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リハビリ医療における臨床倫理 | 学習のポイント

最近は、公衆衛生(社会全体の健康のために!)の実践を頑張っているジローです。

コロナが5類になったタイミングで、方々から依頼が来るようになりました。ありがたいことです。

この流れに合わせて、急ピッチで「臨床倫理学」の学習に力を入れています。


‖  なぜ、このタイミングで「臨床倫理学」の習得に力を入れたか?


私に期待されていることは「公衆衛生」
すなわち「公衆」=みんなの
    「衛」=まもる
    「生」=生活・生命(健康)なので

今までのような、マンツーマンの理学療法の提供より「みんな」=『集団』を意識せざるを得ません。


実践していくにあたっては、今までのような個別対応より、
計画段階のうちに、十分な倫理的配慮が重要と考え、本棚にあった医療倫理学の本数冊を復習しています。

臨床倫理学を勉強する時間が取れない方に向けて、私が勉強した内容をシェアします。


‖ とはいえ、 倫理とか、正義なんて簡単


倫理的なジレンマが生じた時、どのように考えるか、行動するか

多少感情が振れたとしても、実は、個人の中では答えは決まっているんですよね。

実際に判断を下して行動していますよね。
(「行動を起こさなかった」、「無視した」も判断した行動なのですから)

なので、あまり考える余地は無いのかもしれません。その点で「簡単」なんです。



‖  臨床倫理が難しいのはなぜ?


倫理とか正義の難しいところは、
その個人が持っている倫理観・正義感が「社会」に入ると、様々な考えの人がいますので、思いがけず(悪気なく)大喧嘩になってしまうことです。

ヒーロー VS 悪役があるわけではなく
どちらにも正しい倫理があるのです。

行う実践は、何もかもではなく、幾らかの対策に絞らなければなりません。

使えるお金・資源も限りがあります。

「みんな」の健康のためには、できるだけ公平な視点が必要です。



‖  公平な視点を持つために重要な取り組みとは?


公平な視点を持つために、赤松 朗(編) 入門・医療倫理(1)では以下のような方法が紹介されています。 

①想像上の立場交換をしてみる

想像を働かせて、他人の立場に立った場合のことを考えてみる

もし私が、倫理のケースに当たっている職員だったら

もし私が患者だったら

患者の家族だったら


②ダイアローグをする

実際に他者と対話するという方法であり、自分の倫理判断に不当な偏りがないかどうかや、事実認識における誤りがないかよくチェックする

①、②を実施し、どの立場に身を置いても同じ倫理的判断が支持されれば、その倫理的判断は公平と言える。

赤松 朗(編) 入門・医療倫理(1)から重要箇所を抜粋


倫理においては、特に自分の独りよがり(独学だけ)ではなく、

他者としっかりディスカッションをすることや、
その道に詳しい人との話し合いの中で醸成されていくものなのですね。


喧嘩ではなく、倫理学という体系の中で、ルールを持って戦わせることで
(ただの殴り合いでなく、ボクシングというスポーツの中というイメージ)
より良い臨床判断ができると思っています。


同書では、倫理理論を学ぶと良いこととして以下を挙げています

この状況で何が倫理的問題なのかを明確にしてくれる

倫理的問題の理解を促進してくれる

ここの判断や行動を正当化するための根拠を提示してくれる

直観レベルの判断が本当に正しいかは理論レベルで反省してみるとより良い気づきになる
(直観と理論のすり合わせ)

赤松 朗(編) 入門・医療倫理(1)から引用


直観も大事ですが、理論もしっかり復習してより良い決定ができる40代を目指したいです。


数々の医療倫理に関する本を読みましたが、一番読みやすく、タメになった一冊です ↑


追記:本を読み返してみて


比較的若い時に興味を持って買った本たちが、
その時に読みきれなくても、また自分自身の知識が増えていたり、環境が変わることで、より深く読め、新たな発見に繋がっています。

GWに本棚を掃除したのが良かった!

なるべく流行りに左右されない本を揃えていると思います。
でも、多くなりすぎて捨てようかなとも思ったんですよね。
今までの、自分への自己投資の証として、本は大切にしていこうと思いました。


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