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認知症の気持ちを知ると何が変わるの?②
前回は中期のころまで書いたかと思います。
今回はその続きです。
さて、認知症をもち、時間が経過していくごとに少しずつ進行してしまいます。人によって実感してしまう、実感できない程度にうまく付き合えている、手に負えなくなってしまった。様々な状態の方がいるでしょう。
一つ質問です。
「認知症の方は様々なことが分からなくなっているのでしょうか」
以前、痛みの訴えがないので、手術後に経過が良好だとされ鎮痛薬の頓服など使用されずに経過されている方が居ました。
果たして、そうなのでしょうか。
私はその人ではないので、おそらくという言葉になってしまいますが痛みは感じていました。そのため、せん妄症状が出てきたり、BPSDと思われる症状が出ていました。
今回はこのあたりからの記事になります。
中期のあたりになてくるとBPSDが頻出してきます。
始めは何かをしたいと思って考えたのに、途中で忘れてしまった。
いつもの道を歩いているはずなのに、自分がどこにいるのかわからない。
何故かおいてあるはずの財布がなくなってしまう。そういえばよく家にいるあの人が財布の場所をしっていた気がする。だから盗られたんじゃないか?
何故かあの人に会うと嫌な気持ちになる
病院に行けというが何しにいくのか
しんどいけど、どうしたらいいのかわからない。
言葉が、行動が上手くできない。
最近、生活が上手くいってない。
いったいどうしてしまったのか。
苛立ちが止まらない。どうしていいかわからず怒ってしまう。
妄想などが出てくると介護者は非常に手間をとられてしまいます。
もともとはよくしてくれていた人が、手がかかるようになり、介護者の時間が盗られ、労力を割かなくてはいけない。ストレスも多々かかります。
それでもしなくてはいけないから、互いにストレスが溜まっていき対応方法がキツくなってしまう。
よくあるパターンではないでしょうか。
生活が上手くいかない不安、ジレンマ、不快感。
傍から見ると「好きに生きている」ように見える認知症の方も
本人からすると「必死にもがいている」のかもしれません。
少しの環境の変化に翻弄されてしまいます。
朝起きた時が一番元気で、少しずつその元気をすり減らして生活を行います。夕方になってくると朝の元気はほとんどなくなってしまい、とてもしんどく感じます。夕食を食べるころには「あと少しで終わる」と感じ、精神的に少し楽になるかもしれません。そして夜に長い一日が終わります。
様々な拒否や、理解しにくい行動がみられやすい中期が本人・介護者ともに一番しんどい時期です。
それを超えるといよいよ後期に入っていきます。
後期に入るとより体が、頭が動きにくくなります。
すこしずつ体が動きにくいために寝たきりになっていきます。
言葉がよりでなくなっていきます。
あれがしたい。これがしたい。こうしてほしい。様々なことが上手く表現しにくい状況になっていきます。
毎日ねている時間が少しずつ伸びていき、体が少しずつ動かず、寝たきりのまま最期を迎えることになります。
ここまでかなり簡略化して書いてきましたが、いかがでしょうか。
認知症を持つ方の印象は変化しましたか?
もし、少しでも良い方に変化したのであれば書いてよかったです。
ただ、今までに書いた方法もうまく対応すれば少しでも「嫌なこと」は減らせるようになっていきます。
専門の知識があるに越したことはありませんが、なくても考え方で変わることは多いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
認知症の対応方法や経過、実際の症状などについてもこちらで書かせてもらっています。今回の記事と合わせて読んでいただけると今している介護から少し視点がかわります。
よければ読んでみてください。