vol.13 体の老廃物って、なんだろう?
「老廃物」と一言で言っても様々なものが存在します。老廃物とは、そもそも総称です。身体の代謝によって生成された物の中でも“不必要なもの”として、定義づけられています。例えば、古い角質、アカ、尿酸、腸内細菌の死骸、クレアチニン等、様々なものがあります。これが尿、便、汗などによって体外に排出されていくのです。
排出を担う大きな機能が、腸によるもの、リンパによるものとに大別することができます。リンパと聞くと、何をする機能なのか、よく分からないという印象をお持ちかもしれません。
リンパ液がリンパ管という血管のような管の中を流れています。血管とリンパ管は別々に走行しており、リンパ管は身体の隅々まで行き渡っています。自ら収縮してリンパ液を流したり、同時に、組織液を吸い上げるポンプ作用を備えているなど、リンパ管は近年の研究結果から、リンパ管そのものが独自に動いていることが明らになってきました。
“自ら収縮してリンパ液を流す。”
これは、心臓が収縮して血管の中に血液を送っているのと同じですよね。
リンパ管の壁は薄く、性質として、血管の中には入っていけない大きな物質も取り込むことが出来ます。そのおかげで、血液に流れ込んではならない有害なものも取り込み、外へ排泄してくれる機能を持ち合わせているとも言えます。
そして、全身から老廃物などを集めたリンパ液は一方通行で流れていって静脈と繋がるポイントで血液に注ぎ込みます。
老廃物や異物、ウイルスを含んだまま静脈に?? それを防ぐ為に「リンパ節」が各所に存在し、ここでマクロファージといった免疫細胞が異物やウイルスを攻撃して貪食(食べてくれる)してくれるという仕組みになっています。扁桃腺などが腫れたりするのは、この免疫系統が働いてくれているからであり、無理に薬などで腫れを取るということは、実は、免疫系統の働きを邪魔することになります。
薬の多量摂取についての必要性や課題についても、今一度、患者側である私たち一人ひとりが考えないといけませんね。これは、現代を生きる我々の重要テーマだと私は捉えています。
血液は腎臓に運ばれて濾過されて不必要なものは尿へ。再利用されるものは再び戻っていく。老廃物が運ばれる経路のゴールは、腎臓です。この重要な臓器が透析が必要なまでに機能低下した場合、健康に生きること自体、理論的に難しくなってきます。
ですから、一人ひとりが身体の機能を充分に理解した上で、健康への意識、または問題意識を持ち続けたいですね。