ、私、蒲生さん。狭いソファに横並びに座った。ぎゅうぎゅう詰め。私の太ももが、隣の蒲生さんの太ももにピッタリくっつく。

さっちゃん、蒲生さんにお酒作ってあげて。蒲生ちゃん、お疲れ様でーす。

ママはお尻で私を押す。私はバランスを崩して、蒲生さんの膝の上に手を置いた。その時、彼の身体にもたれかかった私の胸を、彼はチラッと覗き見していた。

その後カラオケタイム。
わたしは胸をギュッと押し付けるように
蒲生さんと腕を絡める。彼はニヤニヤ笑い、私の腰に手を回して来た。それを見ていたママは、私に小さなガッツポーズを送ってくれた。

さあさ、今日はたくさん飲んだから、もうおしまいでいいでしょ?蒲生さん?

ベロベロに酔ってる彼に、ママはそう言った。

私も酔っ払っちゃったから、お店も閉めよっか。そうだ、蒲生さん、さっちゃん送って貰える?

蒲生さんに肩を抱かれながら、私達は一緒にお店を出た。
店を出て暫く歩くと、蒲生さんはわたしのお尻をナデナデしてきた。
初めてのマクラ営業。私の心臓はドキドキして、酔いもすっかり覚めてしまった。
私は勇気を振り絞って

蒲生さん、もう電車なくなっちゃったんで、良かったら・・・

バタン。
ホテルの部屋のドアが閉まった瞬間、
蒲生さんは、いきなり私に迫ってきた。

え、え、ちょっと、まだ心の準備が・・・

と、私が言い終わらないうちに、私はベッドに押し倒されてしまった。
私の顔に顔を近づけて来る蒲生さん。

ドサッ!

彼は隣りの枕に頭を乗せて、仰向けに倒れていた。
そう、私は元柔道部。のしかかってきた彼をひっくり返すなんて簡単だ。

私はびっくりしている彼の横に正座して
にっこり笑ってこう言った。

蒲生さん、いかがでしょうか?我が社自慢の枕の寝心地は?低反発のウレタンを使用してますから、ちょうど良い高さと硬さで、バツグンの寝心地を補償いたします。
良かったら、おひとついかがでしょうか?

(了)



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