SIerやパッケージベンダーでの業界理解が大きな武器に。SaaS ERPのPdMという仕事
こんにちは!マネーフォワードビジネスカンパニー採用広報の久住です。
バックオフィス向けSaaSプロダクトを提供する「マネーフォワードビジネスカンパニー」では、現在20を超えるプロダクトをリリースし、日本のバックオフィスを支援しています。
今回は、『マネーフォワード クラウド』のPdMとして活躍する4名にインタビューを実施。インタビューを通して、4名共通してSIerやパッケージベンダーでの職務経験が、いまの仕事において大きな価値を発揮していることが分かりました。
SIerやパッケージベンダーなどで働かれていた経験があり、SaaS業界やPdMのお仕事に少しでもご興味がある方はぜひご一読ください。
(本記事は、2024年4月にインタビューした内容をもとに編集しています。)
自己紹介・これまでの経歴
ーーまずはみなさんの自己紹介と経歴を教えてください。
堀:私は『マネーフォワード クラウド連結会計』のPdMを担当しています。公認会計士でありながらPdMをやっている、少し変わったバックグラウンドを持っています。
これまでは監査法人やパッケージベンダーで働いてきました。パッケージベンダーには10年以上在籍して、開発からコンサルティングまで一通りの職務を担当してきましたが、クラウドでプロダクト作りをしたいという想いが高まり、2021年11月にマネフォに入社しました。
奥野:私は『マネーフォワード クラウド勤怠』のPdMを担当しています。実は少しめずらしい経歴でして、新卒でSIerに入り、勤怠システム系のエンジニアとして社会人生活をスタートしてからいまに至るまで、人生の大半において勤怠システムに携わってきました。数回転職していますが、勤怠システムから離れていた期間はたった2年ほどしかないんです(笑)。
その後、ユーザーへの導入コンサルにも従事し、知見も経験もたまってきたところで、改めてプロダクト作りに挑戦してみたいという気持ちがあり、マネフォに入社したという経緯です。
徳永:私は『マネーフォワード クラウド』の基盤系サービスを開発する組織でPdMをしています。前職は新卒から10年以上基幹システム開発の会社で働いてきました。そこでは自社で開発したソフトをクライアントごとにカスタマイズしてご利用いただくために、要件定義から導入支援までの一連の業務を長くやってきました。
石塚:私は『マネーフォワード クラウド債務支払』のPdMを担当しています。前職は新卒からずっと同じ会計システムのコンサルティング会社に在籍しており、会計パッケージの導入支援やアドオン開発、プリセールスといった職務を担当してきました。今日はよろしくお願いします。
マネフォに入社した理由
オンプレ業界で感じた危機感
ーーまずはみなさんがマネフォに入社した理由について教えてください。堀さんからお願いします。
堀:私はそもそもプロダクト作りがしたくて前職のパッケージベンダーに入社したんですが、そこでは思うようなプロダクト作りができなかったんです。
その会社ではオンプレミスの連結会計システムの開発・提供を行っていたのですが、連結会計システムという一つの“巨大戦艦”にアドオン開発を繰り返している状態だったんですね。私としては中堅企業向けにプロダクトを作り直したいという想いがあったのですが、当然会社としてはそう簡単に作り直そうとはなりません。
さらに、オンプレミスのシステムだったのでいわゆる“脱IE”をしなければいけないタイミングがあったんです。オンプレのERPは取り回しに時間がかかるのですが、なんとそれに一年がかりで取り組むことになったんです。こういったことの積み重ねで、オンプレのERPでは、SaaSの柔軟性やスピードについていくのは難しいなと痛感しました。
また、オンプレ業界のインフラエンジニアがどんどんSaaS業界に転職している状況にも危機感がありました。人材が流出してしまいプロダクト作りを継続するのが難しくなるんじゃないかという懸念はありましたね。
マネフォに入社を決めたのは「自分がやりたかったプロダクト作りができる!」ということに尽きますね。それに加えて、エンタープライズ企業向けのプロダクトに携わっていた経験を活かしたかったので、エンプラ経験があることを最も歓迎してくれたマネフォを選びました。
SaaSに感じた衝撃と成長余地
ーー石塚さんはいかがでしょうか?
