レクリエーションのプロ、介護のプロ(福祉現場をレクリエーションで支援する人の書いたコラム)
私はカナダの介護施設やナーシングホーム、病院などでボランティアとして、レクリエーション活動などを援助してきました。その中で感じたことは、日本での介護がいかに“かゆいところに手が届く援助”を行っているかということです。利用者を想いやり、利用者の困っていることにどうにかして応えようとする姿勢は、世界一だと思います。
一方で、私たち援助者はレクリエーションや介護サービスを利用者に援助することを仕事としているプロであり、プロであるならば私たちは私たちの仕事を説明できることが必要であるということです。つまり、“転倒予防の体操ではどの筋肉を運動する必要があるのか?”、“風船バレーはどのような効果があるのか?”、“クラフトの援助で大切なポイントは何か?”などプロの援助者として、レクリエーション活動をサポートする際には理解して援助する必要があるということです。しかし、自分たちが行っているレクリエーション活動や介護の意義や効果といったことを説明できる援助者はどのくらいいるでしょうか
プロという言葉は、プロフェッショナルを略した言葉ですが、このプロの動詞形のプロフェスという言葉の意味の中に、「明言できる」、「説明できる」という意味があります。私たち援助者は、利用者やその家族にこのレクリエーション活動は何のために行っているの?とか、この体操はどういう効果があるの?と聞かれたときに、プロとしての説明ができれば、利用者や家族はきっとそのレクリエーション活動の重要性を理解してくれるでしょう。そしてその活動が行いたい内容であれば、利用者自ら進んで行うことになるではないでしょうか。これは介護でも同じであると思います。“なぜ食事の後のブラッシングが必要なのか?”、“なぜ入浴や排泄などの際、褥瘡を確認するのか?”など介護援助の理解も深まれば、利用者により良い介護を援助することができます。
また、これらの説明ができることは、援助に自信が持てるという効果もあります。私は世界一の想いやりにプロとしての意識が加われば、“鬼に金棒”のレクリエーション援助や介護ができ、より良い現場になること間違いなしと思っています。