リモートワークのリの字もなかった九州の企業が2ヶ月で劇的に変えたこと7つ
こんにちは。リクパーの太田です。
緊急事態宣言も解除され、福岡の街にもずいぶん人が戻ってきました。とはいえ数ヶ月前には想像もできなかった変化に、おつかれの皆様も多いことと存じます。
ひとまず、玄米茶ドウゾ…(´・ω・)っ旦~
在宅ワークへの緊急切り替えは出発点に過ぎない
さて前回、「リモートワークのリの字もなかった九州の企業が2週間で完全在宅ワークに切り替えるためにやったこと」というタイトルで記事を書きました。
あれからもうすぐ2ヶ月……!
時空の歪みが発生してるとしか思えない。怖い怖い。
当たり前ですが、リモートワークへの切り替えはあくまで出発点。メンバーが安心して働ける環境を作った後は、「働く場所がバラバラでも、自律して高い成果を上げられる会社づくり」という果てしなく長い道のりが待っています。とりいそぎまずはリモート開始後約1ヶ月半でバックオフィス部門が行った変化・工夫を備忘として書いておきます。
「どうにかこうにかやっていってるけど、他社はどうしてるんだろう…」とお悩みの全国のバックオフィスの皆さんに、届け血と汗と涙の改善事例…!
(1)有料オンライン会議ツールの検討
Whereby、ベルフェイス、Zoomそれぞれの有料版をそれぞれ1か月間お試し検討し、どのツールが自社に合うかを検証してみました。
弊社がオンライン会議ツール導入によりで実現したかったのは下記3点。
・1対1でのWEB面接、面談
・複数人での会議
(できれば人数制限を気にしたくない)
・事前にURL発行し先方へ共有
・将来的にオンラインセミナーやイベント企画の可能性あり
・操作が簡単かつ1サービスで完結
検証してみた結果は下記。
Zoomはセキュリティ上の不安もあったため、もともとリモートワーク開始時にはあえて採用していませんでした。しかしながら、1ヶ月の運用を経てお客様への認知度やUI、通信データ量含めた使い勝手を鑑みるとやはりZoomが優勢。ちょうどアップデートしたタイミングだったこともあり、Zoomの導入を決定しました。
なお社内打ち合わせ(朝礼・夕礼など)に関してはSlack通話、Zoom無料版・有料版をそれぞれ使い分けています。業務上細かな確認が発生するチームでは「勤務時間中は基本的にオンラインつなげっぱなし」というところも。
ちなみにとにかく無料で複数人参加できるオンライン会議ツールないかな…という方には、Spike Video Chatおすすめしておきます。
人数制限なし、時間制限なし、アカウント作成の必要もなしというカンタンWEB会議ツール。
Zoom有料に切り替えておらず、40分ごとに会議を中断しないといけないという憂き目を見ている方はひとまずこちらでしのいでみてください。
(2)地道な助成金申請もろもろ
新型コロナウィルス関連の助成金・支援金についてはそれぞれ申請可否の基準が異なるうえに、弊社はグループ会社合わせると3社あります。それぞれが基準を満たしているかをチェックし、ひたすら資料準備→提出の無限ループ。社労士さんなどにも協力をいただくこともありましたが、自社で出来るものはできるだけ社内の助成金申請チームが手配しています。国・県・市単位で五月雨式に更新される情報や修正の嵐に目を回しながら粛々と…。
とくに「働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)」は本当にありがたかった…!
Zoom・クラウドサイン・VPN関連の整備は一部助成補助を活用し、スピード感を持って対応することができました。
(3)ペーパーレス化へむけた闘い
さて全日本「毎日一定数届く封書を開封後スキャンして在宅勤務メンバーへ送る」連盟の皆さん、お待たせしました…!
そもそも紙って古代エジプトで発明されて以来、人類にとって最も古く、文明の発展を支えてきたメディアなんですよね。だからそもそも完全なペーパーレス化なんてそう簡単にできるはずがありません。人類の叡智へ最大級のリスペクトを送りながら、今日もあくなき紙との戦いは続きます(白目)。
■請求書の郵送をやめ、メール送付へ
毎月発生していた「封入業務」から解放!
※もちろんメンバーとクライアントへの告知・協力はマスト。
■FAX受信は複合機の機能を使ってメール受信
FAXも、なかなか根強い叡智の一つ。「お店のパソコンがネットにつながってない」「パソコン開くのが面倒」「メール分からん」などなど、人類がFAXを利用する機会ってまだまだ多いんです(白目)。Canonの複合機の機能を使用し、メールによる受信ができるように設定しました。
■FAXはe-FAXシステムを使ってオンライン送信
FAX送信のオンライン化については、月1,000円ほどで送信できるサービスを活用。このあたりはVPN接続によってより改善できる余地があるようなので、引き続き進めていく予定です。
■角印・認印のデジタル化
これ、難しくないです。「角印」と「認印」の印影をスキャンして、背景をPhotoshopで透過させて、PNGで保存しただけ。あとはPDFやワードで送られてきた書類などに画像挿入するという、デジタルなんだかアナログなんだかわからない方法です(笑)。
しかしこちらによって、業者さんとの取引周りはかなり電子化進みました!(今後も「角印押してスキャンしてメール、原本は郵送」という文化は積極的に手放していきたい…。
■クラウドサインの導入は大きな一歩
業務委託契約書や雇用契約書など、電子化できる契約書はすべてクラウドサイン(Cloudsign)で進めることに決定!
