キャリコン的、経営における「アート」と「サイエンス」論
お疲れ様です!
今日は山口周さんの著書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』を題材に経営における「アート」と「サイエンス」についてお話しします。
これからの会社経営のみならず、商品開発やマーケティング、組織論などを考える上で極めて刺激的であり参考になる素晴らしい本です。
著者の山口さんは大学で哲学、美術史を学び現在は組織開発のコンサルタントという異色の経歴です
この本の重要な二つの概念、一つは「アート」これは美術や哲学などが含まれます。もう一つの「サイエンス」この本ではMBA的なロジカルシンキング、分析フレームワークを指します。
不確実性の高まっているVUCAの現代においては、基本的知識としてMBA的なフレームワークはもちろん必要だが、それだけでは足りないといいます。
なぜならば、サイエンスとは汎用性、普遍性、再現性に優れている方法論であり競合他社も同じフレームを使うことで差別化ができなくなるからです。
そこで山口さんは経営において「アート」の重要性を説きます。
企業幹部向けのトレーニングプログラムに、美術を題材に「見る力」を組み込むプログラムが増えているそうです。
例えば、カラバッジオの絵画「聖マタイの召命」を見ながらそこで起きている事象や予期、感情などを語るプログラムです。
一見すると経営に関係ないように思いますが、欧米の幹部は美大の大学院のコースを受講するケースも増えているようなのです。
「見る力」を鍛えることで、イノベーションに繋げようという発想です。
Macbookがかっこいいというのはロジックだけではなかなか説明できない
山口さんは続けて、哲学、文学、詩に触れることを説きます。これはレトリックの力、時代に支配的な知の基盤を見通す力が鍛えらると考えられます。
私ごとですが、長年会社員として専門分野である事業開発をやってきた中ではMBA的な「サイエンス」が自分に染み付いています。一方で趣味としてですがアート、哲学、文学、詩が好きで関心を寄せてきました。
自分としては、企業クライアントに対し「アート」「サイエンス」に「キャリアコンサルタント」を加えて様々な提案をしていきたいと思っています。
キャリアコンサルタントは、人間の心や行動変容、キャリア形成のお手伝いをする仕事であり「アート」と「サイエンス」の両面が必要なのです。「アート」としては人を見る、感じる、共感するなど「お気持ち」要素、「サイエンス」としては分析する、概念化する、助言するなどの要素。
例えばキャリコンでは心理学の知見も重要ですが、心理学では心に寄り添う「お気持ち系」の分野に加え、行動科学やゲーム理論など「サイエンス」の知見も導入されています。
「アート」と「サイエンス」はどちらも大事です、この二つをつなぐものが「キャリアコンサルタント」なのではないかと信じて進んでいきたいと思いますす。
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