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【日記】心まで狭くはない

 我が家は狭い。
 一人の人間が生活するスペースしかない。

 他所の人間を招待するなど、
 もってのほか。

 友人だとしても断固拒否である。

 「今度お家行っていい?」

 「無理だ」

 「なんで」

 「狭い。そのうえ、他人を家に入れるなど言語道断。憩いの空間を崩して欲しくない」

 「部屋だけでなく、心も狭いか」

 「なんだと」

 彼は空を見上げ、遠い目をした。

 「狭量な 家は心の 鏡かな」

 「一句読むな」

 「冬隣ふゆどなり ヒーターが部屋を埋め」

 「自由律なら許されるとか無い」

 こんなに揶揄されて本気で怒らぬ私は、
 部屋とは反対に寛容だと思う。

 改めて言うが、人は招かない。

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