さっそく雇用契約書の更新周りはこちらで進めていきます。
先方都合でどうしても紙のやり取りが発生する分は致し方ありませんが、今後のペーパーレス化へ向けた大きな一歩です。
(4)VPN接続でセキュリティ確保
リモートワーク開始時には間に合わなかったVPN(Virtual Private Network/インターネット上に仮想のプライベートネットワークを立ち上げ、セキュリティ上の安全を確保したうえでデータをやり取りする技術)。
現在はオンプレミス(自社サーバー管理)&クラウドストレージを活用していますが、クラウドだと毎回ダウンロード・アップロードが発生してしまうこともあり、やや面倒…。この機会に、セキュリティ面の安全を確保しつつ共有にアクセスできるようなVPNソフトを人数分購入&サーバー容量を増設しました。
ただ、新型コロナの影響でどこもかしこもVPNを進めているようで、現在ソフトは入荷待ち。サクサクVPNが待ち遠しい!
(5)通勤復帰者に対してのガイドライン策定
5月14日の緊急事態宣言解除に合わせて一部リモートワークを解除し、業務に応じて出勤できるようにしました。その際に決めたのが下記のガイドライン。
●毎朝の検温実施
●マスク着用の義務化
●うがい、手洗い(アルコール消毒)の励行
●トイレを綺麗に使う
●オフィス内常時換気
●部外者の立ち入り禁止
●密集は避ける
ちょっと見にくいのですがご参考まで。
(6)就業規則、働き方のカタチを変更
リモートワークと同時進行で進めた大きな制度変更はこの2つ。
・原則全メンバーにリモートワーク導入
・原則全社員にフレックスタイム制導入
これに伴い、就業規則をリモート・フレックスタイム制に合わせて変更しました。また、フレックスタイム制に伴う打刻ルールの制定(ジョブカンを使用)や交通費精算方法など、こまごました業務フローも連動して変更。
地味ですが、会社の骨組みを変えるインパクトの大きい変化です。
一方で、リモート×フレックスという枠組みの運用についてはグループごとに推進しています。たとえば朝会夕会の実施や、業務報告のテンプレ化など。このあたりは、今後も引き続き全社横断でノウハウ共有していきつつ改善サイクルを回していきたいところ。
(7)寂しい…3つのオフィスを本社に集約
出社メンバーが極端に少なくなることもあり、福岡市内に3拠点あったオフィスを本社1拠点に統合することを決めました。
引っ越しの段取りを進めながら、オフィスでの懐かしい思い出をかみしめる毎日。残業中に意味もなくワーカーズハイになって先輩と天津飯の出前頼んだりしたなあ…
これまでも人数増加やニーズの変化に合わせて本社のレイアウト変更を何度か行ってきましたが、今回のテーマは「ソーシャルディスタンス」。
今後全員がオフィスにそろうことは基本的にないと判断し、各机・席の間をゆったり空けたフリーアドレス設計をしています。
ちなみにオフィスのレイアウトデザインは株式会社アドアルファさんというオフィス専門の設計事務所さんにお任せしています!「こんな働き方がしたい」というわがままオーダーにいつも応えていただき感謝。
最後に:まだまだあるある、やるべきこと
■入退社フローのオンライン化
雇用契約書や労働者名簿、あるいは退職届など、労務フローの多くをWordで作成→ExcelとKINTONEで管理→紙で原本保存というアナログな方法で管理していた弊社。これを来期(7月)までにはサイボウズさんのKINTONEですべてオンラインで完結できるよう仕組み化を急いでいます。
ちなみにサイボウズさんにはこんなパックもあるようです。
喉から手が出るほど欲しい。が、高い(笑)。そして、全体フローの中でどのように管理するかを抜きに安易に目先の解決策に飛びつくわけにはいかない。耐え忍び、慎重に自社にあったやり方を選んでいきます。
■組織の屋台骨となる目標・評価制度
リモート×フレックス×在宅/出勤者混合の会社における目標設定と評価の仕組みづくりは人事として喫緊の課題。
単なる制度作りだけでなく、現場を巻き込んだ運用までデザインし実践していかないとなあ、とつくづく思います。
働く場所がバラバラでも、自律して高い成果を上げられる会社づくりへ向けて、引き続き邁進してまいります!
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