[社員インタビュー]苦手に向き合い、事業を作り込むことが、未来の手触り感と幸福感につながる
社員インタビュー企画、「社内の声」の第1弾として、岡内雄紀さんに、リープラに入社するまでの経緯、現在の業務やそこでの葛藤、そしてこれからの展望についてお聞きしました。
──まず、岡内さんがいつリープラと出会って、どういう経緯で入ったのかっていうところからお聞きしてもいいですか?
岡内:2019年の秋から、約5年程、リープラに関わっています。きっかけは、知り合いからの紹介でした。これまで私自身が積み重ねてきた問題意識を、もっとも体系化して実践している会社に出会ったという驚きがありました。
人の心を理解しながら持続的発展を遂げる組織を作りたい
──ぜひ、その背景や問題意識からシェアしてもらえますか?
岡内:私は四国の出身で、親族の多くは地元で良いキャリアを築くという価値観を信奉していたように思います。私は反発して、そこから抜け出したいという気持ちがあって大学から東京に出ることができました。ただ、その時期は就職氷河期の真っ只中で、日本全体が経済的に厳しい時代でした。
そのため、大企業のサラリーマンとして生き生き働くイメージが持てませんでした。一方で、学生時代はダンスに夢中になり、生きる実感を持つことができました。当初はダンスの先生になって、多くの人が持つ潜在的な可能性を身体表現の中で発揮できる仕事をしたいと思っていました。ただ、その夢は断念せざるを得ず、その後、縁があって事業再生や大企業の変革を支援するコンサルティング会社に入社しました。
そこで約10年、事業再生や大手企業のM&Aに携わりました。仕事内容に関しては、ダンスの時に感じていた「人の可能性に触れる」喜びを仕事を通じて実践できている喜びがありました。
しかしながら、こういった事業が変革を迎え、新たにビジョンや戦略を掲げても、それを受け止めて邁進する社員の方たちがいる一方で、そうではない人たちも多くいることに直面しました。
同じ情報でも解釈は人それぞれです。本当に変革を成し遂げるには、一人一人の心を理解することが重要だと感じ、そんな時に心理学、特に成人発達理論に出会いました。人の認知バイアスや心の発達度合いが解釈の仕方のばらつきを産み、結果として事業や組織に影響を与えるので、人の内面をちゃんと向き合いながら事業や組織を作っていかなければと感じました。
次第にそういった、人の心を理解しながら持続的発展を遂げる組織を、第三者として関わるのではなく、自分自身がリードして作っていきたいと思い、スタートアップに飛び込みました。
その後、スタートアップで、実際にやってみると全く簡単ではなかったんですよね。 むしろ自分の思いと、それを実践するスキルが全く足りず、ただ組織を振り回すような形になってしまいました。心で分かっていても、収益を出すことと、長期的に組織や人に関わっていくところの時間軸の差分みたいなものを上手くマネージメントできずに苦しみました。
その後、この問題意識を持ちながらもどうしていいか分からず悩み抜いたときにMBAの選択肢を知り、入学しましたが、このような人の内面と戦略、組織、イノベーションなどを横断的で複雑なテーマは大学院でも研究することは、あまりに広く難しいことが分かりました。この問題意識はそもそも持っていてはいけないのか、私はちょっと頭おかしいんじゃないか、と思っていた時に、リープラと出会いました。リープラの実践内容はまさに私が追いかけていたものと合致しており、とても嬉しかったことを覚えています。
自分を曝け出し、実践していく
──岡内さんが向き合っていることや、テーマの変遷についても教えていただきたいです。最初はどのようなところからスタートしたのでしょうか?
岡内:入社当初は、投資先担当として、その人のらしさ探求などを担当していました。そして「社会と共創する熟達」のコンセプトが具体化するにつれて、いかにインターナルメンバーが実践し、その実践する姿を起業家に晒していくかが一人一人に課されていきました。
実はこの時、強い恐怖を感じていました。というのも、私は元々、自分がありのままで無邪気に行動すると、相手に迷惑をかけてしまうとか、受け止めてもらえないという囚われが強くありました。このような特性上、何かを進める時には、自分の素直な意見は控えて、既存の理論や考え方に依拠することで、自分を確立させることが多かったのです。
リープラは、実践と支援を切り離さないことを大切にしており、一人一人が自ら実践しそこで得た身体知を持って伝えること、それが途中だったしてもその実践を通じた葛藤を含めて曝け出すことを軸としています。
こうなると私は自分の実践が全く不十分で「スカスカ」でした。それがバレてしまうのが怖くて、理論をうまく語れるようにならなければならない、必死に隠そうとしていました。
──なるほど、そのような変遷の中で現在はどのように実践されているのですか?
