見出し画像

短編小説 : かいじゅうのカレー

『かいじゅうのカレー』
第1章 カレーの秘密
ある町に、タケルくんという5歳の男の子が住んでいました。タケルくんはカレーが大好きで、毎日食べても全然飽きることがありません。お昼ご飯がカレーの日は、学校から帰るとすぐに台所に駆け込み、ママと一緒にカレーを作ります。そのカレーの匂いだけで、町の人々も「タケルの家のカレー、今日はどうだろう?」と立ち止まるほどでした。
でも、今日はちょっと特別なカレーを作りたかったのです。「もっとおいしいカレーを作ろう!みんなが驚くくらい、特別なカレーを!」タケルくんは心の中で決めました。
タケルくんは、家の中にある食材の中から、普段は使わないようなものを集めました。まず、カレーのルーには「魔法のカレールー」を使うことにしました。それは、ちょっと不思議な香りがする特別なルーで、タケルくんの祖父が大切にしていたものでした。次に、野菜も特別なものを選びました。光るニンジン、虹色のジャガイモ、そして、金色に輝くタマネギ。
「これで決まり!」タケルくんは、嬉しそうに鍋をかき混ぜ始めました。どんどん鍋から香りが立ち、周りの空気まで少しずつ温かくなってきました。
そのとき、タケルくんは一つのことを思い出しました。「魔法のカレールー…もし本当に魔法のカレーができるなら、ちょっとワクワクするかも!」
第2章 カレイモンの登場
カレーが煮えていくうちに、鍋の中から不思議な音が聞こえました。「グツグツ、ブクブク…」音がだんだん大きくなり、ついには大きな音が鳴り響きました。タケルくんはびっくりして鍋を見つめました。
その瞬間、鍋から白い煙がモクモクと立ち上がり、カレーの香りがますます強くなりました。タケルくんは後ろに少し下がりましたが、驚くべきことが起きました。
鍋の中から、なんと、カイジュウが飛び出してきたのです!大きくてふわふわとした体、ピカピカの目を持ったカイジュウは、「おおおお…!」と大きな声を上げながら、ゆっくりと地面に降り立ちました。
「こんにちは!」カイジュウは、にっこりと笑って言いました。「私はカレイモン。君が作ったカレー、とってもおいしそうな匂いだね!」
タケルくんは、驚きながらも興味津々で聞きました。「えっ、君…カイジュウ?」
「そうだよ!」カレイモンは楽しそうに言いました。「私はカレーを食べるために、この世界に来たんだ!君のカレーがとってもおいしそうだから、どうしても食べたくてね!」
タケルくんは、カイジュウがカレーを食べるために来たなんて信じられませんでしたが、その純粋な言葉に少し心を動かされました。「それじゃあ、一緒に食べよう!」
第3章 カレーの大パーティー
タケルくんとカレイモンは、カレーを食べることにしました。カレイモンはあまりにも大きな体をしているので、スプーンやフォークでは食べられません。「うーん、スプーンじゃ小さすぎる!」とカレイモンは言って、巨大な手で鍋をぐるりと持ち上げました。
「うわっ!鍋ごと食べちゃうの?」タケルくんはびっくりしながらも、少し笑いました。
カレイモンはにこっと笑って、「だって、カレーはこうやって食べるんだよ!」と言いました。タケルくんも、カレイモンのペースに合わせて、一緒にカレーを食べ始めました。
そのうち、カレイモンの食べるスピードに追いつけなくなったタケルくん。カレイモンは鍋をひっくり返して、カレーをまるで川のように飲み込んでいきました。その光景を見たタケルくんは、「すごい!カレイモンは本当にカレーが好きなんだ!」と驚きました。
そして、タケルくんが食べ終わる頃、町中にカレイモンの食べたカレーの香りが広がり、どこからともなく他のカイジュウたちが集まってきました。「カレーだ!カレーだ!」と、みんなが笑顔で駆け寄り、次々と食べ始めました。
「これがカイジュウのカレーパーティーか…!」タケルくんは笑いながら言いました。カイジュウたちはお腹いっぱいになるまで食べ続け、その後、町中はカレーの香りに包まれました。
第4章 思いがけない問題
だんだんと、食べ過ぎたカイジュウたちがうとうとし始めました。カレイモンも大きなあくびをしながら、「うーん、ちょっと食べすぎたかも…」とつぶやきました。
その時、タケルくんは気づきました。「カレイモン、大変だ!カレーが足りないよ!」
カレイモンはびっくりして、「えっ!?まだ食べ足りないのか?」と言いました。町中のカイジュウたちも、まだまだお腹が空いている様子で、次々と「もっとカレー!」と叫びました。
「どうしよう…!このままだと町がカレーだらけになっちゃう!」タケルくんは慌てました。
でも、タケルくんはひらめきました。「そうだ!もっとカレーを作ればいいんだ!」
タケルくんは急いで家に戻り、冷蔵庫にある食材を全部使って、さらに大きな鍋でカレーを作り始めました。カイジュウたちが待っている間に、タケルくんは一生懸命にカレーを作り、ついにはみんなを満足させることができました。
第5章 カレーの後
カレイモンと他のカイジュウたちはお腹いっぱいになり、満足そうに町を歩いていきました。「ありがとう、タケルくん!君のカレー、最高だったよ!」カレイモンは嬉しそうに言いました。
「次に会うときは、もっとおいしいカレーを作るね!」タケルくんは笑顔で答えました。
そして、カレイモンたちがどこかへ行った後、町には静かな夜が訪れました。タケルくんは、あの不思議な一日を思い出しながら、「またいつかカレイモンとカレーを食べたいな」と心の中で思いました。
それから、タケルくんは毎日、新しいカレーを作る日々を送りました。次はどんなカレーを作ろうか…その時、また新しい冒険が待っているかもしれません。



いかがでしたでしょうか?
また小説、短編小説などを上げていこうと思うので、ぜひ他の小説、短編小説も見てみてください!
フォロー、スキよろしくお願いします🙇🙏
最後にダジャレを1つ
焼肉は焼きにくい(、、、、、)

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集