【日記】ちいかわを心に
「なんとかなれーッ」
何とも可愛らしいが、
考える事を諦めた捨て身の台詞である。
しかし、時には思案を巡らすより先に、
体を動かしてしまった方が、
良い結果に恵まれる。
──やばい。寝坊した。
「やばい、遅刻だな。いやしかし、なんとかなると思うしかない。もうあれだ。汗だくで格好も見窄らしくて良いから、取り敢えず急ぎ会社へ行こう。そうするしかない。でなければ、間に合わない」
──なんとかなれーッ!
こうして就業5分前に会社に着く。
汗だくのびちょびちょで、
朝の会議に参加し、午後はうとうと。
しかし、その日は事なきを得た。
またある日は、仕事のミスで……。
──やばい。昨日までの資料、提出忘れた。
「もう謝るしかない。いくら何とかなれと唱えても、既に時が過ぎているのだから、何ともなりようがない。好転しようがない。失念を謝罪して、脳裏に失敗を焼き付けて、猛省するしかない。取り敢えず、報告するか……」
──なんとかなれーッ!
こうして、お叱りを受けつつも、
大きな断罪はされずに済む。
後輩には、ドンマイと、
鼻で笑いながら慰められ、
その日の業務はそのまま進む。
どうしようもない時は、
捨て身のアタックであろう。
アンミカも、
"ありがとう"と"ごめんなさい"は、
とにかく早く言うこと。と言っていた。
ならば、何か不祥事、不測の失敗、
思考が停止するような絶望的状況、
そういったものに苛まれた時は……。
──なんとかなれーッ!
そう思って取り敢えず動くべきである。
ハチワレ、いつもありがとう。
でも、なるべく惨事になる前に、
準備や予防を頑張ろうね、ハチワレ。