岡内:私は、リープラと新規に関わる人達とマーケティングやソーシングという役割での関わりを通じて、その方々がリープラのアプローチを知り、自分の考える社会課題に対して、自らを変容させながら学びながら実践することの理解や動機づけることを、実践領域としています。
この取り組みを、他人のケースやリープラの概念のみで伝えるのではなく、私自身の等身大の実践を話し、伝えていくことを重視しています。自分を曝け出すことで、リープラの「社会と共創する熟達」を知ってもらい、やってみたいと思ってもらえるようになることです。
リープラでは、事業上の圧倒的な成果を、自分のもっとも苦手とすることに向き合い、自己の変容を果たさないと達成できな形で目標設定します。
私自身にとっても、何より自分が変わることで成果につながっていくという感覚を得られています。これは人生初の体験ですね。
目の前のことに向き合うことで、日々の仕事が楽しい
──最後に、今までの岡内さんの学びや成長についてお伺いしたいと思います。
岡内:お話しした通り、私はこれまでは自分の立ち位置を築く過程で、自分独自の視点で情報を編集し、そのような情報を武器にしてユニークなポジションを確立してきました。その過程で、相手に何かしらの価値を提供してきたと思い込み、それによって自分の立ち位置を築いてきたと認識しています。
そのため、自分が何者でもないとを思って、自分のできていないことを曝け出したり、素直に思ってることを吐露したりするっていうことをやったことがなかったんです。
そうして、理論やアプローチなど、他人のものを封じられると、自分には何も話すものがなくなってしまう。自分の話をしても、興味すら持ってもらえないのではないか、こんな恐れがありました。
実際に、曝け出すことを始めた時は「その話が私にとって何の意味があるんですか?」と返されることも多く、イヤイヤでたまりませんでした。
──その葛藤をどう乗り越えていったのですか?
岡内:時間をかけながら徐々に変わっていきました。
ある時は、曝け出すことの意味を感じず、むしろ深夜になって次の日の起業家とのミーティグへの恐れが急に高まり、これまでのやり方にすがって、過去の音源を聴いて事例を出したり、それっぽい解決策を出したりできないかって考え続けて朝が来る、という状況になり、かなりヤバイところにまできたこともありました。
ただ、それをやっても同じことの繰り返しであり、無意味であることを徐々に理解していったんですね。
実践していない空っぽの奴が、頭で作り上げたその場しのぎのソリューションを提示してもしれています。そんなことをやるんだったら、自分の一番恥ずかしい、どうしようもない部分を伝え、それに自分自身が向き合うところを見せる。
最初は本当下手すぎる自己開示をしていたんですが、徐々に私自身の体験を話すことで、「自分にとってはどうなんだろう?」と相手に自己探求・向き合いへの興味や問いを持ってもらうことができたことがありました。
そういったちょっとした体験から、やっぱり自分が経験し、「身体知」になったものしか相手には伝わらないことが分かってくる。とすると、もっと自分が実践するしかない。もっと自分に向き合って、目の前の活動をしっかり作り込み、その過程で自分を変化させていくしかないと思うようになりました。
とはいっても、2歩進んで3歩下がるような感覚です。
やればやるほど自分の癖に気づき、もう嫌だってなって落ち込み、またふと自分のライフミッションを踏まえて、これは統合できる機会なんじゃないかと思って実践してみる、そしてちょっと喜びを感じる、こんなサイクルを繰り返しています。
ただ、ほとんど葛藤という名の、自分の苦手なことを直視したくない気持ちからの回り道ばかりですが。。
──今の岡内さんの学びや変化を表現するとどうなりますか?
岡内:「毎日が楽しい」という感覚に変わりました。意外にも自分が最も避けていたことに飛び込んだ先には、「楽しさ」がありました。
以前は、未来に向けて自分が「こうなれる」のではないかを追い求め、今の自分を否定しがちでした。ですが、現在の自分が苦手な部分に向き合い、自分を開いて、日常の活動に集中することで、目の前のことが楽しくなり、日常に喜びを見出すことができました。
そうすると、不思議なことに、日常と切り離して遠い未来を闇雲に追いかけていた感覚から、日常の一つ一つの行為が充実し、多くのインサイトや学びを得られ、その現実の手触り感がしっかりとあることで未来の展望がより幅広に描くことできる感覚が持てるようになりました。
──だんだん開かれていく方が楽しいという状況で、岡内さんの変化とその人、組織、社会の変容がどう繋がっていくのかというイメージはありますか?
そうですね。先ほどの通り、以前は社会を変容させるためには、未来の自分に向かって現在の自分を否定し、今までのやり方を強化学習しながら進もうとしていました。その結果、自分も組織も窮屈に感じることが多かったです。
しかし、現在は目の前のことに喜びを感じるようになり、さまざまな人たちの関係も変わっていっていると感じます。結局、全部、自分が起点なんですね。社会との関わりも、自分の見方に過ぎなかったことに気づき、それを時間軸に当てはめていくことで、より近づいていると感じています。
編集後記
岡内さんのお話で一番印象的だったことは、今の自分を否定せず、現在の自分が苦手な部分に向き合い、目の前の課題に集中することによって未来に向けて少しずつ進んでいる状態に幸福を感じている点です。自分のできないことを曝け出しながら学んでいくという学習のオープンさは弊社が大切にしている考えでもあります。このような組織に少しでも興味を持ってくださった方、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう!
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文責:杉本奈穂