石塚:前職の会計システムのコンサル会社にいた終盤頃に、SaaSについて詳しく知りました。当時興味本位でSaaSサービスについて調査してみたところ、サービスの良し悪しはあるけれども、想像以上にSaaSサービスの完成度が高かったので驚きました。当時自社でパッケージソフトの開発もしていたため「これはまずいぞ」と思ったんです。
しかもシステム導入はお客さまにとって巨額の初期投資がかかることが一つハードルになるんですけど、SaaSなら月額数万円で導入できてしまうことが大きな魅力だなと感じましたね。
その後、転職を考えたときにSaaSのことを思い出して、限られた数名でプロジェクトを支えるのではなく、一つのプロダクトをみんなで良くしていく働き方は面白そうだなと思ったんですね。それで2018年に当時の『マネーフォワード クラウド経費』の責任者と面接をしました。
実際にアグリゲーション技術で経費明細データが連携されるデモを見せてもらって、「なんだこれは!」「これこそクラウドのすごいところだな」と衝撃を受けたんですね。ただ、それ以外の機能はまだまだ粗削りだとは感じました。勝手に改善点を100個くらいリストアップしたりも(笑)。
それでも、今後ビジネスを伸ばしていく上で重要な機能アップをはじめ、これまでの経験から直感的に「マネフォならやれそうな気がする」と思えたのは大きかったですね。
まだまだ粗削りな中に私が参加することで、プロダクトを一緒に磨いていけるかもしれないし、すごく面白そうだなと思ってマネフォに入社しました。
SaaSの普及により軸足を「開発」へ
ーー続いて、奥野さんの入社理由を教えてください。
奥野:私もマネフォに入社したのはプロダクト作りに携わりたいという気持ちが大きかったからですね。
SaaSが普及していくうちに、導入コンサル業務よりプロダクト開発の方が将来的に活躍できる幅が広がっていくんじゃないかと感じていたので、PdMにチャレンジしてみようという気持ちになったんです。
マネフォに決めた大きな理由としては、勤怠システムの重要性について深く理解されていることや、私自身の経験も評価いただいていることが伝わってきたことです。
HR領域において、勤怠システムって「Excelでできるじゃん」という風に軽視されることがあるんです。でもマネフォでは重要なシステムと位置づけていることが伝わってきたことは、大きな決め手となりましたね。
「SaaSでERPを作る」面白さ
ーー最後に、徳永さんの入社理由を教えてください。
徳永:『マネーフォワード クラウドERP』の責任者をしていた峰島さんの「マネフォがERPを作る」というnoteを読んで事業に興味を持ったことがきっかけです。
前職時代、パッケージソフトの導入支援をする中で、さまざまなクライアントから同じような悩みや要望を聞いていたんです。それって個々にカスタマイズするより、クラウドという形で導入すれば一定解決できることだなぁと考えていました。
そのタイミングで峰島さんのnoteを読み、カジュアル面談に進んで、SaaSでERP業界に飛び込む話を聞いて面白いと感じたんですね。「どうやってSaaSでERPを作るんだろう?」と。
オンプレミスのERPを手掛けている大手どころの企業が何十年もかけて開発してきたものを、SaaSでまた一から作っていくってすごく興味深いですよね。経費精算などの周辺領域や一領域におけるSaaSの参入は見受けられましたが、SaaSとしてバックオフィスシステムの本丸であるERPにまで踏み込んでいく意思表示をしたことに面白さを感じて、マネフォで働きたいという気持ちが高まりました。
どのように過去の経験を活かし活躍しているか
SIerやパッケージベンダーで培った「業務理解」が重要だった
ーーつぎに、これまでの経験をどう活かしながら働いているかお聞かせください。堀さんはもともとPMをされていたと思いますが、PdMになって何か変化は感じましたか?
