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ゴジラ全作レビュー&イラスト(9)『怪獣総進撃』

東宝としては本作で最後のゴジラのはず、、、でした、、、、しかし予想外に興行収入がよくその後シリーズは続くことになりました

ストーリーはこんな感じ

■国連により怪獣は小笠原の怪獣ランドに集められ管理されていた。
しかし黄色い毒ガスが発生し怪獣が逃げ出してしまった。月面探査船SY-3号を呼び戻し山辺艇長(久保明)に調査させる。
■怪獣ランドの大谷博士(土屋嘉男)と、真鍋杏子(小林夕岐子)はキラアク星人にコントロールされていた。ピアスに洗脳のための発信機が仕込んであった。キラアク星人は月の基地から妨害電波を出し怪獣ランドを制御不能にしていた。怪獣がNY、パリ、モスクワ、東京、各地に現れ街を破壊
■決戦の舞台は富士山麓、この一体はキラアク星人の領土を宣言していた。月面の発信装置を山辺艇長らは停止させた。今度は人類が怪獣をコントロールできる。しかし宇宙怪獣キングギドラは人間が制御できなかった、ゴジラ、アンギラス、モスラ、ミニラ、ラドンなどがキングギドラを総攻撃する


福田監督が2作続いた後、本多猪四郎監督復帰第一弾!
怪獣を島から出ないように管理する発想はジュラシックパークの先駆けとも言えますね。
ただまあ、ゴジラが管理されて島から出ようとしても有害な物質でガードされてスゴスゴ戻るとかどうにも地味な冒頭がなんとも、、、
管理されたゴジラというのはどうもなあ、、

本多監督復帰作にしては熱量が足らない、怪獣の数は多いけども盛り上がりにかけるのは否めないです。
前作『ゴジラの息子』の観客動員が振るわず、東宝としてはこの『怪獣総進撃』でシリーズ終了という決定だったらしいのでモチベーション低めだったのか、、、一旦シリーズが終わるということでキングギドラは死ぬのですが、なんかイジメのような悲惨な最後だったな、、、

それにしてもキラアク星人の勝手な侵略ぶり、いきなり富士山麓一帯は自分の土地にするので抵抗するなら怪獣で攻撃するぞってメチャ粗いストーリーで、流石に極悪すぎてリアリティないなと思ったら、今の某国そのまんまじゃん、、、

特撮ファンの中で根強い人気を誇るムーンライトSY-3号は流線型でカッコいいです。ロケットかと思いきや地球では飛行機のように水平にも飛べるという多機能な船なのです。
ただ予算の問題か、船内の操縦席とかがいかにも安い😅
『2001年宇宙の旅』が同年1968年だからあのリアルな映像見ちゃうとどうしても比べてしまうなあ

ゴジラシリーズというのは良くも悪くも日本の戦後を表しています。
経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言されたのが1956年、初代ゴジラの2年後です。
1968年の本作の頃は、原水爆の恐怖なども人々の意識から遠のいていたでしょうね。ゴジラのコンセプトもどんどんエンタメ寄りになってきます。また人類にとって厄災だったゴジラが本作では人類に飼いならされています。
高度成長で海外旅行ブームとか、公害問題とか、女性の管理職とかバブル経済とか日本の現代の歩みを都度都度反映しているのがゴジラシリーズと言えるでしょう

ではでは



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