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▶︎番外編:展示会を行脚した2日間。

5/12〜13の2日間に渡り、東京ビックサイトで開催された4つの展示会に参加してきました。

■ 総務・人事・経理 Week『働き方改革EXPO』他
■ Nex Tech Week『デジタル人材育成EXPO』他
■ EDIX 東京(教育総合展)
■ Japan Sports Week

当初は『働き方改革EXPO』を見に行く予定だったのですが、デジタル人材の育成や教育産業は今後の就労環境に大きく影響する分野ですので、見ておいた方が良いのではないか?と思い参加することにしました。

また、私自身も2年振りに参加するリアルで開催された展示会でしたので、各展示会の熱量を肌で感じて「どのような商品サービス(企業)が盛り上がっているのか?」を体感したいというのが最大の目的です。

今回は、各展示会に参加して感じたことを非常にざっくりですが記事にしようと思います。
ようやくリアル展示会が開催されるようになってきましたので、今後開催される展示会への参加検討に参考になれば幸いです。


■ 働き方改革EXPO(総務・人事・経理 Week


ワークプレイス環境に大きな影響を与えた新型コロナウィルスによる行動制限が緩和されつつある中で、コロナ禍以前から議論されている経営課題に対する様々なサービスが展示されていました。
これらを大きく分けると3つに分類できると思います。

① デジタルツール活用(特にSaaS)による生産性向上
② 人材獲得(リクルーティングと福利厚生や健康経営)
③ 上記の戦略を有効活用するためのオフィス(不動産)戦略

①については、インターネット・クラウドを活用した労務負担軽減や属人化・占有化しやすい情報や知見を戦略的に共有するサービスの数々が展示されていました。
私もオフィス関連産業に身を置いている人間ですので、出展されている企業の皆様が自社のサービスをどのようにプロモーションされているか?は常に関心を持って見てきましたが、今回の展示会は「WEBプロモーションではリーチできない(できなかった?)ユーザー層向けの展示」という印象を受けました。人事総務関連に身を置く方で、今回展示されていたSaaS系サービスやソリューションを知らない方がいるのか?というのが正直な感想です。

逆に、SFAやCRMで大きなシェアを持つS社さんや、グループウェア市場で勢いのあるC社さんなどは出展しておらず、ユーザー獲得にしのぎを削るSaaS市場の営業戦略の違いを感じました。

②については、デジタル化されたタレントマネジメントツールの他にも、社員向けのコミュニケーションツールやアプリを活用した健康管理ツールなどが展示されていましたが、三井不動産さんの『&well』はアプリが物凄く良くできていて面白かったですし、大手不動産会社さんが「ビルグレードや立地条件」以外の部分でユーザーエンゲージメントを高める企画やサービスを展開している点が不動産戦略的にも興味深い印象でした。

③については、私が提唱している『LaaS』にもつながる部分なのですが、普段の総務系展示会よりもオフィスデザイン会社さんの参加数や熱量が高かった印象です。
施工事例やデザインサンプルだけではなく、オリジナル開発商品や「これをオフィスに設置するのアリなの?!」と思わせる尖った企画を展示しているオフィスデザイン会社さんもあり、非常に盛り上がっていたのではないでしょうか?
(取引のあるオフィスデザイン会社の担当さんに伺ったところ、非常に多くの方に来訪いただけて物凄く手応えを感じられたそうです。)

また、野村不動産さんが『H1T』を大々的に展示していたり、オフィス戦略や「オフィスの在り方」自体にも多様性の波が大きく押し寄せていることを感じさせられました。

セミナーも多数開催されていましたが、、
正直「いつもの方々がいつもの話をしている。。」という印象を持ってしまいセミナーには申し込みませんでした(主催者の皆様、すみません。)が、逆に言えば「まだまだ啓蒙が足りず、伸び代に溢れている働き方改革ソリューション市場」とも言えるのではないか?と感じます。

私ももっと頑張らないといけないですね。。


■ デジタル人材育成EXPO(Nex Tech Week


今回参加した4つの展示会の中で、最も発見が多く面白かった展示会です。

Nex Tech Weekは、AIや人工知能、量子コンピューティングやブロックチェーンに関する展示会(私にとっては完全に専門外の分野です。)が中心なのですが、デジタル人材育成は日本の社会課題とも言えるので、どんな取り組みがされているのか?非常に興味がありました。

正直なところ、私自身は「企業がデジタル人材育成を自力で行う事は、ほぼ不可能」だと考えています。
その理由は、そもそも「デジタル人材を教育できる人材」が居ないのに加え、「デジタル人材を評価する仕組み」をノウハウとして保有している企業もごくごく僅かだからです。
そのため、「デジタル人材育成」はおろか「デジタル人材活用」においても完全なBPO市場になると思っていたのですが、今回の展示会でその考えが少し変わりました。

パーソルさんはグループで展開する複数のサービスを同時展示されていましたが、中でも『WORK SWITCH + DIGITAL』は、DX自体を「プロセス(仕事のやり方)」「ワークスタイル(働き方)」「ビジネスモデル」の3つに分類し、それぞれに即した教育プログラムが組まれいてるだけでなく『経営層向けの研修』がメニュー化されている点が素晴らしいと感じました。
やはり経営層のコミットメント無しに人材育成や人材活用(人材に限らず、全ての経営資源に言えることですが。)は成し得ないと思います。
パーソルグループさんはシンクタンクも保有しているので、様々なデータを活用した深い教育サポートを受けられるのではないでしょうか?