堀:マネフォで初めてPdMを担当することになりましたが、実際やってみてPM(プロジェクトマネージャー)とPdM(プロダクトマネージャー)にあまり差はないと感じています。
プロジェクトという期間限定のものと、プロダクトという一生続くものという期間の違いや、ゴール設定の違いはありますが、PMからPdMというロールの名前が変わったところで、根本的なプロセスや重要なポイントは変わりません。
それよりも、業務システムを扱う以上、お客さまの業務理解やドメイン知識があることの方が圧倒的に重要です。
奥野:私ももともとSaaS業界にいたわけでも、PdMをしていたわけでもありませんが、これまでのSIerでの経験やERP導入支援の経験が、いまPdMの職務に大いに活かせています。
過去にオンプレミスのERP導入支援をしていたときに、どのクライアントも要望は似通っているんだなという経験知を持ったんですね。その経験知はロールが変わろうと、オンプレだろうとSaaSだろうと共通すると予想していましたし、実際そうだと感じています。
ーーたしかに業務システムで解決したい現場の悩みは共通していますよね。業務理解があることは大きなアドバンテージですね。
奥野:業務理解がある方は、どちらの業界だろうともロールが変わろうとも活躍できると思います。
私自身、過去にクライアント先に出向していたことがあったんです。出向先のバックオフィス業務を見て、業務システムを触っている時間よりも、給与明細書の印刷をしたり圧着紙をプレスしたりという時間の方がよっぽど長いということを知ったんですね。そういった業務理解があることは非常に重要だと思っていて、いま一番活かせている部分かなと思います。
堀:私もクライアント先に常駐したことあるんですけど、現場はすごく楽しかったです。当時管理会計のシステムを担当していたので、工場見学なんかをすると数字の裏にある意味がわかってきて、ものすごく理解が深まるんです。やっぱり業務理解がないと何に役立っているプロダクトを作っているか実感を持てないと思うので大切ですよね。
ーー逆にロールや業界での違いに戸惑ったことはありますか?
堀:パッケージベンダー時代と比べてプロダクト作りのスケジュールの考え方はだいぶ違っていて、キャッチアップに少し時間はかかりましたね。ただ、新しいものを作っていくにはこういうやり方が良いんだろうな、と納得しています。
石塚:最初の戸惑いはアジャイル開発のレビューのときにありました。システムコンサル時代のウォーターフォールモデルの考え方だと、最初に設計が全部決まっているから、レビューは設計通りかどうかをチェックするという感覚にどうしてもなっちゃうんですね。その感覚を引きずって、最初はその場で「もうちょっとこうした方がいいんじゃないか?」みたいな気付きを言うことに心理的ハードルがありました。
でも、アジャイル開発に慣れたいまは、「それいま言うか?」っていうくらいのちゃぶ台返しもできるようになりました(笑)。その他のことはチームのみんなのサポートも得られるので、特に困ったことはありませんでした。
徳永:アンラーニングも重要だと思いますね。業界や会社を移ることで、これまでの経験で得た知見や価値観の中で、何を切り替えたり捨てたりすればいいかを見極めることは大事なんじゃないかなと思います。そうするとスムーズに移行できると思います。
奥野:SaaSでプロダクト作りに関わりたいならば、視野を広げるというのも一つのポイントだなと思っています。例えばSIerや導入コンサルをやっていた時代は、クライアントと一対一のコミュニケーションになるんですね。極論目の前のお客さまに喜んでもらえるといいんです。
ところが、プロダクトを作るとなるともう少し広い視点で、すべてのお客さまを対象にするくらいの観点で物事を判断しなきゃいけなくなります。これはオンプレとSaaSプロダクトの違いだなとは思います。そのチューニングができると良いと思いますね。
当社に興味がある方へメッセージ
ーーこの記事を読んで、当社のPdM職に興味を持ってくれた方に一言お願いします。
堀:新しいプロダクトを作りたいと思う方には最高の環境だと思います!一緒に作りたいプロダクトがあればぜひチャレンジしてみてください。
奥野:新しく学べることも多いし、SaaS業界未経験でもERPや業務システムに携わっていた方はこれまでの経験が活かせる環境だと思います!ぜひ一緒に働ければと思います。
徳永:プロダクトは、ただ自分の想いだけで作るものではありません。なぜその課題を解決しようとしているのか深く掘り下げて、ユーザーのためにプロダクトが作れる方と一緒に働けると嬉しいです!
石塚:この記事を読んでくれている人の中には、SaaS業界ってキラキラしていて、スピード感もあって、若い同僚たちばかりで自分みたいな年齢ではついていけないんじゃないか・・・と思い込んでる方もいると思うんですね。
でも、これまでたくさんの経験や知見を得てきた私たちだからこそ発揮できる価値は絶対あるし、それは私自身も日々感じています。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひカジュアル面談にてお話しできると嬉しいです。ご応募お待ちしています!
CPOからのメッセージ
最後に、このインタビューを企画したマネーフォワードビジネスカンパニーCPO(Chief Product Officer ※最高プロダクト責任者)の廣原さんのメッセージをご紹介します。
カジュアル面談への応募をご検討されている方は、廣原さんがPdMの職務やスキルセットについて執筆した下記記事もあわせてご一読ください。