伊藤【エッセイ、読書、日記】

noteを弄ぶ諸君、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げる。ご清祥でなければこのアカウントに辿り着くことなどできないだろう。ここで多くは語らない。エッセイと読書感想文を中心に己の拙文と醜態を晒していく。よろしく頼む。

伊藤【エッセイ、読書、日記】

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【日記】はにはにはにわ展

 上野の東京国立博物館 平成館で開催されている特別展『はにわ』に行ってきた。たくさんの埴輪がいた。  埴輪は人間だけだと思っていた。しかしそうではなかった。馬の埴輪、円筒の埴輪、お家の埴輪などがいた。  なんとなくの理解だが、作品として作りは簡略化されているが、それぞれのモデルの特徴を捉えて上手い具合に表現しているのが、埴輪だと思った。何というか、凄くセンスが試されるものなのだと理解した。あと、あの感じなら、埴輪よりも、ひらがなで”はにわ”と表すのが似合うと思った。  

    • 【エッセイ】夜を仰ぐ 未だに遠い 夏の果

      桜新町にて 夏の日。空は曇りの不安定。気温は高い。時折小雨が降る。じめっとした高温多湿の不快感が体にまとわりつき、歩けば汗をかく。幸先の悪い陰鬱な午前。  だが、天気などお構いなし。夢や目的があるならば、人生の曇天や荒天なんのその。我々はその足をどこまでも動かす。  雲は低く、雨に打たれど、この暑さは夏の始まり。私は自らの信条を掲げ、今年の夏へ動き出すのだった。 美徳のファンファーレ 「かき氷の無い夏など、日本の夏では無い。コンビニで買うアイスのみで終幕するひと夏は美

      • 【日記】寒くなると

         守るものがあれば、  その責任で強くなるが、  その重さだけ遅くなる。  守るものがなければ、  無責任で弱いままだが、  身軽に素早く動ける。  何かどうしても手放せないものは、  判断を鈍らせる。  それが重荷になる。  何もなければ、  逡巡することは少ない。  1人で歩いている時。  たくさんの人を抜いて、置き去りにする。  誰かと歩いている時。  たくさんの人に抜かれて、置いていかれる。  でも、誰かと歩いている時の方が、  たくさん笑っている。  

        • 【日記】大人への成長が、狭間でのグレーゾーン

           オムライスを溢したら大人ではない。  オムライスでなくとも、  無様にご飯を溢してしまう姿を  晒すような人間は、大人ではない。  猥褻な言葉、下品な振る舞い。  周囲の羞恥心を煽るような行動も、  もちろん大人ではない。  大人ではないというか、  大人っぽくないが正しいだろうか。  大人は自動的になるもの。  大人っぽさは意図的に出すもの。  自動で積み重なる年齢に、  所作、外見、雰囲気が追いつかない。  きっとそこは、  誰もが陥るグレーゾーン。  社会

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        • ただの日記
          24本
        • 【エッセイ】
          30本
        • 【読書感想文】
          28本
        • 【散歩】
          2本

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          【日記】避けていた

           あまりにも下戸なもので。  正直、お酒に良いイメージが全くない。  人々が口々に押し付けてくる、  酔って気持ち良くなる状態の楽しさ、  というのが、  全くもって分からない。  全く中身の無いうえに、  内容もかなり面白くないのに、  どうしてか皆が爆笑している飲み会。  とか。  「とりあえずビール!」  「じゃあ、私も!」  「みんなビールでいんじゃない?」  「そうだね!」  「う、うん……。いいよ……」  といって、ビールを注文したのに、  全く口にしないか

          【日記】そういえばの話

           9月上旬、  牛角の女性半額キャンペーンが炎上していた。  女性だけが半額で、  どうして男性は半額にならないのか。  それこそ男女差別じゃないのか。  という非難らしいが。  くだらないと思った。  そもそも、このキャンペーン自体、  女性だけという訳でなく、  女性を含めたカップルやファミリー層の、  来店を増やすことに、焦点を置いた企画なのに。  公式のプレスリリースにも、  下記の旨が書いてある。  配慮がないどころか、  男性にも楽しんでもらおうって  意

          【日記】イライラしたときに書く日記

           上手くいくことなどほとんどない人生。  幼少期から成功体験に乏しい。  褒められたのは文章ぐらいで。  それ以外で何か人を笑顔にしたり、  感嘆させたりしたことがあったろうか。  失敗に託けて、  大した努力をしなかったことも悔やまれる。  叱られたことに負けて、  長くいじけた時間が惜しい。  誰も正解をくれなかったことに勝手に腹を立て、  先天性の才能も後天性の開花も、  何一つ手にしなかったことに絶望した自分が、  醜いと思う。  この年になるまでうじうじと、  

          【日記】イライラしたときに書く日記

          【日記】夢だから言えたのか

           決して他人に向けてはいけないが、  それでも思い切りツッコんでみたい。  そんなワードがある。 「お前メイクしてもシーラカンスみてぇだな」  どうしてこんな辛辣な台詞が、  自分の中から生まれたのか分からない。  ある朝、起きた時に、  なぜかこの文章が頭にインプットされていた。  夢で何を見て吐き捨てたのだろう。  メイクしても……。  ならば、すっぴんでもシーラカンスなのか。  はたまた他の生物に似ているのだろうか。 「そんなもん、金髪のナンヨウハギだわ」

