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子供の容姿をいじることは大罪。25年恨まれる覚悟を。

私は小さい頃、ブスだった。
絶え間ない努力とお金、そして素晴らしいコスメ達やプチ整形、そして歯列矯正などで今でこそなんとかなったが、
子供の頃は紛う事なきブスだった。そして太っていた。

小さい頃の容姿に関する嫌な記憶は多々あるが、代表的な二つを上げるとすれば父親に「ちびブー」というあだ名をつけられたことと、
見知らぬ年上の小学生男子3人ほどに「黒ブタ」と言われた事だ。

幼少期のトラウマ

父親は、愛称としてちびブーと呼んでいたけど、私はそれがすごく嫌だった。

そしてもうひとつは、兄の剣道の試合を観に行った時のことだった。

家族から少し離れたところに座っていた私は、どうしても剣道というものの面白さが分からず、ただただボーッと体育館の扉の外を眺めていた。

その時近くにいた他の学校の道着を着た年上の男の子達の会話が聞こえたのだ。
その内容が面白くてこっそり笑っていた。しばらくしてそれに気付いた彼らが言ったのだ。

黒ブタが笑ってるぞ。

その時私は黒い服を着ていた。自分の事だとすぐに分かった。気付かないふりをして急いで視線を外へやると、

「ブタちゃんが外見てる」

文字では分かりにくいが、彼らの全ての台詞の後ろにはもれなく(笑)がついている。

当時私は6,7歳。
ものすごく、ものすごく、ショックだった。

その後両親のいる場所へ戻ったけど、やっぱり言えなかった。恥ずかしくて言えなかった。

でも悔しさは残っているし約25年経った今でもこうしてネチネチブログに吐き出しているくらいには恨んでいるし、もっと言うと定期的に思い出しては「はぁ〜〜〜あいつらどっかでのたれ死んでね〜かなぁ〜〜〜」と思っている。これはもう、トラウマの領域だ。

私の母親は美人だ。
友達にもしょっちゅう美人なお母さん、と言われていたし、大人になって旦那にたまたま母の若い頃の写真を見せた時も、やはり美人だと言っていた。

母は可愛いものが好きだった。フリフリのワンピース、くるくるパーマ、お洒落なヘアアレンジ、レースのブラウス、ピンクのドレス…
全て着せられたが、そのどれもが私には不似合いだった。

私を見た親戚なんかはみんな言っていた。

まぁ〜可愛い髪の毛!

周りから見ると実に滑稽だっただろうなと思う。全く顔と合っていないどころかますますブスが際立つのだから。

幼稚園の時、母がいつものように私の髪の毛を結び、頭に馬鹿みたいにデカいハイビスカスの飾りをつけた。いい加減にしろと思い抵抗したが、逆らえなかった。渋々ハイビスカスをつけて登園すると、幼稚園の先生に「わあ〜派手やねぇ〜!」と言われた。

帰って速攻抗議した。派手だと言われた!と。

すると母は笑いながら「それは可愛いねって事よ」なんて言ったが、幼いながらに分かっていた。

もし本当に可愛かったら「派手だね」とは言わない筈だ。可愛かったら可愛いと言う。それを言わないということは可愛くはないけど派手だね、ということだ。
トラウマレベルではないが、これもひとつ心に引っかかっているエピソードだ。

しかし幸い私には、私を全肯定してくれる祖母の存在があった。
泊まりに行くといつもお風呂上がりにはタオルで丁寧に顔を拭いてくれ、

あんたは本当にべっぴんさん、世界一かわいい、と呪文のように言ってくれた。

容姿に関するネガティブな出来事は多々ありながらも、祖母が毎回毎回そう言ってくれたおかげで私は自分をそこまで否定せずに育つ事ができた。本当に感謝している。もう亡くなってしまったが、今でも大好きだ。


何が言いたいかというと、容姿や性格などなんでも、その子に関する事はただの軽口であっても、その子の心を深く抉る事がある、という事。

息子は可愛い。とっても可愛いし、イケメンだ。たとえ他人や世間一般的にはそうでなくても、私にとっては世界一可愛くてカッコいい男の子なのだ。

だけど、可愛いから、我が子だからといって何を言っても許されると思ってはいけない。
子供は知能が低くて鈍感だから何を言っても大丈夫、こちらの悪意まで汲み取らないと思うならそれは間違いである。

私は今後も息子の人生の足枷になるような、不用意な発言はしないように気を付けよう。
変なあだ名をつけたり、容姿や性格をからかったり。

たとえ血の繋がった親子であっても、心の淵までは分からない。
何が彼の心を傷付けるかなんて本当のことは彼にしか分からないのだから。

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