また、ベネッセさんが展示されていた『Udemy Business』。
社内研修向けのITスキルオンライン講座プログラムですが、定額制学び放題の形式でさまざまなスキルを能動的に学習できる仕組みが内包されており、何が驚きかというと値段が安い。。
(企業向けオンライン講座ってこんな値段だっけ?と一瞬戸惑いました。)

全社一律ではなく、新卒の教育プログラムや新規事業開発など、特定の部門から導入するような方法で気軽に始められる価格帯ですのでオススメです。

そして、私自身が勉強不足で知らなかった『G検定』。
人工知能やディープラーニングを社会実装し活用するジェネラリストを目指す検定で、最近ではキャリア採用の選考でG検定資格保有者は無条件に近い形で採用するという企業も増えているようです。
また、SMBCグループでは新卒研修の中にプログラムとして組み込まれているようで、デジタル人材の育成・採用において非常に重要なポジションを確立しているように感じます。
(私も受けてみようかと、少し本気で考えています。)

同時に『E資格』というエンジニア向けの資格もあります。
やはり新しいテクノロジーの戦略的活用と社会実装には「高い企画力」と「高い技術力」が不可欠という事ですね。


■ EDIX 東京(教育総合展)


教育産業は今もっとも「改革」が必要だとされている産業ですし、私が関わるワークプレイス(就労環境)改革の遠因とも言える産業ですので、現状と伸び代を把握する意味で参加しました。

非常に気になったのが、展示会に参加しているユーザーのビジネスリテラシーが「働き方改革EXPO」に参加しているユーザーと非常に大きな乖離があるように感じたことです。これは構造改革やDXを進めたい教育産業にとっては、ITリテラシー以前の問題のようにも感じます。
「ハードに依存した課題解決」という表現をしてしまうと、教育関連以外の多くの産業でも同様なのかと思いますが、この展示会では特に顕著に感じました。
当然、出展する企業側もそうしたユーザーをターゲットに出展企画をすると思いますので、展示自体の内容も『モノ主体』になってしまうのかと。。

GIGAスクール構想」の実現など、教育×ITにおいてはICT活用以上に教育システム全体の見直しが必要だと感じますが、そういったソリューションを提供している展示を見付けることは出来ませんでした。
(時間の都合上、全ての展示を細かく見れた訳ではないため見落としているだけかも知れませんが。)

ただ、日本マイクロソフトさんが展示会場で限定配布していた資料は、教育現場の課題が私のような門外漢でも理解できる分かりやすさで体系的にまとまっており、非常に勉強になりました。

先にご紹介した「IT人材育成EXPO」で紹介されていた数々のソリューションは、教育産業への進出や産学連携のような体系を目指しても良いのかも知れません。


■ Japan Sports Week


この展示会には、半分以上「興味本位」で参加しました。
私自身が地域のソフトボールチームの運営(監督)をしていたり、我が子たちがスポーツの世界で頑張っているので、スポーツ産業の現状を見たいという思いです。

こちらは展示会自体の規模も小さく、出展企業もグッズや施設向けの商材(人工芝やスポーツ施設資材など)が中心でした。

その反面、映像系のソリューション(マルチアングルカメラ)が人を集めていましたので、スポーツ産業もチケット収益・グッズ収益モデルからファンビジネスやエンターテイメント産業に移行しようとしてるのを感じました。
また、スポーツを通じた地域振興(合宿所や練習施設などの誘致)を図りたい地方自治体も数県出展しており、展示会の規模こそ小さいものの「今後、ビジネス面の伸び代は凄く大きいのではないか?」と感じました。

私が唯一企業名を知っていた出展企業のYappliさん。
凄く良い意味で目立っていましたね。
鹿島アントラーズとのパートナー契約も記憶に新しいですが、今後はスポーツ産業のDXも様々な形で進んでいくと思いますので、注視していきたいと思います。


■ 最後に(まとめ)


2日間に渡って4つの展示会を回るというのは人生初のことでしたが、結果的には非常に多くの発見と気付きがあり、非常に有意義な2日間でした。
各展示会の雰囲気ひとつ取っても、それぞれに独特で「各業界の雰囲気」を感じ取るには十分でした。
また、たくさんのご縁に恵まれたことにも感謝しております。

逆に言えば、それぞれの展示会(産業)が情報を共有しイノベーションや新規参入の機会をもっともっと創出できるチャンスがあっても良いのではないか?とも感じました。
(展示会主催者の側からすると、運営の便宜上「産業」というカテゴリーで分類するのが最適だとは思いますが。)

秋の展示会シーズンや来年に向けて、各産業に関わる皆様の更なる発展を飛躍を期待すると共に、私自身もその一助となれるようもっともっと頑張りたいと思います。

最後になりましたが、、
全ての展示会にご出展された企業の皆様、3日間本当にお疲れ様でした。
ご縁あってお話しをさせていただいた出展企業ご担当者の皆様、ありがとうございました!



今回も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
記事の一部でも皆様の参考になれば幸いです。


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