          【日記】夢だから言えたのか

          【日記】牛丼と筋トレ

           仕事で上手く行かなかった日や、  周りの期待に添えなかった日や、  疲れてヘトヘトで帰宅する日。  もう帰って、だらだらして、  寝てしまいたい。そんな日がある。  しかし。この人生。帰ってからが勝負。  どれだけ文章を書けるか、  どれだけ自分の勉強が出来るか。  どれだけ筋量を増やすことができるか。  仕事以外でやりたいことがたくさんある。  精神面、肉体面で疲労困憊の日は、  諦めるのか。否。諦めたくない。  そのため、心身がネガティブな日は、  夜の筋ト

          【日記】期待と齟齬と、君と秋

           武器と言葉は使いようである。  道具にもなれば凶器にもなる。  言葉が自分に傷をつけている時もある。  相手との解釈がずれるせいで、  思わぬ失望が生まれる事は、  人生に何度も訪れる。  その度に磨いて磨いて、  様々な境遇の人、  様々な背景を持っている人、  なるべく多くとの、齟齬を埋めていく。 「期待しといて」  上記も使い方が難しい言葉である。  肯定的な言葉をかけることで、  変化の待ち時間をポジティブにし、  相手の気持ちをこちらへ向ける。  もし

          【日記】期待と齟齬と、君と秋

          【日記】彩りにオクラ

           鶏胸のひき肉と卵で、  そぼろご飯弁当を作ってみた。  別に美味しい。  普通に美味しい。  しかし、率直に一言で美味しいと、  言わせてくれない何かがあった。  満足感に今ひとつ欠け、  頭は物足りない寂しさで埋まる。  どうすればいいか。  冷蔵庫のオクラと目が合った。  オクラは訴えてきた。 「僕がいるじゃん」 「でも、面倒臭いんだよ、お前使うの。茹でなきゃいけないし、切ったら粘つくし……」 「そのひと手間で弁当は見違えるんだよ」 「そんなに変わらな

          【日記】ロッキンの心構え

           カップルでフェスに来ている人たちは凄い。  いつも思う。  大変だろう。  女性は日焼け対策に、  メイク落ちないように……。  男性は自分の体力に頼っちゃいけない。  相手が付いてこれない可能性を  考えねばならない。  もちろん全力で楽しめばいいが、  最低限の気遣いは必要なのだろうな……。  と傍目に見ていて、彼らを尊敬している。  そう考えていた自分が、  よもや女性と音楽フェスに  行くことになるとは、  思いもしなかった。 「余裕もっていこうな」 「い

          【日記】ロッキンの心構え

          【日記】ちいかわを心に

          「なんとかなれーッ」  何とも可愛らしいが、  考える事を諦めた捨て身の台詞である。  しかし、時には思案を巡らすより先に、  体を動かしてしまった方が、  良い結果に恵まれる。  ──やばい。寝坊した。 「やばい、遅刻だな。いやしかし、なんとかなると思うしかない。もうあれだ。汗だくで格好も見窄らしくて良いから、取り敢えず急ぎ会社へ行こう。そうするしかない。でなければ、間に合わない」  ──なんとかなれーッ!  こうして就業5分前に会社に着く。  汗だくのびちょび

          【日記】松戸ノスタルジー

           久しぶりに帰省すると、  駅から実家までの十数分の街並みが、  少しずつ変わっている。  すると、地元にいながらにして、  郷愁が胸を打つ。  その日、大学生の弟と、  部屋でだらだらと会話していた。 「地元は徐々に様相を変えていくな」  弟は頷く。けど……。と続けた。 「俺はさ、松戸が良い街だと思うんだ」 「なぜだ」 「人が多過ぎないし、栄え過ぎて無いし、自然が多過ぎない」 「聞こえは良くないが」 「都会すぎると、自然の中で遊ぶような子供時代の無邪気な思

          【日記】松戸ノスタルジー

          【日記】子供のまま

          「そうだな。大人は皆、体裁を気にして本性を上手に隠す。そうして社会に溶け込む」  私はねくら氏と変態について、  意見を交わしていた。  ねくら氏は、端的に言えば悪友である。  幾つもの企みや謀略、そして我が人生を、  彼女に相談してきた。  今回は取り立てて悩んではいなかったが、  大人っぽさとは何かを彼女に求めていた。 「それなのに、私は変態的思考を嗜好に任せて披露している。故に子供なのかもしれない」 「つまり。私が私である限り、私が大人になる日など来ない」

          【日記】心まで狭くはない

           我が家は狭い。  一人の人間が生活するスペースしかない。  他所の人間を招待するなど、  もってのほか。  友人だとしても断固拒否である。  「今度お家行っていい?」  「無理だ」  「なんで」  「狭い。そのうえ、他人を家に入れるなど言語道断。憩いの空間を崩して欲しくない」  「部屋だけでなく、心も狭いか」  「なんだと」  彼は空を見上げ、遠い目をした。  「狭量な 家は心の 鏡かな」  「一句読むな」  「冬隣 ヒーターが部屋を埋め」  「自

          【日記】心まで狭くはない