現代短歌 《アネモネが言う》
太陽を求めてのびる茎の先派手に咲いてもため息ばかり
お前たち皆きれいだよ摘み取ったりしないからそこから出るなよ
寒い頃小さな球根だった君僕は何か変わっただろうか
青いアネモネが言う風の音は遠くから君の声連れてくると
白いアネモネが言うそれは悲しい結末を遂げる見届けろと
赤いアネモネが言う消えない情熱を持てばいつか叶うからと
黒猫の手招き拘りでできた箱庭気付かれぬよう覗く
あなたは持ってる記憶の宝石箱手を動かすほどに溢れて
甘い蜜吸い尽くしてくれ好きなだけ夕焼けの空溶かして飲み干せ
花びらが日暮れとともに閉じていくサンプリングした今日の色に染め
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